一ヶ月山歩きをしないでいたら なんだかその気になれない。 最近勉強が忙しいこともあって(やってもやっても 頭に入らないし どんどん順位が落ちている)どうでも良くなってきていた。
昨日朝早く 息子が家を飛び出したと思ったら(おかしいな 彼は木曜日はゆっくりのはずなのに)帰ってきて「はい デジカメ」とルミックスを渡す。 「お母さん最近昔のカメラ使っていて やりにくそうだから・・・ちゃんと使いこなせよ」
初めてのカメラを誕生日に買ってもらってから これは5台目になるかしら? 私はどれでも良いのだけれど 山で落としてから調子悪く 昔のカメラを使っているのを見ていたらしい。ありがたい。
「ふふふ 中途半端な大きさで かっこわるいけれど デジカメでもマニュアルモードがあるので それなりに楽しめると思うよ。」 「はは~ぁ ありがとう御座います。」
で 早速カメラの試し撮りがしたくなった。 何処にしよっかな~
思いついたのは海の見える山。 あまり怠けたので体力に自信なく 車で行けるお気楽登山が良いなと言うことで 三ヶ根山の辺りで・・・と出かけた。 まあ 何と前ぶりの長いこと。
途中 茶臼山に変更。 そこに平原の滝の文字を見つけたから。
子供達がまだ小さかった頃 ここへ越してきて みんなで暮らせる時期がそう長くは無いから思い出作りをしようね と初めて行ったキャンプ場 それが ここ平原の滝のあるところだった。 やれやれ まだ前振りが続くよ。
23号線 西尾東インターを降りてから暫くふらふら 今日はナビ車を息子に貸してしまったから 地図を見ながら あれれ 迷ってしまったよ。 地図を広げて そう大きく外れていないことを知り 軌道修正 平原の里から キャンプ場駐車場にたどり着く。 数台の車が止っている。コンクリートの林道を上っていくと あった あった キャンプ場
キャンプ場と呼ぶには ほんの二三組しか使えない小さな物だけれど あのとき楽しかったな。 手探りでやり方もわからず 炭をおこしてお肉を焼いた・・・・
あのときはここから登る体力さえなくて 子供達だけで滝を見てきたのだった。 そんなことを思いながら更に歩くとあっけなく滝に着く。 高い岩の上から細い長い滝が流れている。これが 大滝 薬師堂の前から 樋を伝って 行場のように流れている滝???は小滝
そう言えば 子供達 滝から戻ってきて 小さくて しょぼいよと悪口を言って帰ってきたな
これを滝と言うのは難しいかもしれない。 でもこの樋の数は閏年と 普通の年とでは違うんだって。。。 今12本あったから 来年は きっと 減っている。。。。かな?
薬師堂で 資格試験の勉強がうまくいくことと みんなが健康で過ごせることを祈り 次何処へ?と思っていたら 一人の男の人が 薬師堂の裏からひょいひょいと道なき道を上っていく。 ん? でも道じゃないよ
困っていたら右の方に散策路と案内があり 階段ができている。うん階段嫌いだけれど これなら間違いないだろう。
特別急と言うわけでは無いけれど 延々と続く階段に 時々立ち止まって息をつく。 一ヶ月の休憩は長かったな。 こんな低山でも はぁはぁ言っちゃうよ。 時々ばさっと 音を立ててびくっとする。 今日は暖かい とはいえ蛇君が出てくるはずは無く こわごわ見ると鳥たち。 いろんな種類の鳥たちがいる山だった。
直ぐそこは里なのに 里の音は確かに耳に入っては来るけれど 回りの景色は静で気持ちよい。 階段がなければ どこか山深くに迷い込んだような気さえする。
どこかから子供の声がする。 203展望台かららしかった。 元気な子供だ。 汗を拭いて 水分補給。衣服の調節をして少し上ったら直ぐに尾根についた。
茶臼山頂上と 203展望台の分岐だった。 西尾市が作った手作りの道標。 できたらおおよその所要時間が欲しかったな。 計画建てにくいもん
少し下ると 更に道標 ここは展望地と 茶臼山の西の方のへ降りると思われる林道との分岐だった。
下ってまっすぐ 大きくて高い東屋に繋がっている。 展望が楽しみ。 行くと 小さな男の子が二人 東屋から降りてくる。 年の頃 3っつか4っつぐらい? 近道があるのだろうか? それとも私と同じ道を駆けてきたのだろうか? ご両親と ダックスフンド二匹 も一緒だった。 凄いお散歩だなぁ
東屋に上ると 春霞 遠くまで見通せないけれど。。。。でも家のあたりがなんとなく見える。 透明度高かったら 絶対御岳とか見えるのになぁ。ひょっとしたら富士山も見えるかもしれない。
ここで下へ降りてお昼。 いつものような山での調理はしない。 どんな山かわからなかったので 今日は途中のコンビニで買ったエビ天どん
見た目美味しそうだったけれど やっぱり一人では美味しくないな。 半分食べていらなくなって撤収。
頂上の方へ行ってみようか? 時間を見たら1時半。出かけてきたのがお昼過ぎだからね。 さっきの分岐まで来て考える。どのくらい掛るのだろう? 遠くに鉄塔が見える。きっとあそこが頂上。結構ありそうだな。
帰りの時間を考えて 二時半までにつかなかったら戻ろう と決めて 尾根を歩き始める。
尾根道というか稜線歩きはとても気持ちの良い道だった。 先程の子供達の声も聞こえなくなり 鳥の声以外は何も聞こえなくなった。 いや 時々工事の音かと思える音がどこかから。。。
階段は姿を消して 岩を乗り越える道もでてきた。 ちょっと大げさだけれど 分岐までの道とは様子が違う。 大好きな緑のトンネル。 漏れてくる日差しは すっかり春の日差しに変わっている。
この道 道標は全くないのだけれど あちこちに踏み跡がある。 どこから来たのか?何処へ行くのやら? 帰りに間違うと大変なので 振り返って帰り道を確認する。
鉄塔がぐんと 大きく見えるようになって やがて行く手に 女の人が4人。 ご挨拶だけして行こうとすると ここは頂上? 二方の展望が良い。 足もとはおおきな一枚岩と思われるテーブルのよう。 写真を。。。と思ったけれど 知らない人が入ってしまうのはいけないかと 鉄塔の方へ降りていった。 後でまた来ればいいや。 どうせ戻るのだし。。。
と 後ろに人の気配が・・・ 先ほどのグループは三人と 一人だったらしい。そのひとりが グループに道を聞かれていたらしい。 にこにこして近づいてきたその人は「どちらから登っていらしたのですか?」の次に 「ひょっとしてホームページやっていらっしゃいませんか?」と聞かれる。 確かにやっているけれど どうして また唐突に。。。。
しかし 彼女の質問は 意味のない物ではなく ある確信を持ってされていた事がわかってびっくり。「私 あなたのホームページ お気に入りに入れてあるんです。。。」え~~っ?なんと言う嬉しいこと言ってくれるの?私は 自分がわかるような写真を出していないし(つもりだった)嘘に違いない。 でも私が三の沢で転んで骨折したこともご存じだし・・・・くすぐったくなるような嬉しい言葉でホームページを褒めてくれて 私 にやにや ご主人もホームページをつくっていらっしゃるとのこと でもアドレス知らないって (これは家に帰って 調べてみて想像がついた 私達は どこかで繋がっていたんだ)
と言うわけで とても嬉しくなって 何時か一緒に山に登りましょ と 携帯電話の番号交換。
そのまま話が弾んで 彼女の案内でさらに 西茶臼山の途中 採石場まで行く。そこは秘密基地の工事現場のように見えた。 息を呑んだ。この 不思議な景色の何を私に見せたかったのだろう? 一つ中に入れば原生林のように自然いっぱいのこの山にも 自然崩壊の危機が迫っている事だろうか? よこを見ると 蟻地獄のような堀跡の淵は 鉄塔のすぐ脇まで来ていた。 鉄塔が倒れてしまう。。。と笑っていた。
さ 戻りましょ
と言うわけで 鉄塔から先 頂上の三角点まで戻る。 沢山降りたつもりだったけれど 話をしながら登るとわけない。
分岐まで戻るつもりでいたけれど 沢を降りていく道があるという。そこはさっき道があることに気づいてはいたけれど 何処へ行くのかわからないので 近づかないでおこうと思った道だった。
今日はシューズを前まで履いていた物で来てしまった。そんなに大変な山では無いので 大丈夫と ストックもおいてきてしまっていた。 沢を降りるコースは 近道だけれど少し急な所もあって滑りやすいとのこと
「ゆっくり楽しんで降りましょ。」
落ち葉を踏みながら 沢筋なので 水のしみ出しているところもあって 確かに滑りやすいけれど 思ったより快適な道だった。 話が弾んだこともあるかもしれない。
「防空壕の跡があるの」と教えられた。 防空壕? こんな山の中に防空壕 のぞいてみると 結構広くて 中には煮炊きしたのかな?と思える場所も。。。 防空壕というよりは 沖縄戦の洞窟(見たこと無いけれど)のイメージだった。
この山には あちこちにこんな山があるらしい。「もう一つこっちにも。。。」と案内された穴は 岩が落っこちたのかふさがっていた。 私達がイメージしているいわゆる防空壕とは違うかもしれない。 何か戦争に重要な役割を果たしていたやまだったのだろうか? すっかり戦争の事を忘れている私達だけれど・・・・
はっきり沢が見えてきて 水音もするようになったころ 堰堤が見えてきた。 堰堤を越したら 程なく薬師堂の屋根が見えてきた 出がけに見たお兄さんはこの薬師堂から 斜面の方に向かって歩き出していた。 道? ない
彼女も一度藪こぎをしながら斜面を登ったことがあるのだとか 途中で怖くなって引き返したかったけれど 降りることはもっと危険で 登るしかなかったと 淡々と話す。 私にはできないことだ。
滝の真上に来た。 滝のよこに出ることを提案。 岩のごつごつした斜面だったけれど 降りられない道では無かったし あの細々とした滝見てみたかった。 両手を使って そろそろ降りる。 聖域だとしたらごめんなさいって言うしかないけれど その岩場は 滝のそばの休憩所に繋がっていたから きっと踏み込んでも良い場所だと思う。
ここからの滝の景色の方が美しい。 古びた灯籠に天保の文字が見える。
そんなに古くから人々とともにあった山なのだろうか?
久しぶりに登った山は 西尾の里山 思いがけない出会いもあって 楽しい山歩きになった。 これで最近の低調地獄から抜け出せるかな?