世界一周タビスト、かじえいせいの『旅が人生の大切なことを教えてくれた』 

世界一周、2度の離婚、事業の失敗、大地震を乗り越え、コロナ禍でもしぶとく生き抜く『老春時代』の処世術

際どい関係

2017年01月09日 | 100の力
よく喧嘩をする。

といっても、大概は彼女の方が一方的にまくしたてる。

またか、と思ってボクは無視する。

Shut down.

黙るに限る。


もうわかれよう、

その都度想いがよぎる。

年が30近く離れているというのに、

ボクも大人気ない。


2面性を持つ。

可愛らしい面、

憎たらしい面。


素直な一面、

ひねくれた一面。

誰しもそうであろうが。


それでも彼女が大好きだ。

なぜだかわからない。

いや、だから好きなのかもしれない。


ボクの我が儘を文句いいながらも聞いてくれる。
(渋々だけど)


フラッと旅に出るボクに、

「どこも行かないで」

「側にいて」

「置いてかないで」

「寂しいよー」

と涙目で訴える。


「一緒にくればー」

無理なことは分かっていても、

ボクは意地悪く返す。


「そのうちどこでも一緒に行けるようになるさ」

気休めにも似た返事。


ホントは後ろ髪を引かれる思いで旅に出る。


タビストを彼氏(または彼女)に持つと

ついて行くだけでも大変。

自由をこよなく愛する。

孤独を厭わない。


掛ける時間も、お金も、体力も半端ない。


でも、疲れ果て、寂しくなると

決まって彼女のもとに帰る。

タビストの我が儘。

それを聞いてくれているうちはいいのだが。


「そのうちいなくなるわよ」

ドキッとする言葉を吐きながら寝返りを打つ。