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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

フランス革命を冒涜する安倍政権―【逆 臣】第二章

2018-07-14 23:19:36 | 政治・文化・社会評論
フランス革命を冒涜する安倍政権―逆臣第二章
            櫻井 智志


 7月14日。河野太郎外相はフランスで、フランス軍と自衛隊の軍事色の濃厚な協定を結んだ。
東京新聞の朝刊を読み驚いた私は、デジタル記事では見つからず、以下の別記事を読んだ。
写真:フランス革命記念日の軍事パレードで日の丸を掲げて行進する自衛隊員ら=14日、パリ(共同)
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「転載 開始」仏軍事パレードに陸自参加 外交160年を記念
2018年7月14日 19時29分
 【パリ共同】フランス革命記念日の14日、パリのシャンゼリゼ通りで恒例の軍事パレードが行われた。日仏の外交関係樹立160年を記念し、日本の陸上自衛隊が参加した。パレード観覧に招待された安倍晋三首相は西日本豪雨による災害対応のため欠席し、河野太郎外相が代理で出席した。
 今年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国で、フランスと軍事交流の強化を図るシンガポールからもリー・シェンロン首相らが出席した。 
 陸自の第32普通科連隊(さいたま市)の連隊長、横山裕之1等陸佐ら7人が日の丸を掲げ、総勢約4300人の隊列の先頭付近をコンコルド広場まで行進した。
「転載 終了」

だが、問題の本質はパレードに参加した、しないということとはかなり異なる.。新聞記事のほうを部分的に視写しながら、概要を記す。

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[開始]

自衛隊とフランス軍
物品役務協定を締結
食料、弾薬の提供円滑化

日本、フランス両政府は13日午後、日本時間14日未明、自衛隊とフランス軍が物資や役務を融通しあう物品相互提供協定(ACSA)に署名した。

ACSA:
自衛隊と他国軍の間で物資(水や食料)や役務(輸送や修理も含む)を互いに提供する際の手続きを定めた軍事協定。提供を受けた場合、同じ物品や役務で返すのが原則。2015年の「安全保障関連法」(*=戦争法が実際)成立に伴い、アメリカ、オーストラリアと協定改定。イギリスと2017年に新たに署名、発効。カナダと発効に向けた手続きを進めている。


「自由で開かれたインド太平洋戦略」をかかげる安倍晋三政権。フランスはオセアニア州のニューカレドニアやポリネシアなどの領土をもつ。安倍政権はフランスと良好な関係構築を図っている。

[終了]
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  安倍首相の政策は、着々と一定のゴールを目指している、
そのことを早くから、古賀茂明氏は主張し、望月衣塑子氏との共著『THE独裁者』(2018年2月)では望月氏が『はじめに』でこう記している。

【古賀さんは当時から繰り返し、「安倍政権は海洋軍事国家を目指している」と私に力説していた。私は武器輸出4問題の取材を進めていたものの、当時、そこまでの確証を持てていなかった。あれから三年経った現在、古賀さんの発言は先見性を持っていたと感じている。安倍政権は、着々と海洋軍事国家を目指していると思う。】(同書p5)

 もはや安倍晋三氏の人間性や人物論、政治家像のレベルの個人的欠陥論議の段階ではないのだろう。安倍晋三は憧れの元A級戦犯だった祖父岸信介のように、天下国家を自分の政治的信念に基づいて、着々と海洋軍事国家体制の整備構築を目標に、法整備、司法・官僚・行政の一元化を進め、そのような国民を飼いならしていくために、文化・マスコミ・教化を懐柔と弾圧の両面作戦で推進している。
 フランスでの日仏軍事協定ははからずも、安倍海洋軍事国家構想が欧米豪州帝国主義列強の軍事態勢が整備している現段階を明瞭に顕示した。
 この軍事協定に、ドイツはいない。さすがメルケル首相の国だ。

こうして見ると、世間に流布している安倍人格欠陥=不人気退陣説どころか、したたかな2020年東京五輪は、安倍憲法改悪完成を懸念せざるを得ない。安倍晋三は、オリンピックの熱狂と海洋軍事国家日本の「総統的座席」に座り、陶酔と権力掌握の実現に満足する時を迎えている危険性はかなり高まっている。(この稿一旦終わり 続く)

逆臣

2018-07-14 07:31:23 | 政治・文化・社会評論
逆臣 

         櫻井 智志



 私は、「ドイツのナチズム、イタリアのファシズム、日本の天皇制軍国主義が第二次世界大戦を悲惨なものとした」と考える。
 しかし、戦後日本は『日本国憲法』のもと、天皇を日本国の象徴と位置付けた。戦前前後をまたぐ昭和天皇については私には論ずる資格も意思もない。
 一方、今上天皇ご夫妻については、歴代の天皇とは異なる範疇に属すると考えている。作家大江健三郎は、小説『自ら我が涙をぬぐい給う日』『我らの狂気を生き延びる道を教えよ』など一連の作品で天皇制を形象化してきた。
 そこでは、「内なる天皇制」の意識構造と、戦後民主主義世代の大江氏ご本人と今上天皇ご本人との同時代者としての連帯感とを表現してきた。

Ⅰ  美智子皇后の知識人としてのヒューマンな文化的見識

 美智子皇后の優れた国際感覚と人権意識は、皇室でも群を抜いている。
かなり前に理論社創業者の小宮山量平が紹介されていた。国際図書年に寄せた美智子妃のメッセージは、多くの人を刮目させた。さらに、戦時中に親しんだ読書として、名前はあげなかったが、山本有三が中心となり編んだ文学選をとりあげ、戦時中という時代に、良心的作品を世に送りだした編集者の労をねぎらった。この一連の労作に山本有三が健康にすぐれぬ時に代役として不朽のロングセラー『君たちはどう生きるか』を執筆した吉野源三郎が文学選に関わっている。
まさに知識人として、第一級のヒューマンな文化的見識を備えている。

Ⅱ  戦争慰霊の多年におよぶ巡礼の国内外の訪問

 太平洋戦争の激戦地オセアニア州の島国各地。天皇ご夫妻の慰霊の旅は続く。それは国内の沖縄訪問にもうかがえる。まだ皇太子ご夫妻の頃に、沖縄を訪問中、慰霊先でご夫妻に火炎ビンが投げつけられた。沖縄の戦時中戦後の日本軍からの非道な扱いの歴史を知る者は、天皇家に対する沖縄の県民感情の一端として考えるだろう。
 皇太子から天皇となっても、沖縄訪問は続き、内閣安倍晋三総理と異なる文脈での沖縄慰霊は、しだいになにを天皇ご夫妻はお考えになっているのか、その信念の深さに共感を広げていった。

Ⅲ   逆臣

 西日本各地に激甚災害の気象異変とまれにみる死者行方不明者、家屋損壊という大災害が勃発した。災害が現在進行形の夜、内閣副官房長官がブログに記した記事は大問題となった。一方、災害の全貌があきらかとなった時に、天皇は死者被災者に深い憂慮の念を表し、恒例で最後の機会であった避暑静養を自らとりやめた。テレビはさかんに被害の大きな現地を視察する内閣安倍晋三総理の見舞いと言葉かけをマイクで拾い、テレビ報道で流した。(一旦終了 続く〉