本当はここでやめても良かったんだけれど とりあえず 6合目の自販機の所まで行こう。 お昼ご飯も食べたいし。
登山道はさっきの花の山から見ると反対側 リフトの終点から右に入っていく。 伊吹山は暑い山という印象があった。何しろ樹林帯から外れているのだから 展望は間違いなく良いけれど景色は 高さが変るだけで 殆ど変らない。
それでも夏にわずかの日陰を作ってくれるのが このリフトの終点から 6合目までの道だった。 沢山の人が歩くので登山道は掘り割りの様になって そこにおおきな砂利を入れているから歩きにくいったらありゃしない。 それを嫌ってか 両横の高いところを歩き出し 何時か新しい道を作っている。自然が壊れていく。
我慢我慢で歩いていく。木々には新しい芽吹きが・・・柔らかい色で 気持ちが安らぐ。 足もとはアマナの縦列 スズシロソウ スミレ 蒲公英 春満開
やがて 六合目に出る。 ここには売店があり 自販機がおいてある。 山には似つかわしくないけれど とにかく暑い山 水分補給にありがたいかも
前には 一組か二組しかなかった(と思った)ベンチがいっぱい増設されていた。 登山道では 食事のできる場所が少ないので これはありがたい。 遙か向こうに 三合目の高原ホテルを眺めながら 今日は煮込みうどんにお寿司。 二人とも朝 取るのもとりあえずでてきたので コンビニお寿司だったけれど おなか空いていて美味しい。本当に美味しかった。
さてここからどうしよう? ピーちゃんは 伊吹山若いときに登ったきり やっぱり登りたいだろうな?
私は 何度も来てはいるけれど この山はきついので ゆっくりしか行けない。 登りたくないか?と言えば 諦めるのは嫌だし・・・ よし ゆっくり登ろう。 ピーちゃんには 先に行ってもらえば良い。 この山 絶対迷わないし 上から私の位置が確認できる。
ジグザグ道が始まる。 7合目ぐらいまではまだ良い。 しかしだんだん足もとは岩になってくる。 雪解けからあまり日が経っていないからか ン?どっちだ?と思える道がいっぱい。 ヨイショ どっこらしょと岩を乗り越えていく。腿がかなり疲れる。 今年はまだ山登りの体になっていない。だんだん手に感覚がなくなってきた。 腫れている。 山に持ち込んだポテトチップスみたい。 頭もふらふらしてきた。 あかん
「ピーちゃん 先行って。 頂上について帰りたかったら 戻ってきてね。」 そう言って別れる。時々振り返りながら 登っていくピーちゃんを見上げながら 花を愛でて後を行く。
8合目 可愛らしいお社までが 長かったこと 長かったこと・・・ ここもベンチが増設されていた。前は 切り倒した木が一本横たわっているだけだった。
あら 見つけたよ これはキバナノアマナでは無いの? アマナよりかなり小さいけれど 葉っぱも同じ 花の咲き方も同じ。がんばって上がってきて良かった。念願の花をいっぱい見つけたよ。
お社を過ぎてから ますます傾斜はきつくなり この伊吹山は中央アルプスの千畳敷の様にカールになっていることを感じる。 見上げると ひっくり返りそうなくらいに迫ってくる。ホテルは遙か遠くだ。 春霞の中に 琵琶湖が広がっている。
9合目の標識が見えた。あそこまで行けば頂上は近い。 自分に言い聞かせて登っていく。ここでやめても 中途半端で意味無いしね。
九合目まで辿り着いたとき 向こうの方でピーちゃんが待っていた。
「雪がいっぱい残っているよ~ ショウジョウバカマもあるし ゆっくりでもきっと諦めないと思って待っていたよ」
傾斜の緩くなった最後の一合を話ながら歩いていく。 雪がいっぱい残っている伊吹山は 初めて。 暑くて暑くて辛かった登りも雪を見てほっ!
頂上広場のお店は何店か開いていたが まだ客はまばら 何処に入るかいつも迷ってしまうけれど 去年ジャコウソウの説明をしてくれたお兄さんの店に入る。
イオン飲料500を一気に飲み干し もう一本お茶を買う。 そのぐらい水分が抜けていたらしい。
そこのおじさん話し好きで 花の話を次から次へとしてくださる。レスキュー隊もなさっているらしく 山は詳しいようだった。
この辺スハマソウやザゼンソウもあるよ。
えっ? ザゼンソウ? びっくりした ザゼンソウは水辺の植物で 雪を割って出てくると思っていた。前に滋賀県と福井県の県境で見たザゼンソウもそうだった。
「おかしいやろ? でもこの辺は 霧が多いからザゼンソウ育つらしい。 北尾根には今緑のザゼンソウが盛りだよ。」緑のザゼンソウ ますます 興味津々。 でも北尾根 今日はもう無理だよ。 もう一つの花の山北尾根に思いを寄せる。
管理人の案内で(さっきのおじさん) 赤い方のザゼンソウを見せてもらう。 確かにあった。 わたしが かつて見たことのある物と比べると とても小さい。それだけになんだかいとおしくて 宝物に出会った気分。
掌に乗りそうな小さなザゼンソウは 管理人が柵を開けて 管理用の道を歩く約束で 見せてもらった物だった。
やっぱり伊吹山は 花の宝庫だね。
改めてこの山のすごさを思いながら 帰り道を急いだのだった。 伊吹山も岐阜県 愛知県 滋賀県から見え みんなに愛されている山。
日本武尊の伝説にも出てくる山で 薬草も有名。四季を通じて楽しめる山は大好きな山。 ちょっと私にはきついけれどね
帰りに 林道で イカリソウの大群落を見つけ 興奮し 豊臣秀吉ゆかりの神社の前にある 巨大な木を眺めて帰ってきた。
中々充実した山歩きでした。満足満足。 そして日焼けで ひりひり いたたた