山歩きと言うのはちょっとおこがましい。 散策である。
上高地は四季を通して何度も来ている。しかし いつも大正池から 河童橋まで・・・一緒に行く人に合わせたり 時間の都合だったり。
このところ暑くて なかなか腰の上がらない私だったけれど 名鉄のバスハイクを利用して行ってみることにした。あそこなら涼しいし 今回は 奥まで行ってみよう。 名鉄のバスハイクは 最終通過時間が決まっているだけなので 自分のペースで自由に歩けるのがお気に入り。
現地では 殆どの人が 大正池で降りる。 「ここから河童橋までが一番大正池らしい道です。」と言われたけれど 過去には 帝国ホテルで ご飯食べて座り込んでしまったり 時間が余って おみやげを買うだけに時間をつぶしたり・・・ 雪でなかなか前に進めなかったり 何とももったいない時間の使い方をした。
今回はモデルプランによると 往復2時間ほどの散策。 4時間程の時間が用意されているので ゆっくり花を見ながら 歩けるはずだ。 あの写真で見た神秘的な明神池を見てこよう。
バスセンターから河童橋へ。 平日であること 梅雨の時期であるからだろう いつものように人で溢れていることはない。 もの凄い勢いで流れる梓川の水を見ながら河童橋へ
昨日までの雨が上がりつつあると言うことで 山は霧がかかっていたけれど だんだんに上がってきて岳沢の雪渓が直ぐそばに見える。 ひっくり返りそうに見上げないと見えない明神岳の険しさ。 登るわけではないのに どきどきしてくる。
どっちを右岸と言うのかどっちを左岸と言うのか解らないけれど 穂高に向かって左側から歩き出して 明神池へ その後 明神橋を渡って 右側を戻ってくる周遊コースを選んだ。 歩いてみて直ぐにこの道がすばらしい道だと気づく。
少し外を回ると車の通る道があるけれど 当然迷わないで自然散策路を歩く。 木道が取り付けられているので歩きやすい。川の水音を聞きながら地道を歩くけれど 小さな橋を越えた辺りから緑がひときわ美しく目を惹く。
ここから明神橋までの道は感動的。 緑も勿論美しいのだけれど 水の美しさ力強さに心を奪われてしまった。 どこから湧いてくるのだろう あちこちから 透き通ってほとばしるような流れが集まってくる。 湿原歩きをしていたはずなのに なんだか水に浮かんでいるような錯覚。
どれだけシャッターを押しても この水の美しさ緑の美しさ 静寂の美しさを伝えることが出来ない。
不覚にも涙がこぼれた。
ゆっくり回ったので90分ぐらいかかっただろうか? やがて梓川に戻ってきて行く手に明神橋を見る。
あれ? 明神池見落としたぞ。 左手に山荘がありそこから行けるようだったので 戻る。
明神池は穂高奥社が祀られている。 前に安曇野の穂高神社に行ったときに同じような舟が飾られていて 海と山の幸の神様が祀られているとあったので ここはその奥社なんだろうか? 神事に使われる 竜神とも鶏とも思える不思議な飾り物があった。
一の池 二の池で成り立っている明神池は とても静で青い鏡のようだった。 水は透明なのだけれど 何を映しているのだろうか?
たくさんの明神池撮ったのだけれど あはは 逆光でよく見えなくていい加減に押したら みんな傾いている。 使えるのは こんなもん とほほ 私の頭にインプット
鴨さんが二羽 とても人なつこい。 逃げない あれ? 渡りしないんだっけ?
少しおなかすいて 岩に腰掛けておにぎりを一つ。 そしたら鴨さんそばまで来て訴えるの。 ください くださいって きっと観光客に食べ物もらってもらうのになれちゃったんだね。 いけない いけない とおもいつつ おにぎり少しこぼした。わざとです ごめんなさい。
さて予定の時間まで後一時間半 一時間かからないで帰れそうなので あわてることはないけれど 私の事 何を思い立つか解らない。 おみやげも見たいしね
明神橋を渡る。 昔奈良井で 雪の中の峠越えをし 遭難さながらの思いで藪原に辿り着いたとき 駅前の喫茶店で出会ったおじさんは 大工さんだけれど 特別な人らしくて 文化財を手がける資格のある人だと言っていた。
彼は5年に一度 河童橋や 明神橋を作り替えているんだと 上機嫌で飲みながら話してくれた。 明神橋は作り替えたばかりだろうか まだ新しそうだった。
明神橋を渡っていると向こうから見たことのあるおじさんがやってくる。 あれ~ 同じバスに乗っていた人だった。
大正池で降りたはずのその人は よほどの健脚らしい。全行程を回っていらした。凄い。 上高地初めてとおっしゃっていたから 回らずにはいられなかったんだね
さて 帰りの道は ふつうの山道だった。まず 徳沢への分岐点に出る。 一度は行ってみたいと思うけれど 山小屋の前で準備をしている人々を見るとやはり気後れしてしまう。 凄いな みんな
ここから梓川の水音を聞きながら ビジターセンターまで歩く。 こちら側からは 明神岳がよく見える。 雪渓が急斜面に残っている。 凄い山だ。どうやったらあんな山に登れるんだろう? 人ってもの凄いこと考えるな。
なんだか身震い。
今回 あまり花に出会えなかったな と思っていたけれど 家にもどて整理していたら それなりには咲いていたんです。 地味な花が多かったけれど・・・その一部をご覧ください。
等 少し寂しかったけれど 一つだけ ぱっと輝くような花が・・・
蘭に見えるけれど 何だろうか?葉っぱもないし 不気味と言えば言える。
きょろきょろきょろきょろ 楽しい散策もビジターセンターにつくと 寂しさを感じ 河童橋でおみやげのチーズケーキを買い バスに乗り込んだのでした。
やっぱり緑が好き 水が好き 今度はここは秋かな?