Fuu

ある日には山 ある日には畑 自然体で気分良く暮らしています。

幻の山寺

2007-01-28 00:59:25 | 山歩き

湖西連峰を縦走しているときに 通過点だけれど 大好きで楽しみにしている場所がある。石巻から観光道路を45分歩いて登り詰めた場所 大知波峠だ。

突然目の前に拡がる景色はいつも感動的。

Ootibahaiji

ここは奈良時代にお寺があった場所らしい。始めてきたのは3年前だったろうか?まだ発掘調査をやっていた。おおきなすり鉢状の斜面に基礎の石や遺構がいっぱい拡がっている。

ここからの眺望は眼下に浜名湖 遠くに太平洋 浜名湖市街地 時には富士山を見ることが出来る。 これだけでも十分素敵な場所なんだけれど今回は静岡県側 知波田の方から歩いてみたかった。

Haijikarahamanako_1 

標高340メートルもある所に建っている大伽藍を当時の人々はどんな思いで見ていたのか?どんな思いでお参りしていたのか?そして こんなに立派なお寺がなぜ廃寺になってしまったのか?

文献が全く残っていないと言うことで私なりにかんじて見たかった。

豊川道  こんな名前の道が廃寺の横を通っている。入り口はおちば親水公園のあるところ。入り口の目印は大杉。 この知波田の人々が 愛知県の豊川稲荷まで詣でるための道。 ここから姫街道に下り 西に向かうと最短距離で豊川稲荷に行ける。

豊川稲荷詣で・・・商売の神様だと思っているので私はあまりお参りしたこと無いけれど そう言えば私の祖父も遠く飛騨の地から 毎年正月になるとお参りに来ていた。

地元の人々に取ってはお伊勢参りに匹敵する大事な神社なんだね。 ここはまだ峠を越せば行けるだけ良いのかしら?

豊川道は殆ど直登に近い急斜面が続くけれど 緩やかになった頃には炭焼き窯があったり わき水があったり・・・麓には棚田の後と思われる石組がだんだんに積まれている。

Sumiyakigama

今は雑木林になってしまって これはこれで私たちの癒しの道になっているけれど 昔はもう少し上の方まで開けていたのかも知れない。 人々の生活は もう少し山の中にも分け入っていたのだろうか?

廃寺の後は 3ヘクタールもあるとか 九つの堂宇 大伽藍が立ち並び 池もあり 築山もあり 水屋もある。 そしてその様子が 良い状態で残っているから どんな大きさだったか容易に想像できる。

豊川道の入り口からは 全景は見えないけれど 知波田からは山の上に燦然と輝く立派なお寺が見えていたはず。

すり鉢状の真ん中に立って あったであろう堂宇を想像すると ここが一つの小宇宙の様に見える。 堂宇に背を向けてすり鉢の底にある浜名湖方面をながめると 美しく輝く里を感じることが出来る。

なぜ滅びたのか? いつ滅びたのか?すべて闇の中だけれど 私にとって大好きな場所には変わりない。

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節分草

2007-01-27 12:44:40 | 山歩き

火曜日 村積山から帰るとき 「次の山は 大知波峠ね。」といってピーちゃんと別れた。

その日のテレビニュースで 新城の石雲寺で 節分草が見頃だと言っていた。 節分草を前に本で見たときなんて可愛らしい花だと思って気になっていた。ただその花は山野草で その写真は雪を割って出てきたばかりの写真だったことを考えたら 私には見ることの出来ない花かも知れないと思った。

雪山はとても苦手な私。 深い雪をスノーシューで歩くことも 雪解けのどろどろを歩くことも 本当に苦手。 だから諦めていた。

新城の県民の森と 乳岩の間ぐらいに名号という地がある。 そこに石雲寺はあった。 梅の湯の直ぐ手前 道路からほんの少し入ったところ。

駐車場から直ぐに蝋梅がお出迎え。 あたりにとても良い香りを漂わせている。 まだ一月なのに 本当に今年は温かくて花も早い。

Roubai

ろうばいの横を山側に進むと 小さな小さな白いものがいっぱいある。 あ!これだ

花の保護のために ロープがびっしり張ってあって よく見えないけれど 確かに本で見た節分草だった。 葉はギザギザのキクザキイチゲのよう。同じキンポウゲ科なんだね。

覗いてみると確かにあの青い蕊がある。 ひゃー 可愛い。

ふわっとした花びらの様なものはがくだそうで 花びらは蜜腺になって目立たないとか。あの黄色いまるいのが花びら?

写真いっぱい撮りたかったけれど ポケットサイズのデジカメじゃぁね。 手を伸ばして めくらめっぽう押すしかないもの。 顔の大きさほどのレンズを付けて陣取っているおじさん達のような 素敵な写真は撮れない。

Setubunsougunraku

Setubunsoukiritori

仕方ないね 観れただけでもしあわせ。 心のフィルムにも焼き付けておくよ。

午後出かけた大知波峠で出会ったおじさんが 節分草の群生地を 教えてくれた。石雲寺の近く。 そこなら直ぐそばまで行けるよって。

石雲寺より2週間ほど後に咲くらしい。 北向きで日当たりが悪く一日の温度差が少ない石灰質の山裾 それがヒントだよ

どこかって? 教えない 教えられない まだ見たこと無いからね。 

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サイダーの味

2007-01-20 00:19:38 | 旅行記

六甲最高峰から有馬温泉に降りる。

魚屋道(ととやみち)をとっとことっとこ 途中迂回して 稲荷神社のながい階段を下りると 有馬温泉炭酸源泉公園がある。

ここに飲める炭酸源泉の水道があった。 真ん中に鎮座している釜には 何も入っていないようだったけれど 公園のベンチには ぼこぼこ湧き出す源泉もあって 冷たいんだけれど 鉄分をいっぱい含んでいるのか 回りは茶色に染まっていた。

Bokoboko

帰ろっかな?と思っていると 親子連れと思われる中年のご婦人と おばあさまが 「サイダーの様な面白い味ですよ。 飲んでごらんになったら?」と源泉を飲むことを進める。

さて、 苦手なんだよね。 この手のもの 

前に 岐阜の白鳥 美人の湯の温泉を飲んで暫く気持ちの悪かったこともある。 

でも ここの名物の炭酸せんべい(いわゆる温泉せんべい)は小麦粉を 炭酸源泉で解いて味を付けて焼いてあるのだとか・・・

うーん  じゃぁ飲めるかも知れない。

Tansangensen

蛇口に書かれている効能を読むと昔は この炭酸源泉に砂糖を加えて サイダーにしていたとか。。。え~っ! サイダーは フランス語のシードルから来ているってきいたぞ

あの甘い香りがするわけ無いよ

試してみる・・・・・・・・・・・

その味は。。。。ちくちく ちくちく

鉄味 (ρ゜∩゜) グスン

口直しにゼリーを放り込んだ事は言うまでもない。

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さよううなら お世話になりました

2007-01-15 00:14:44 | 日記・エッセイ・コラム

仕事に出かける車の中で 前の会社の社長の訃報を知った。

直ぐに行きたいけど・・・ともやもやしながら 会社に着く。 その頃までに 通夜に行くことを決めていた。 休みをもらう。 そのままかえると残された人が大変かも知れないので 昨日の売り上げの処理だけをしてくる。

前の会社 明治から続いた古い会社で家族で繋がっていることもあってやりにくい部分もあった。それでも 子育て終えて 久しぶりに仕事に出た私が 自信を付け 変わっていた場所であることは間違いない。

7年前 風をこじらせていらした社長が 目の前を歩く姿がおかしいことに気づいて 脳梗塞を見つけた。 それから 会社はどんどん変わっていった。 お見舞いに行っても涙をぼろぼろこぼす社長を見るのは辛かった。

やがて 会社に戻れない社長は 大手に引き取ってもらう選択をした。

心の通わないやり方に 嫌気がさして会社を辞めた。 いま幸いにも居心地の良い場所に巡り会って しあわせな毎日を送ってはいるけれど ここまで来られたのは社長のお陰だと思っている。

会場にはかつての仲間がいっぱい集まっていた。 もう引退して長いのに 社長をしたって 近隣の町から沢山の人が集まって来た。

困ったときはお互い様だよ とか お金は 返せるときでいいから頑張りなさい

なんて仏様のように みんなに優しかったから 裏切った人もいたけれど みんな大好きだった。 

日頃 社長に辛辣な言葉を浴びせていた奥様だったけれど 今日は涙 涙だった。

思いがけず沢山の人が集まって 同窓会みたいになった会場。「一緒にご飯食べってよ。」奥様は 言葉はきついけれど本当に面倒見の良い人だったもの。お二人のお陰で頑張れたんだよね

蝋人形のように美しい仏様はぼろぼろ涙をこぼしていた時のお顔では無く 穏和な美男子だった。

ここに お嬢様が代弁されたと思われる故人の最後の言葉がある。

おもいで

昭和25年 中学卒業と同時に15歳で安城に来ました。

いわゆる丁稚奉公 酒屋の小僧です。

ご飯は立ったまま5分で食べ、盆も正月もなく働き

気がつけば世の中は高度経済成長真っ只中でした。

「モノさえあれば売れる。」いま思えば信じられないことですがビールが足らずに困ったと言う時代がありました。

働いた分だけ儲かる、いい時代を過ごさせてもらいました。

良く飲み食べた四十代、五十になった頃血糖値が高いと言われ、病気に気づきました。

大好きだったお酒をきっぱり止めて、大腸癌も克服しました。

この後の二十年は、病気とともに歩みました。

七年前、志半ばで脳梗塞に倒れ、その後は、会社に出ることも叶わず、

本日、たびだつこととなりました。

             感謝を込めて・・・・

社長のまじめにこつこつやっていらした一生を 見事に表わしているなって思います。

さようなら 本当にお世話になりました。 

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きららの森

2007-01-14 01:42:11 | 山歩き

段戸裏谷原生林が正式な名前らしい。

初めてこの名前を聞いたのは そう古い話では無い。 豊橋のオモニがきららの森を訪ねてドライブしたけれど見つからなかった・・・と残念そうに話した時だった。

「きららの森」きれいな名前だな。 何がキラキラしているんだろう? お日様かな?葉っぱかな? 風かな? 水かな?

正月あけて 膝の調子が良かったのに 10日に病院へ行ってから痛みがひどい。(病院のせいって訳ではないんだよ) でもどうしてだろうね? 山登りより 散策がいいな。 そんなことを思ったときに思い出したのが このきららの森。

地図では見つけられなかった。 ネットで調べた。あんまり情報が無かったけれど あったー。 嬉しいことに 心霊スポット伊勢神トンネルを通らなくても行ける。 こりゃ行くしかないね。

と決めたものの 大寝坊 出発はお昼近くになってしまった。

足助百年草の前の道 33号をひたすら北上。 大多賀峠で 右に曲がってまっすぐ段戸湖へ そこが入り口

大雑把に位置を頭に入れて走るんだけれど なんだか不安になってきた。道は狭くなるし 雪が積もっている。 スタッドレスにしてはあるものの この先どのくらいの雪があるんだろう? 本当にこれでいいのかしら?

山の中の小さなお店が開いていた。 杉の子 お昼を注文しながら 道の確認。あっていた。 ほっ

Kamonabeudon 鴨鍋焼きうどん

あっさり出しで おいしかった。

「雪がどのくらいあるか解らんで 気をつけて行きんよ。」ノーマルタイヤと思われたか ひどく心配してくれる。

杉の子から更に20分ぐらい行くと 真っ白に結氷した段戸湖に着く。

真っ白な銀世界で 湖との境がはっきりしないので 思ったより小さいと思った。 綺麗

誰もいない駐車場に車を駐めて池の回りを歩いてみる。時々人が訪ねてくるらしくて あちこちに靴跡がある。それでもひどく寂しい。

Dandoko2 池の周りに飽きたので 更に進むと 出来山登山口方面の途中にきららの森の入り口があった。

丁度池が切れるあたり。左にある登り口が原生林散策路だった。

本日の訪問者は 私を除いて一人 そして沢山の動物。 多分男の人と思われるその足跡は 雪の中におおきな規則正しい歩幅で進んでいた。昼も過ぎて 戻る気配も無いところを見ると 寧比曽岳の方に向かっているに違いなかった。

小さな小川に添って雪の山道をゆったり登っていく。 ふかふかの雪で深いところは30センチほどあったのだけれど 滑ったりしなくて 柔らかく包み込んでくれる感じだった。

ぎゅっ ぎゅっっていう音がとても嬉しい。

Asiato Sansakuro

山は生きている。誰もいない静かな空間なのに 雪の重みでばさばさ落ちる音 木を跳ね上げる音 白いおなかをしたきれいな鳥がさえずる音 飛び立つ音 かすかな水の音・・・耳を澄ますと 本当にいろんな音が聞こえてくる。

動物の足跡に始めどきどきしていたのに 「熊さんは冬眠だよねぇ イノシシ君は 活動中かなぁ?」 いつの間に怖いことも忘れて 立ち止まって木々を見上げ 空を見上げている。雪の白と葉の緑 空の青さ 陽がさすと赤さも加わって美しい。

原生林と言うから 鬱蒼とした 昼なおくらい森を想像していたけれど全然違った。 冬枯れの木々のせいもあるかもしれないけれど 実にいろんな種類の木があって それらにはネームプレートがついていて どれだけ歩いても飽きない。

本当に心安らぐ空間だった。

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足跡の持ち主を追ってとっとことっとついて行って尾根まで出る。 隣の山々が樹間にちらほら

初めての山道で しかも雪山で 迷ったら大変。五六橋までで Uターンと決めていたので 心惹かれながらも 戻ってきた。 ここから寧比曽までは2時間半ぐらいで行けるらしい。

うーん もっと早く起きていたらね。車のデポも必要だしね。

また ぎゅっぎゅっと言う感触を楽しみながら短い散策を楽しんで車に戻ったのが15時

またの楽しみを残して 今日は今日でゆったりした嬉しい時間が過ごせた。

仕上げに足助に戻ってZIZI工房で高級ウィンナを(5本で1000円もした) バーバラハウスでパンを(こちらはおまけをいっぱいくれた)買って帰った。

春になったら 豊橋のオモニを呼んであげよう。

コメント (8)
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