17:15~17:45
会場に流れるBGMが北海道の歌姫・中島みゆき,ドナ・サマー「ホットスタッフ」というのも一興。
さてさて、4番手に控えしは、満を持しての登場!
ある意味ではこの日最大の目玉。
巷ではここ最近、話題沸騰、注目の的だった、あのディープ・パープルのカヴァーバンドだ。
それもただ単なるコピーに終始せず、徹頭徹尾、細部にわたって拘り抜いた超うるさ型マニアの涙腺崩壊するほどの極致をいく。
ここからはザッとヒストリーを述べていこう・・・・。
キッカケは去年の秋にさかのぼる。
STAメンバーのアッキーが「パープルを本格的にやりたい。誰かいいメンバーいないかなあ・・・?」とマサに相談。
マサも若い時はずっとこの手合いをたしなんでいたからお手のモノさ。
でもハードロック系は散々やりつくしたから近年は封印していた。
このキッカケから、さっそくメンバー探しの構想をとんとん拍子に練りはじめる。
まずはアッキー率いる「マ・シェリ」絡みでオカちゃんが浮上。
YOU TUBEでの「レイジー」完コピを見たマサは一目ぼれして感動。
イアン・ぺイスを崇拝するというオカちゃんとは即座に意気投合して加入が決定。
最初から強力無比なるリズムセクションの誕生だ。
それと同時進行して、マサは対バンのボーカルがずっと気になっていた。
ラルク・アン・シェルのコピーバンド「ショックス」
そこに在籍するハイトーンシャウターの「トミー」だ。
彼は他にもTMネットワークのリードシンガーをつとめてもいた(アッキーともそこで共演。
マサもアッキーもそのことはつい最近になって知った!!)。
その後、ヒコちゃん、GUS君、アライサンらと組んだ紫のコピーバンド「蝦夷紫」を見てぶっ飛んだ。
な、な、なんだああ!!??このジャンルも好きなんだ!!
しかもハイウエイ・スターも熱唱!
これは無視できん。
その後、また対バンする機会があったから声かけする予定が、コロナ禍にてそのライブイベントは中止。
それでも秋に再度「小樽ゴールド・ストーン」にて再会する機会を得た。STAとショックスがステージを入れ替わる舞台袖にて「ディープ・パープルのコピーバンドやらないかい!!??」
「いいですねえ。デヴィッド・カヴァーディル大好きなんですよ!!」と意気投合。
徐々に布陣は固まってきた。
ギタリストも決定して曲目も決めて初のスタジオ入り。
ところがコロナ騒動、スケジュール調整の難航、更には記録的な大雪で中々活動ははかどらない。
そうこうしているうちに春の訪れ。
サウンドもいい雰囲気にまとまってきた。
そろそろライブに飢えてきたメンバー達。
新しいエッセンスを導入するべくギタリストを入れ替える。
シンちゃん登場!
彼はオカちゃんとポルノ・グラフィテイのコピーバンドとして活動中の仲(マオちゃんがボーカルを担当)。
テクニックはもとより、愉快痛快な楽しい男だ。
パープルは若い時以来プレイしていないらしいんだけど、指はしっかりと覚えていた。
この瞬間、第2期の幕開けだ。
ひじょうにマニアックすぎるほどのパープル・フリークがごく短期間で5人結集するなんて奇跡的。
そこからはとんとん拍子に進行。
シンちゃんの素晴らしすぎるプライヴェート・スタジオで汗水流してリハーサルを繰り返す。
時には大型スクリーンに映し出されるご本家のライブ映像を鑑賞しながら、豪華なる焼き肉パーティーなども開催したりしてね。
もう我慢できなくなった頃合いを見計らっての初ライブ決定!!
それがこの日の「スターライト」さ。
目標ができたら俄然燃え上がったね。
セットリスト、時間の計測、MC箇所やイメージトレーニング。
録音、録画にも勤しむ。
研究熱心な連中だからね。
詳細の確立や修正を経てゲネプロにたどり着く。
フェイスブックにてのアピールも忘れずにね。
アッキー曰く「鉄は熱いうちに打て」
あまりにもベタだけど・・・・((´∀`*))
一致団結して盛り上がってきたよ。
バンド命名にも色々な意見が飛び交った。
8月のライブも決定。
予備の曲なんかも用意してね。
はい!!前置きが長くなったけど、神秘のベールを脱ぐ時が訪れた。
このライブを待ち焦がれていた人たちも多い。
見逃した人は孫の代まで後悔するよん。
ありそうでいなかったディープ・パープルのコピー・バンド。
永遠に光り輝く憧れのアイコンだ。
皆さん、ご一緒にアドレナリン噴出しまくりましょう!!
正にいまがその時!!!
改めてメンバー紹介をば・・・・。
デヴィッド・トミー・カヴァーディル(VO。AKGマイクを持参。メンバー中一番ロッカー然としたスリムで長身のルックス。ストレートなロングヘアにワイルドなファッションは初期ホワスネのカーバーディルみたい)
イアン・オカチャン・ペイス(DR。8インチタムを持ち込み。ディープパープルのマシンヘッドとプリントされたTシャツが神々しい)
ジョン・アッキー・ロード(KB&CHO。KORG KROSS88。テンガロンハットに大笑いのジェリーTシャツ。本人いわくこれはジェリーではなくジョンだと言い張ってきかない頑固者)
グレン・マサ・グローヴァー(B&CHO。。スペクター。ワイヤレス2機使用。ヴォーカルにシュアー&ベースはレクサー)
そして、
リッチー・シンちゃん・ブラックモア(G。備え付けのマーシャルDSL-100を使用。特注のストラトキャスター。ナチュラルボディにメイプル指板。リヴァースヘッド!!エフェクターボードは最近入手したツアー仕様のごっつい代物。シンちゃんのお客様が手土産持参で早々とお二人ご来場されていました)
名刺交換代わりとばかりに、事前に決めておいたサウンドチェック用の曲で各自は調整。
シンちゃんは例の曲のエンディングをなぞる。
オカちゃんは試しにスティックで連打。
オーディエンスは来る時を息ひそめての注視。
「ちょっとウォーミング・アップさせてください」とマサ。
「嵐の使者」をサラッと2回ほど披露。まずまずの仕上がり。
(STAのセッティング中、ニシヤンはリフをギターでさりげなく奏でていた・・・・・。
トミッチョはバンド名から推測してこの曲はやるものと思い込んでいたさ。
それはそれでのちほどにとっておこう)
小手調べとばかりにコントロール。
音量バランス、機材やモニターの返りを確かめる。これ大事な事さ。
よし、申し分なし。
アイコンタクトを送り合って準備万端整いました!!
もうこれはライブレポートの域を超越しているね。
文字による実況中継のはじまりだ。
爆発する時が訪れた。
格別な音像をお届けしようじゃないか。
皆、覚悟はいいか!!
OK,LET'S GO ARE YOU READY!COME ON BABY!!
オカちゃんの爆音フィルを目印にマサはジャンプ一閃。
「BURN」
(邦題は紫の炎・・・って、今更こんな解説は野暮ってなあもんだね。でも一応ね・・・。
1974年発表、日本でも大ヒットしたヘヴィーメタルの代名詞)
今この時、波状攻撃の狼煙がぶち上げられた。
王道を貫き通すセットリストの一発目には申し分なき一撃。
脳天直下だ。
テイクは「メイド・イン・ヨーロッパ」
Dのキーで全員一丸となっての爆発。
トミーが頃合いを見計らって「HEY!YEAH!!~ロックンロール!!!」
まるで彼にカヴァーディルが憑依したかのよう。
シンちゃんが普及のリッチー節搭載リフで自己主張を掲げる。
指の調子があまり芳しくなかったようだけど、そんなこと微塵も感じさせないほどの熱演ぶり。
アッキーは念願が叶い嬉しくて仕方ないご様子。
マサはイントロから中高生時代へと一気にタイムスリップ。
オカちゃんはぶっ飛びまくりのハイテンションマックス。
素早き華麗なるタム回しや、ブレイクのタイミングはお見事の一語に尽きる。
トミー曰く、過去にこの曲をプレイした時はメドレー扱いだったらしいから、フルバージョンは感無量のことだろう。
だからなのか、思いのたけを込めていつも以上に吠えまくる。
魂の咆哮とはこのこと。
ヒステリック過ぎるほどのハイトーンが天空にまで突き抜けるほど。
メンバー達は彼にいつも敬意を表している。
今までにもそれぞれにパープル経験はあっても、反則技で女性シンガーだったらしい。
普通の男性シンガーでは難しいからねえ。
それをいともあっさりとこなしちゃうんだから驚愕だ。
シンちゃんのギターソロはギター小僧達、垂涎のラインが飛び出してくるから憧れちゃうね。
アッキーは「キーボードの魔術師」のごとく、指先から次々と様式美のフレーズをこれでもかあというほどに紡ぎ出す。
男顔負けの鍵盤さばき。
超絶技巧派の女性版ジョン・ロード(このご時世に、こういう発言は問題ありか!?)
突き刺さる大胆なグリッサンドも見ごたえある迫力。
シンちゃんとのユニゾンパートも正確無比でバッチリだ。
間奏部の「GmーCmーFーB♭ーE♭ーCmーD7」のコード進行はバッハの楽曲からの引用。
それにしても、素早いパッセージは痺れるなあ。
随所にあらゆる遊び心とアドリブを絡めることも忘れてはいない。
とにもかくにも序盤から良い意味でレッドゾーンを振り切っている。
マサとアッキーはコーラスワークもひたすらに頑張ったよ。
圧倒された観客は金縛り状態で息を飲む。
その空気感がステージ上にまでビンビンに伝わってくる。
顔なじみの連中は「マサさんはSTA以外にプレイする姿を見たことがなかったからビックリ新鮮だったよ」とのこと。
そうさあ、15年ほどSTA以外ではほとんどバンド活動していなかったからねえ。
それも致し方なし。
ルーツの一部が垣間見えたかな。
マサは所狭しと動き回ってアクションの連続。
(ドラムとギターの間は天井から冷風が吹いてきてなんまら気持いいさあ!)
オカちゃんのところに向かって走り寄ったかと思えば、バスドラに片足をのせて仰け反り猛アピール。
シンちゃんとも目を合わせてお互いに不敵な笑みを浮かべる。
トミーとも背中合わせでがっぷり四つに組み。
このアグレッシブなフォーメーションが快感だ。
この辺にたどり着いた時点で会場中は異様な雰囲気に包まれている。
「パープル・ブリンガー・ワールドへようこそ!」状態だ。
魔物はチラホラと顔を見せていた。
オカちゃんのカメラが台から落下。
シンバルの金具が一か所外れていたために、振動が大きかった。
アッキーは録画ボタンを押し忘れた(これはSTAメンバー達にボタンを押してもらい事なきを得た)。
シンちゃんはカリフォルニア・ジャム風に背中のストラップがねじれていた(後方でそれを発見したマサは思わずニンマリ)
アームバーが落下した。
スライドバーを忘れた・・・このくらいかな。
でも全く深刻な事故にはならず笑い話にしちゃうところが、したたかすぎる軍団。
エンディングを迎えたところで万雷の拍手が沸き起こる。
皆、エキサイトしているねえ。
間髪入れず、アッキーによる荘厳なるハモンドオルガンの響き。
彼女がいうには「お祈りのコーナー」らしい。
これは無視できないクラシカルで神聖なるひと時。
どれも曲が長いから組み立てに苦慮した。
でも最大に美味しいところは残して披露。
黄金の第2期と第3期で攻める所存。
一切の妥協を排して臨んだ結果の研究成果が花開いた瞬間だね。
緊張感が絶頂に達した頃合いを見計らってのオカちゃんハイハットによる巧みなるカウント。
間髪入れずに「SPEEDKING」
(1969年に書かれ、1970年6月に発表されたアルバム「イン・ロック」の冒頭に収録。シングルカットもされた。日本はアルバムのみ。パープルの潮流を生み出した重要なる曲の一つで、のちのスピードメタルやスラッシュメタルのスタイルを形成した貴重なる曲と考えられる。これって実はリッチーが敬愛するジミヘンの「ファイア」へのオマージュなのは有名。KNEEL&PRAYが当初のタイトルだった。歌詞はイアン・ギランが初めて書いたもの。
多くのオールディズ人気曲から断片的に拝借して繋ぎあわせた)
ビートにのってヘッドバンギングの応酬。
マサは右腕をグルグルと振り回して回転する。
腰をグッと落として観客を睨みつけてのピッキング。
濃厚なるハードロックは情け容赦なく続く。
しかし、まあメガトン級の迫力だなあ。
やっている本人たちが言うんだからこれは間違いない。
聞かせどころは中間部でのキーボード&ギターによる火花散るソロバトルに尽きる。
真剣勝負を挑み合うストイックなご両人。
丁々発止な雪崩込み。
陰と陽、強弱のしのぎを削り合う頂上決戦。
マサはキーボードの前に膝まづいて虎視眈眈と状況を見つめる。
導入部では押さえ気味にバトンを受け継ぐ。
一番、バンドへの加入が遅かったシンちゃんだけれども、自由自在元気一杯伸びやかに弾きまくる。
滑らかに指板を駆け巡る姿はカッコいい。
オカちゃんによるリムショット・アクセントが渋い。
事細かにイアン・ぺイスのドラミングを再現。
その様は愛を込めて忠実に。
ソロは徐々に熱をおびはじめてエクスタシーに達し大爆発。
恍惚感に浸る暇もなく疾走。
阿吽の呼吸で息もぴったりに爆走。
正確無比なるやり取りは、もはやアートの領域。
アクセルを緩める手段なんてありえない。
手抜きなんて許されないシビアな環境。
ワイルドなトミーはやや斜に構えたポーズが妙に似合っていて心憎いほどだ。
後半での笑い声もニヒルに轟いた。
ラフにソリッドに時にはストレートなやりとりも板についてきた。
「キーン!!・・・」と鳴り響くキーボードに包まれてのエンディングでマサはキック、ベースにパンチ、ネック振り上げにと大忙しにバリエーションを提供。
トミーによるMC
「皆さん、こんばんは!パープル・ブリンガーです!!」
ここでアッキーがキーボードに触れて思いっきり意味不明な音を発した!!((´∀`*))
「変な音が出ましたが・・・((´∀`*))
ディープ・パープルのコピーです。
今日はですね、このバンド結成して初のライブということで、え~有名どころを満載でお届けしようと思いますが、え~ディープ・パープルは、昔のバンドだけに曲が長いんですよ。
なので、しゃべりは少なめでバンバンバンバンやっていこうと思います。
いいですか!!??」
シンちゃんが大きくうなずく。
オカちゃんによる豪快なハイハット4カウントが打ち鳴らされる。
「BLACK NIGHT 」
どの曲もハイライトナンバーばかりで大サーヴィス。
初出はアルバム「24カラット」
(1970年に発表。本国のイギリスでは2位まで上ったヒットソング。日本でも約10万枚を売り上げる異例のヒットを記録。ブルース・マグースの恋する青春と瓜二つはご愛敬。)
バンドメンバー中、一番年上のマサは黄金期のパープルをタイムリーに知っている。
いわば大袈裟に言えば生き証人のようなもの。
だからレパートリーは新曲当時を知っているし、パープルの変遷史やメンバーの動向、ファミリーツリーなんにもけっこう精通している。
この曲のスタジオ盤もたしなんだ口。
オカちゃんは日本の「UCCブラック・無糖」のコマーシャルで知ったらしいよ。
世代に多少の差はあれども、皆パープルはライブ演奏経験があるのは強みだね。
しかし、正直な話、これには手を焼いた…というもの相当前のこと。
今ではお互いの手の内が、比較的読めるようになってきたから余裕しゃくしゃく。
当然、我らパープル・ブリンガーは迷うこともなくライブバージョンの手ほどきを受けた。
イントロはスタジオバージョンではベースとドラムのみ。
でもそれではあまりにも寂しいので厚み強化ということでギターも加わって度度肝を抜くほどのモンスターサウンドにと提案。
そろそろ、進行にも馴染んできたのか、メンバーらは肩の力も抜けてきてプッツンしながらもリラックスモード全開。
やや走り気味だけど、冷静沈着にかつ暴れまくっちゃおう。
とくとご覧あれさ。
印象に残るスタンダードが繰り出されるわけだから、ドツボにハマることは請け合いだ。
で、このコンパクトな構成の曲はライブバージョンともなるとじゃじゃ馬のごとき、捻りが加わってくる。
センスのない輩が演奏すると、リズムがお囃子の乗りになっちゃうからお笑いだ。
ここいら辺にきてもトミーの喉は強靱だ。
ボーカリストになるために生まれてきたような男なんだね。
神に選ばれし者の宿命の特権。
一向に衰え知らずで、益々狂暴性を発揮。
どのようなトレーニングを積んでいるんだ。
今度、こっそり教えてもらおうっと。
ギターソロは狂喜のアーミングが炸裂。
延々と恐ろしくも悲鳴に近いくらいの唸りをあげる。
戦慄が走るんだよ、ここは。
常識を凌駕する場面。
追い打ちとばかりにアッキーのキーボードが熾烈に張り合うのだ。
ボーカルに怪しく絡みつくギターのオブリガードが効果抜群。
名物ともいえる3番でのドラム連打はワクワクするね。
皆、わかっているから「そろそろくるぞ!」と待ち構えているしなあ((´∀`*))
大好物さ。
イアン・ぺイスはジャズのエッセンスがふんだんに盛り込まれているからオカちゃんの本領発揮だ。
真骨頂のエンディングでも最高の仕上がりを見せた。
ルーズな破壊力溢れる様式美のお手本のような展開は流行なんて関係ない。
トミーの雄たけびも絶好調。
オカちゃんは次に出演のSTAドラマー「サエグー」に「やばいっすねえ」と賛辞を受けたらしい。
シンちゃんはカウンター内のママさん達から「よかったわよ」とお褒めの言葉を頂戴した。
モニターの返しをトミーが代弁してミキサーの純平ちゃんに要請。
「お願いします!」
チューニングタイム。
出た!!
「SMOKE ON THE WATER」
(オカちゃんのTシャツに描かれている1972年発表のアルバム「マシンヘッド」に収録。アメリカでは翌年の5月ビルボード・ホット100において4位を達成。
この曲に関するエピソードはすでに語りつくされた感あり)
トミーは「クラップ・ユア・ハンド!」と手拍子を要求。
アッキーも追随して両手を高々と掲げてそれに呼応する。
ハードロックを聞かない人でもこの曲は耳に馴染みがあることでしょう。
熱狂は頂点に達した感あり。
これぞ基本コンセプトに掲げていた究極なるライブバンドのしたたかさ。
イントロのギターからドラムとキーボード、更にベースへと折り重なるような進軍はスリリング。
ドラミングのオカズは第3期以降でのフレーズで刺激的。
チャッカリとトミーはオリジナルのギランではなく、カヴァーディルの節回しを導入してドスを効かせているね。
ちなみにパープルというバンドはカリスマのリッチー、キーボードの革命児ジョン、鋼の強靱なるボーカル、そして手数王ことぺイスにスポットライトが当たりがちだけど、ベースも奥が深い。
よくよく突き詰めて聞いてみてくださいよ。
いぶし銀のようなフィンガリングが控えめながらも、そこかしこに這いずり回っているから。
悲しいかな、それはベースというパート上、宿命なのかもしれないけど(クィーン、ツエッペリン、ザ・フーしかりだ)。
その最たる作品がこの曲。
まるで地響きのようなベースソロがふんだんに導入されているんだから。
イエスのクリス・スクワイアとは別角度での解釈でリッケンバッカーのトーンを生かしきった名演が山積みだ。
エンディングでは「キーボード!アキ―!!」とトミーは指差しで紹介。
それに反射的に対応したアッキーも左腕を誇らしげに突き上げてソロを奏でる。
淡々とバッキングをつとめるオカちゃんとマサ。
締め括りが怒涛のギターとキーボードによる熾烈を極めるソロリレー。
エモーショナルなシンちゃんのチョーキング。
アッキーは咄嗟にしつこいくらいの音数で応戦。
タメにタメを効かせてのフィニッシュ・クラッシュ。
予定にない閃きが沸くこともあれば、事前に考えていたことがすっぽ抜けることもあるのがライブの醍醐味。
その積み重ねは永久なんだよね。
ライブは生もの。
何10回も繰り返してパーフェクトなリハでも、たった1回のライブでとちることはザラ。
だからこそ、一旦その魅力にハマったら抜け出せないのがライブなのさ。
そのままの余韻を引きずりながらナイスなタイミングでオカちゃんのスネアがロールされる。
「ラストです!HIGHWAY STAR!!」
足元のドリンクを一飲みしてトミーからのコールが盛大に告げられる。
この焦らし具合の加減も面白い。
ライブ・イン・ジャパンとスタジオバージョンを程よくブレンドしてグイグイと牽引。
(1972年3月リリースのアルバム「マシン・ヘッド」トップに収録。
日本ではシングルもヒットしたよ。
この曲、今でもトミーが在籍する「蝦夷紫」のセットリストに組み込まれているそうです。
トミーの鬼門ともいえる曲。
フルスロットルにトミーがパトカーのサイレンを高らかに演じる。
ここにきて一体全体、何オクターブまで出るんだ!?
タフネスガイだね。
そのエネルギッシュな様に、横に陣取るメンバーらも俄然刺激を受ける。
血湧き肉躍るとはこのこと。
リハでトミーが指摘していたシンコペーションも自然に溶けんでいた。
さあ、貫禄漲るキーボード・ソロには風格さえ漂ってきた。
でもアッキー満面の笑顔は健在。
まあ、これもチャームポイントに一つかい。
ヒコちゃんいわく「クラシック・ロックは俺たちの青春そのものであり原点だね」
だから中盤部分におけるJ.S.バッハのコード進行は、何度聞いても感涙にむせんじゃうのさ。
バッハとジミヘンの融合。
この手合いは日本人の琴線を振るわせるのだ。
まるでギタリスト向けの教本のよう。
その証拠に観客たちはシンちゃんのギターソロで万雷の拍手をこれでもかあ、というほどに浴びせていたよ。
嬉しい限りだね。
サンキューだ!!
シンちゃんのギターソロに熱視線が向けられる。
プレッシャーも何のその。
見事に大役をこなしてみせた。
余力を振り絞ってのトミー高音ヴォイスは衰え知らず。
オカちゃんのドラミングは信頼度高し。
安心して各自がプレイに専念できる。
アッキーもシンちゃんも、まだまだ自己主張し足りないよ、とでも言いたげ。
引っ張りに引っ張ったエンディングで堂々のフィナーレを迎えた。
「WOW!!ありがとうございました。パープル・ブリンガーでした!!」
完全燃焼で燃え尽きた。
やれるだけのことはやりつくした。
満足感に溢れたメンバーらの表情をみればそれも一目瞭然。
すぐにでもまたステージに戻ってきたいなあ。
ステージ後、方々からメンバー達は称賛を受けたそうです。
すでに次のライブに対する期待が膨らんでいるしなあ。
急遽、この夜はシンちゃん宅にて2度目の焼き肉による「打ち上げ」が催されました。(ライブよりも回数が多いのはご愛敬さ((´∀`*))
美味しかった、シンちゃん、ごちそうさま。
その際に巨大画面にて我々のライブ映像やパープルの動画を見ながら次回用のミーティングも熱心に執り行われた。
真面目で愉快痛快なパープルオタク・バンドは深夜遅くまで宴に舌鼓を打ちつつ、討論会を繰り広げて時の経つのも忘れてしまった。
雷が何度も落ちて我々を祝福しているかのようでした。
お疲れ様でした!!!
お披露目ライブは大成功の大団円!!
追記・・・・オカちゃんは「スピード・キング」「ブラックナイト」「スモーク・オン・ザ・ウォーター」をメドレーで、トミーはホワイトスネイクの「バーン」「ストーム・ブリンガー」のスペシャル・ミックスをライブで演じたことがあるそうです。
シンちゃんも若い頃はもっぱらパープルの虜、アッキーは正直な話、あるライブにおいてパープルを知りジョン・ロードにぞっこんとなり、マサは高校生の初ライブでパープルを夕張商工会館ホールなどでプレイ。
結局は各自、思い入れの強い別格バンドなのは間違いなし!!。