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【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

【日本歳時記2019.4.13】~TBS報道特集  櫻井智志

2019-04-14 11:11:04 | 政治・文化・社会評論

パレスチナ自治区ガザの惨劇をSNSでつたえた16歳の少女。その報道を見ていて、日本人フリージャーナリストたちの意義を痛感する。


ゴーン氏の問題を見ていて、2つの構造で分けて考えることが大切。1つは司法捜査のありかた。もう1つは、ゴーン氏が国家を超えてグローバル企業となった日産等でどのような経済的行為がどんな内容かの追及。膳場さんの取材と金平さんのコメントでこの事件の輪郭が少し見えてきた。


イギリスのEU離脱問題などの様をテレビで見ていて、しかし国会はしっかりと議論を展開させている。なかなか決まらない議会。しかし、審議さえ行わず数の頼みで採決に突き進む日本の国会は、議会が融解状態にある危うさを感ずる。

「わたしの愛した街」はフォークシンガー横井久美子さんの歌。アイルランドがイギリスから被った差別と迫害の中で創造されたアイルランドの民衆の深い願いの歌。横井さんは初めて聴いて感動を受け長年アイルランドへ渡欧。EU問題の背景に日下部さんはよりリアルな実態を伝えてくれた。

私の愛した街  訳詞 横井久美子
Phil Coulter 作詞・作曲 

思いでのなかに いつまでも
生きつづける  私の町
煙くて臭い   ガス工場
笑い転げて   
遊んだ
雨の中     夕べの道
走って帰ったものだよ
刑務所の
わきを通り
共同井戸の
我が家

シャツ工場の  サイレンが鳴って
女たちを    呼び寄せる
失業中の    男たちが
母親代わりの  毎日
景気が悪くて
鍋は空っぽ
それでも愚痴も言わずに
だって皆    心の奥では
この町を    誇っていた
小さなバンドで 
歌を歌って
あの日初めて  お金稼いだ
音楽にあふれた デリーの町
とても忘れられない
それを皆    置き去りにして
町を去るなんて つらい
だって そこは 人生を知り
妻(夫)を知った町   
今度 帰って
目を疑った
酒場は焼け
煙が舞い
懐かしいガス工場には
兵隊がたむろしていた
鉄条網が
張りめぐらされ
戦車と銃剣の町に
軍隊の前に 膝まづいた
私が愛した町

今ではもう音楽もない
でも 町の人は
絶望してない
忘れはしない  この出来事を
まなざしが   語っている
私にできることは一つ
戦うことだけなのだ
青春を過ごした デリーの町
私の愛した町
青春を過ごした デリーの町
私の愛した町

写真:横井久美子ホームページより http://www.asahi-net.or.jp/~fg4k-yki/

仮説【枝野幸男立憲民主党は立憲保守政権をめざしているのだろう】 (増補)櫻井 智志

2019-04-10 23:15:53 | 社会・政治思想・歴史
 
構成
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー                           
Ⅰ:枝野幸男立憲民主党は立憲保守政権をめざしているという着想
Ⅱ:立憲民主党よ、初志は何処へいったのか~2017衆院選と2019神奈川県知事選
Ⅲ:小沢一郎氏と枝野幸男氏は政権交代をめざしているが器が違う
Ⅳ:増補資料 統一地方選2019・黒岩知事3選 圧勝の先に(下)集大成へ高まる緊張(神奈川新聞 2019年04月10日 05:00 )

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

Ⅰ:枝野幸男立憲民主党は立憲保守政権をめざしているという着想

「立憲保守政権」とは、自民党安倍政権の➀憲法の論理を無視した独断的独裁的政治➁憲法を軍事的管理主義によって恣意的誘導的改定をもくろむ進め方 の大きく2点とは真逆の政権である。

枝野幸男氏は菅直人民主党政権の官房長官を務めた。おりしも東日本大震災が発生した。枝野官房長官は、同時の福島原発爆発事故の現状を詳細に国民に向けて寝る暇もないほどの説明報告に誠心誠意取り組んだ。この時に私は、専門家からの説明の内容への批判に同感したけれど、枝野氏の国民の不安に対応する力量に好感を覚えた。

新党さきがけの政治家として活躍した田中秀征氏は、『自民党本流と保守本流 保守二党ふたたび』(2018年講談社)を著した。自民党本流は改憲を本旨として岸信介から始まり安倍晋三に至る。保守本流は護憲主義の立場であり、石橋湛山から始まり、宮沢喜一・田中角栄・加藤紘一に連なるが、「加藤の乱」を契機に途絶え自民党はそれから「保守本流」が途絶えずっと「自民党本流」の政治家が総裁総理をになってきた。

枝野氏は、反安倍反自民のスタンスに立つ。だが「野党共闘」や「市民と野党の共闘」よりも、田中秀征氏のいう「保守本流政権」を創ることで、安倍独裁政治を政権交代することをめざしている。枝野氏の構想は政党共闘よりも立憲民主党そのものを、自民党に代わる一大勢力に発展させることだ。いくつかの政党を合併吸収や提携はあっても、連立政権をおそらく考えてはいまい。

その志は構想大と言えるが、現場で自民党にのみ込まれたり、篭絡されていく危険はないだろうか?私は、黒岩祐治氏を最初に知事選で推薦した旧民主党の中心的な勢力である立憲民主党に対して三選出馬の黒岩氏がとった対応を怪訝に思う。黒岩氏に推薦を申し入れた立民党に、なんと選挙を直前に黒岩知事は推薦を突き返したのだ。カジノ誘致問題に両者のやりとりに食い違いがあって、知事は怒り・・・。立憲民主党は誰も支持しない決定を決めた。

 神奈川県知事選と立憲民主党との関連に以前まとめた記事を、次に掲載する。



 Ⅱ:立憲民主党よ、初志は何処へいったのか~2017衆院選と2019神奈川県知事選
                                 
➀ 2017衆院選

2017衆院選の直前に、小池百合子都知事が、民進党を分裂させ「希望の党」を立ち上げたことで順調に進んでいた野党共闘は頓挫した。なかでも、分裂した民進党から、枝野幸男氏が「立憲民主党」をたちあげ、民主党=民進党の中での立憲主義と国民側に立つ政策を継承する志を示した。

 だが、国会勢力が維持されるかどうかの現実問題として危機は続いた。この時に、立憲民主党に手を差し伸べ支援したのが、日本共産党だった。従来全選挙区に候補者を擁立してきた共産党は、立憲民主党が立候補した選挙区で早くから内定し準備をしてきた候補をおろすという、驚天動地と言って大げさでない方針を決めて全国の選挙区で実施した。
  例を私が住む神奈川県の実際に焦点をあて、毎日新聞記事をデータとしてお借りする。

神奈川選挙区は18の小選挙区にわかれる。立憲民主党は、6つの選挙区に候補を出した。日本共産党は立憲民主党が候補を擁立した5つの選挙区で候補をおろした。両党が候補を出したのは、現内閣官房長官菅 義偉氏が立候補した神奈川2区だけである。

神奈川2区
当 菅  義偉 (68) 自民 南関東ブロック 前 123,218票 57.1%
高橋 野枝 (43) 立憲 南関東ブロック 新 47,191票 21.9%
橋本 久美 (48) 希望 南関東ブロック 新 28,635票 13.3%
大貫 清文 (60) 共産 新 16,699票 7.7%

 また日本共産党は、社会民主党が唯一立候補した選挙区でも、自党候補をおろしていえる。

神奈川15区
当 河野 太郎 (54) 自民 南関東ブロック 前 159,647票 67.6%
佐々木克己 (62) 社民 南関東ブロック 新 38,242票 16.2%
乃木 涼介 (53) 希望 南関東ブロック 新 38,162票 16.2%

 このような野党協力について、共産党内部でも、現在では国会議員選挙で候補をおろす必要はないと意見を表明するベテランOBの意見もある。
 2017衆院選では、そのような選挙協力によってどうなったか。2区15区は重複を避ける。


2017衆院選神奈川選挙区共産・立民協力区の開票結果

神奈川1区
当 松本  純 (67) 自民 南関東ブロック 前 103,070票 47.8%
当比 篠原  豪 (42) 立憲 南関東ブロック 前 78,019票 36.2%
長島 一由 (50) 希望 南関東ブロック 元 34,433票 16.0%

神奈川4区
当 早稲田夕季 (58) 立憲 南関東ブロック 新 67,020票 34.8%
当比 山本 朋広 (42) 自民 南関東ブロック 前 55,700票 28.9%
浅尾慶一郎 (53) 無 前 51,495票 26.7%
風間 法子 (47) 希望 南関東ブロック 新 18,618票 9.7%


神奈川6区
当 青柳陽一郎 (48) 立憲 南関東ブロック 前 86,291票 44.6%
上田  勇 (59) 公明 前 82,788票 42.8%
当比 串田 誠一 (59) 維新 南関東ブロック 新 24,424票 12.6%

神奈川7区
当 鈴木 馨祐 (40) 自民 南関東ブロック 前 103,324票 47.0%
当比 中谷 一馬 (34) 立憲 南関東ブロック 新 87,819票 40.0%
川野  案 (35) 希望 南関東ブロック 新 28,685票 13.1%

神奈川12区
当 阿部 知子 (69) 立憲 南関東ブロック 前 86,550票 43.2%
当比 星野 剛士 (54) 自民 南関東ブロック 前 83,924票 41.9%
原  輝雄 (43) 希望 南関東ブロック 新 29,852票 14.9%

5人がすべて当選している。3人は前職、2人は新人である。

➁ 2019神奈川県知事選
4月7日は、2019統一地方選挙の前半、道府県知事選が実施される。
東京新聞神奈川版は候補者をこう伝える。


◆黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)さん(64) 無現<2>=自民国民公明
 若葉台団地を未病モデルに
 横浜市旭区の横浜若葉台団地で第一声に臨んだ黒岩さんは「何の迷いもなくここを選んだ。若葉台団地の『奇跡』が、これからの日本を救うと確信しているから」と理由を切り出した。
 自らが掲げる「未病改善」の取り組みに触れ、「超高齢社会を乗り越えていく神奈川モデルが未病という言葉に象徴されている。今回の選挙を通じてその先に行きたい」と強調した。同団地の高齢化率は48%と全国平均を上回りながら、この十年で要介護認定率は12%に下がっていることを挙げ「住みよい、楽しい団地にしたいとやってきた結果だと聞いた。これこそが超高齢社会を生きていくモデルだ」と指摘した。
 さらに「笑いも重要なキーワード。笑いを増やし、元気に、健康になる。これが命輝く神奈川の具体的な姿。若葉台団地になろう、と訴え続けていく」と支持を求めた。 (北爪三記)
<略歴>知事(元)大学院教授・フジテレビキャスター▽早大


◆岸牧子(きし・まきこ)さん(62)無新=共産・緑の党
 健康と教育の格差是正訴え
 岸さんは横浜市西区の横浜駅西口で、大勢の支持者らを前に「貧困による格差を、健康と教育の格差にしてはいけない。誰一人取り残さない神奈川にリボーン(再生)する」と第一声を上げた。
 今の県政では、待機児童の解消や中学校給食の導入は進まず、給料も年金も少なく「どの人も苦しんでいる」と主張。
 黒岩知事が目玉に打ち出す「未病改善」は「医療を商品化し、健康を自己責任にしている」と問題視し、カジノ誘致に反対を明言しないことも批判した。
 その上で「カジノより給食」とのスローガンを掲げ、全公立中での給食の実施や十八歳までの医療費無料化、最低賃金の千五百円(時給)への引き上げ、脱原発の推進といった公約を紹介。「私たちは多数派だ。私たちが願う政治に変えられる」と呼び掛けた。
<略歴>市民団体代表・園芸業(元)中学校教諭▽武蔵野美大

 岸正子氏には、告示日に「緑の党」が推薦している。
私が問題として疑問に思うのは、自民党、公明党、国民民主党、の後に現知事黒岩候補を推薦して、推薦を候補から断られた立憲民主党の政治方針だ。黒岩氏に断られた立民党は、「誰も推薦しない」方針を表明した。
 一方、「緑の党」は告示日に岸正子候補推薦をご本人に伝えた。岸正子氏は「よこすか市民9条の会」共同代表や「よこすか・みうら市民連合」事務局を務めている。「緑の党」や「新社会党」など議席数は少ないけれども、政治運動や市民運動に日常的に国民サイドで誠意ある有意義な日常的実践を継続している。

 立憲民主党は、枝野幸男代表が「地方組織の拡充」を喫緊の課題としている。神奈川県知事選への対応にも、立民党の内部の事情があることが、横浜市市長選での自民党推薦候補支持や京都府知事選での自民党推薦候補を支持する側に回っているのか。

 今回、北海道知事選や沖縄衆院補選では、他の立憲野党と協同して野党共闘を構成するスタンスにある。立憲民主党が、万一、市民運動候補サイドに立てば、立民と友党の神奈川県地域政党の「神奈川ネットワーク」も反自民候補の側にたつだろう。
 立憲民主党よ、何処へいく?!


Ⅲ:小沢一郎氏と枝野幸男氏は政権交代をめざしているが器が違う

 前回新潟県知事選、沖縄県知事選。この選挙に森ゆうこ参議院議員、玉城デニー氏が果たした役割は大きい。この選挙において、小沢一郎氏は実に重要な役割を果たした。自民党幹事長を40歳代で務めた氏は、自民党を脱出して、政界の中枢で動き続けた。民主党を鳩山由紀夫氏と立ち上げた仕事は、小沢氏への私の視点を逆転させた。

 民主党は、小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏の退場によって変質していった。菅直人氏の代表就任で変わり、野田佳彦代表によって民主党は自壊していった。

 その後も小沢一郎氏は政界で毀誉褒貶に折れずに活躍してきた。氏の志は【政権交代】である。枝野幸男氏が「市民と野党の共闘」に建前で賛同し、実質は立憲民主党拡大に奔走するのはそれだけの志を確固としてもっているからだ。

  しかし、黒岩祐治元アナウンサーごときに翻弄されているようでは、安倍自民党の前で旧民主党の国会議員が次々に自民党入りしている現段階、枝野氏にはなんら心配していないが、立憲民主党の総体が枝野氏の志を理解し同行し続けるか、神奈川県知事選知事選のような定見を持たず右往左往して自民党グループに漁夫の利を与えた結果は、他の都道府県ではないことを願う。

 立憲民主党の政治家と支持者には期待している。枝野代表のご健闘を期待してやまない。

           -了―21019.4.10

(*写真:社民党大会時のものでネット検索で探し転載させていただいた)




Ⅳ:増補資料   統一地方選2019・黒岩知事3選 圧勝の先に(下)集大成へ高まる緊張(神奈川新聞 2019年04月10日 05:00 )



統一地方選2019  神奈川県知事選

選挙 神奈川新聞  2019年04月10日 05:00

https://www.kanaloco.jp/article/entry-160278.html


 元キャスター2人による与野党の一騎打ち-。

 現職圧勝の気配が既に広がっていた3月21日の知事選告示前、立憲民主党のごく少数の国会議員が黒岩祐治知事への「刺客」擁立を極秘裏に進めていた。

 キャッチフレーズは「かながわのサンダース」。米大統領選の民主党候補に名が挙がる左派系上院議員に重ね、市民派・リベラルの旗を打ち立てていく戦略を検討。一騎打ちになれば現職を脅かす候補になると確信していた。

 「三くだり半を突き付けられ、野党第1党として黙っていられない」

 立憲民主党の県連幹部には、「推薦」を依頼しておきながら自ら取り下げた知事に対する不信感が増大。背後に自民党の影も重ね、対抗心むきだしに戦いを挑む姿勢を強めていた。

 しかし、残された時間はあまりに短く、中央政界の事情もあり、「キャスター対決」は幻に終わった。

 カジノ反対、中学校給食の完全実施、原発ゼロ-。黒岩知事への推薦を巡り、立民が「政党として譲れなかった主張」(県連幹部)は、共産党推薦で出馬した岸牧子氏の看板政策とほぼ一致していた。だが、自主投票とした立民が岸陣営に加勢することはなかった。

 「もともと是々非々でやっており、『知事与党』という言葉は厳に戒めてきた」

 県議会・立民会派の団長はこう強調するが、2期8年の黒岩県政で知事提出議案に反対したケースは、前身の民主党会派時代からゼロ。知事選で与野党相乗りの支援体制から外れた今も「これからも野党ではない」との立場を崩さない。

 前回の得票数を上回る225万票を得た知事も、選挙結果に「(立民離脱の)影響はなかった」と説明。推薦の枠組みから外れたのは「党の中央」が原因とし、「県議団とは同じ方向性で非常にいい関係」との見方を示す。

 しかし、知事を推した自民、国民民主、公明党は「反立民」の姿勢を激化。県議からは「これまでも仲間ではなかったが、敵であることが決定的になった」との声が相次ぐ。

 県議会でも先鋭化する与野党対決は、政策の行方にどう作用するのか-。

 知事は「与党だと思っている会派からも厳しく追及され、私からは全部野党にも見える」と二元代表制の緊張感を自覚するが、今まで以上に厳しく向き合う姿勢は早くも見え隠れする。

 「笑うのはいいことだが、やかましいと感じる人もいる。政治家はそこも感じ取らなければいけない」

 笑いを振りまいた選挙活動に対する自民県連幹部の言葉に、ベテラン県議が続ける。「次の4年は、集大成だ。笑ってる場合ではない」

引用終了




立憲民主党よ、初志は何処へいったのか~2017衆院選と2019神奈川県知事選

2019-04-07 23:29:02 | 政治・文化・社会評論
                                 櫻井智志
(*これは県知事選の前にまとめた評論である。)

Ⅰ 2017衆院選
2017衆院選の直前に、小池百合子都知事が、民進党を分裂させ「希望の党」を立ち上げたことで順調に進んでいた野党共闘は頓挫した。なかでも、分裂した民進党から、枝野幸男氏が「立憲民主党」をたちあげ、民主党=民進党の中での立憲主義と国民側に立つ政策を継承する志を示した。
 だが、国会勢力が維持されるかどうかの現実問題として危機は続いた。この時に、立憲民主党に手を差し伸べ支援したのが、日本共産党だった。従来全選挙区に候補者を擁立してきた共産党は、立憲民主党が立候補した選挙区で早くから内定し準備をしてきた候補をおろすという、驚天動地と言って大げさでない方針を決めて全国の選挙区で実施した。
  例を私が住む神奈川県の実際に焦点をあて、毎日新聞記事をデータとしてお借りする。
神奈川選挙区は18の小選挙区にわかれる。立憲民主党は、6つの選挙区に候補を出した。日本共産党は立憲民主党が候補を擁立した5つの選挙区で候補をおろした。両党が候補を出したのは、現内閣官房長官菅 義偉氏が立候補した神奈川2区だけである。
神奈川2区
当 菅  義偉 (68) 自民 南関東ブロック 前 123,218票 57.1%
高橋 野枝 (43) 立憲 南関東ブロック 新 47,191票 21.9%
橋本 久美 (48) 希望 南関東ブロック 新 28,635票 13.3%
大貫 清文 (60) 共産 新 16,699票 7.7%

 また日本共産党は、社会民主党が唯一立候補した選挙区でも、自党候補をおろしていえる。
神奈川15区
当 河野 太郎 (54) 自民 南関東ブロック 前 159,647票 67.6%
佐々木克己 (62) 社民 南関東ブロック 新 38,242票 16.2%
乃木 涼介 (53) 希望 南関東ブロック 新 38,162票 16.2%

 このような野党協力について、共産党内部でも、現在では国会議員選挙で候補をおろす必要はないと意見を表明するベテランOBの意見もある。
 2017衆院選では、そのような選挙協力によってどうなったか。2区15区は重複を避ける。
2017衆院選神奈川選挙区共産・立民協力区の開票結果

神奈川1区
当 松本  純 (67) 自民 南関東ブロック 前 103,070票 47.8%
当比 篠原  豪 (42) 立憲 南関東ブロック 前 78,019票 36.2%
長島 一由 (50) 希望 南関東ブロック 元 34,433票 16.0%

神奈川4区
当 早稲田夕季 (58) 立憲 南関東ブロック 新 67,020票 34.8%
当比 山本 朋広 (42) 自民 南関東ブロック 前 55,700票 28.9%
浅尾慶一郎 (53) 無 前 51,495票 26.7%
風間 法子 (47) 希望 南関東ブロック 新 18,618票 9.7%


神奈川6区
当 青柳陽一郎 (48) 立憲 南関東ブロック 前 86,291票 44.6%
上田  勇 (59) 公明 前 82,788票 42.8%
当比 串田 誠一 (59) 維新 南関東ブロック 新 24,424票 12.6%

神奈川7区
当 鈴木 馨祐 (40) 自民 南関東ブロック 前 103,324票 47.0%
当比 中谷 一馬 (34) 立憲 南関東ブロック 新 87,819票 40.0%
川野  案 (35) 希望 南関東ブロック 新 28,685票 13.1%

神奈川12区
当 阿部 知子 (69) 立憲 南関東ブロック 前 86,550票 43.2%
当比 星野 剛士 (54) 自民 南関東ブロック 前 83,924票 41.9%
原  輝雄 (43) 希望 南関東ブロック 新 29,852票 14.9%

5人がすべて当選している。3人は前職、2人は新人である。

Ⅱ 2019神奈川県知事選
4月7日は、2019統一地方選挙の前半、道府県知事選が実施される。
東京新聞神奈川版は候補者をこう伝える。
◆黒岩祐治(くろいわ・ゆうじ)さん(64) 無現<2>=自国公
 若葉台団地を未病モデルに
 横浜市旭区の横浜若葉台団地で第一声に臨んだ黒岩さんは「何の迷いもなくここを選んだ。若葉台団地の『奇跡』が、これからの日本を救うと確信しているから」と理由を切り出した。
 自らが掲げる「未病改善」の取り組みに触れ、「超高齢社会を乗り越えていく神奈川モデルが未病という言葉に象徴されている。今回の選挙を通じてその先に行きたい」と強調した。同団地の高齢化率は48%と全国平均を上回りながら、この十年で要介護認定率は12%に下がっていることを挙げ「住みよい、楽しい団地にしたいとやってきた結果だと聞いた。これこそが超高齢社会を生きていくモデルだ」と指摘した。
 さらに「笑いも重要なキーワード。笑いを増やし、元気に、健康になる。これが命輝く神奈川の具体的な姿。若葉台団地になろう、と訴え続けていく」と支持を求めた。 (北爪三記)
<略歴>知事(元)大学院教授・フジテレビキャスター▽早大
◆岸牧子(きし・まきこ)さん(62)無新=共
 健康と教育の格差是正訴え
 岸さんは横浜市西区の横浜駅西口で、大勢の支持者らを前に「貧困による格差を、健康と教育の格差にしてはいけない。誰一人取り残さない神奈川にリボーン(再生)する」と第一声を上げた。
 今の県政では、待機児童の解消や中学校給食の導入は進まず、給料も年金も少なく「どの人も苦しんでいる」と主張。
 黒岩知事が目玉に打ち出す「未病改善」は「医療を商品化し、健康を自己責任にしている」と問題視し、カジノ誘致に反対を明言しないことも批判した。
 その上で「カジノより給食」とのスローガンを掲げ、全公立中での給食の実施や十八歳までの医療費無料化、最低賃金の千五百円(時給)への引き上げ、脱原発の推進といった公約を紹介。「私たちは多数派だ。私たちが願う政治に変えられる」と呼び掛けた。
<略歴>市民団体代表・園芸業(元)中学校教諭▽武蔵野美大



Ⅲ  何処へゆく

 岸正子氏には、告示日に「緑の党」が推薦している。
私が問題として疑問に思うのは、自民党、公明党、国民民主党、の後に現知事黒岩候補を推薦して、推薦を候補から断られた立憲民主党の政治方針だ。黒岩氏に断られた立民党は、「誰も推薦しない」方針を表明した。

 一方、「緑の党」は告示日に岸氏を推薦した。岸候補自身が公式に紹介している。岸正子氏は「よこすか市民9条の会」共同代表や「よこすか・みうら市民連合」事務局を務めている。「緑の党」や「新社会党」など議席数は少ないけれども、政治運動や市民運動に日常的に国民サイドで誠意ある有意義な日常的実践を継続している。

 立憲民主党は、枝野幸男代表が「地方組織の拡充」を喫緊の課題としている。神奈川県知事選への対応にも、立民党の内部の事情があることが、横浜市市長選での自民党推薦候補支持や京都府知事選での自民党推薦候補を支持する側に回っているのことも予想できる。

 今回、北海道知事選や沖縄衆院補選では、他の立憲野党と協同して野党共闘を構成するスタンスにある。立憲民主党が、万一、市民運動候補サイドに立てば、立民と友党の神奈川県地域政党の「神奈川ネットワーク運動」も反自民候補の側にたつだろう。

 立憲民主党よ、何処へいく?!




安倍首相「令和は国書典拠」自慢の間抜け! 大元は中国古典で作者の張衡は安倍政権そっくりの忖度政治を批判 【リテラ 】

2019-04-03 14:16:39 | 転載
2019.04.03 11:40転載

写真 新元号発表後の首相会見(首相官邸HPより)

 新元号発表の“政治パフォーマンス”が成功したとみたか、意気揚々の安倍首相。とりわけ「令和」の出典が『万葉集』だと強調し、「初めて国書を典拠とした」と触れ回っている姿は、この宰相の中身がどれほど阿呆かを満天下に知らしめている。発表当日の1日に生出演した『ニュースウオッチ9』(NHK)ではこう宣った。

「『令和』というのは、いままで中国の漢籍を典拠としたものと違ってですね、自然のひとつの情景が目に浮かびますね。厳しい寒さを越えて花を咲かせた梅の花の状況。それがいままでと違う。そして、その花がそれぞれ咲き誇っていくという印象を受けまして、私としては大変、新鮮で何か明るい時代につながるようなそういう印象を受けました」



「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」って……コレ、ヘイトじみた“日本すごい”言説という批判以前に、めちゃくちゃ頭が悪い発言だろう。そもそも「令和」の二文字の並びだけ見れば情景もクソもないし、政府の説明によれば「令和」は『万葉集』の梅花の歌の序文を典拠としたというが、それだって中国由来の漢文調で書かれたものだ。

 しかも、すでに各専門家や多くのメディアも指摘しているように、「令和」にはより古い中国古典からの影響が見てとれる。たとえば岩波書店文庫編集部のTwitterアカウントは1日、その“大元ネタ”についてこう投稿していた。

〈新元号「令和」の出典、万葉集「初春の令月、気淑しく風和らぐ」ですが、『文選』の句を踏まえていることが、新日本古典文学大系『萬葉集(一)』の補注に指摘されています。 「「令月」は「仲春令月、時和し気清らかなり」(後漢・張衡「帰田賦・文選巻十五」)とある。」〉

 張衡(78〜139)は後漢の役人・学者だ。本サイトも確認したが、その張衡が残した「帰田賦」(きでんのふ)は6世紀の『文選』に収録されており、そこにはたしかに「於是仲春令月、時和気清」とある。万葉集の成立は8世紀とされるが、当時は漢文・漢詩の教養が当たり前であり、「帰田賦」を参考にしたのは確定的だろう。



 “新元号の大元”である「帰田賦」はこのあと「原隰鬱茂。百草滋榮。王雎鼓翼、倉庚哀鳴…」と続いてゆく。『新釈漢文大系』(81巻、「文選(賦篇)下」明治書院)がつけている通釈はこうだ。

〈さて、仲春の佳い時節ともなれば、気候は穏やか、大気は清々しい。野原や湿原に植物は生い茂り、多くの草が一面に花をつける。ミサゴは羽ばたき、コウライウグイスは悲しげに鳴く…〉

 なんのことはない。大元になっている漢籍そのものが、自然の情景を描いているのだ。それを「中国の漢籍を典拠としたものと違って情景が目に浮かぶ」などとのたまうとは……。漢文の教養なんてなにもないくせに、知ったかぶりをして恥をさらす。まったくこの総理大臣は救い難い。


【安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢していた!】
 いや、それだけではない。ネット上ではいま、「令和」の大元が張衡の「帰田賦」であることが確定的になったことから、「張衡の『帰田賦』は安帝の政治腐敗に嫌気がさして田舎に帰ろうとしている役人の心情を綴ったもの」「安の字を持つ帝の腐敗に役人が嫌気をさす、というのは安倍政権で起きている構図そのものじゃないか」といったツッコミを浴びせられている。ようするに、安倍首相は自分への皮肉が込められた元号を知らずに自慢しているというのだ。

 本当だとしたら、こんな間抜けな話はないので、本サイトも検証してみた。すると、細部では解釈が間違っているところがあるものの、「帰田賦」の作者である張衡が、権力の腐敗に嫌気がさして田舎に引っ込んだ役人であるのは事実だった。



『後漢書』の「張衡列伝」によれば、張衡は現在の河南省南部に生まれた。年少から文才に秀で、天文、陰陽、暦算などに通じた学者肌の役人となった(実際、科学者としても評価されている)。「才は世に高しと雖も、而れども矯尚の情無し。常に従容として淡静、俗人と交わり接することを好まず」との評に従えば、いつも落ち着きを払い、決しておごることのない人物だったらしい。

 だが、張衡の清廉な精神は腐敗した権力によって阻まれてしまう。当時は、宦官勢力が外戚勢力との権力闘争に勝利しており、張衡は皇帝に意見書を提出するなどしてその腐敗した宦官専横の体制を是正しようとした。だが、そうした抵抗は失敗に終わり、張衡は自らの立場を危くしてしまった。

 ただし、相手は、ネットで言われているような「安」の字を持つ安帝ではなさそうだ。『後漢書』によれば、張衡は安帝(6代皇帝)のときに都・洛陽に呼ばれて大史令という官僚知識人の地位をあたえられる。順帝(8代皇帝)の頃に再び大史令となる。前述の意見書を上奏した相手は順帝であり、「帰田賦」もその時代に書かれたものだ。


【「令和」の大元の作者が「法を遵守する者が災難に遭う」と批判】
 それはともかく、張衡は実権力者であった宦官勢力に睨らまれ、136年に首都・洛陽から河間(現在の河北省あたり)へ移り行政官を務めた。『後漢書』によれば、2年後に辞職願いを上書するも徴され、再び都の官職に就いたのち引退する。139年、62歳で没。その頃に書かれた隠居の書が「帰田賦」だ。張衡はこのなかでその心情をこう語っている。

〈まことに天道は微かで見定めがたいものである以上、いっそかの漁夫を追って隠棲し、彼の楽しみを見習おうと思う。塵の如き俗界を離れて遠く立ち去り、世間の雑事とは永久に別れることにしよう〉(『新釈漢文体系』通釈より、以下同)



 さらに、地方転出の前年にあたる135年に書いた「思玄賦」には、朝廷の腐敗やそれに媚びる役人を厳しく糾弾する記述がある。こちらも『文選』におさめられているので、紹介しよう。

〈世の風俗は次第に変化し、規範に順う正しい行為を消し去ってしまった。ヨモギを大切そうに宝箱にしまうくせに、蘭やヨロイグサは香りが良くないと言う。美女の西施を捨てて愛さず、駿馬に荷車を引かせたりする。邪な行為をするものが志を得て、法を遵守する者が災難に遭うご時世である。天地は無窮で永遠だが、それに比べて人の世は、何と無原則であることか。しかし私は、志を低くして、とりあえず認められようとは思わない。舟無くして黄河を渡ろうとするような状態だ。巧みな笑顔で媚びへつらうようなやり方は、私の願い下げとすることだ。〉

 安倍首相のために平気で法や文書をねじ曲げる官僚だけが出世する、いまの安倍政権の姿と重なる。そして、張衡はこの腐敗と忖度にまみれた朝廷で官吏として働くことの苦悩をこう書いている。

〈人々に邪悪な行為が多いのを見るにつけても、自分だけ法に従うことが、かえって身を危うくするのではないかと恐れるのだ。心中にこのような煩悶を重ね、我が心は乱れる。ああ誰に向かって、この思いを告げたらよいのか。〉

 これも、良心が残っている官僚たちがいまの安倍政権下で抱えている苦悩そのものだろう。

【「令和」考案者・中西進氏は護憲運動にも関わっていた】
 ようするに、「おれは国書を典拠とする元号をつけた初めての総理だ」と悦に入っている安倍首相だが、実際は、自らの政権とそっくりな不正と忖度官僚の跋扈を嘆いた中国の役人の言葉を元ネタとする元号をつけてしまっていたのである。

 そんなところから、この「令和」という元号名が実は「安倍首相への皮肉とを込めて提案されたものではないか」などという憶測までとびかっている。「令和」の考案者が護憲運動にも関わったことのある文学者・中西進氏であったと報じられていることもこの説の拡散に拍車をかけている。



 まあ、さすがにそれはありえないだろうが、しかし、今回の新元号制定で改めてはっきりしたことがある。それは、安倍首相が押し出すナショナリズムがいかに浅薄でインチキなシロモノであるか、ということだ。「令和」の大元ネタがどうという以前に、そもそも日本の古典文学は、基本的に中国や朝鮮の影響下でつくられているものであり、いくら「国書典拠」を強調したところで、日本固有の文化、中国排除などできるはずがないのである。それを、皇室の伝統を排して「国書典拠」などというのは、無教養とバカのきわみといっていい。

 しかし、そのバカ丸出しのインチキが何の問題にもならずに、正論として通用してしまうのが、いまの日本の状況なのである。

 新元号「令和」の大元ネタの作者・張衡の「思玄賦」にはこんな一節がある。

〈折り合わないことなどは、本当の憂いではない。真に悲しいのは、多くの偽りが、真実を覆い隠してしまうことである。〉
(小杉みすず)

■主な参考文献
『新釈漢文大系』81巻(明治書院)
『後漢書』列伝7(岩波書店)
鈴木宗義「張衡「帰田賦」小考」(「国学院中国学会報」2005年12月号所収)
富永一登「張衡の「思玄賦」について」(「大阪教育大学紀要」1986年8月号所収)

最終更新:2019.04.03 11:44
#万葉集 #中西進 #令和 #安倍晋三 #小杉みすず #新元号


「令和」は安倍首相の元号私物化の結果だ! 皇室の伝統をひっくり返しフェイク的“国書由来”の元号を強行 2019.04.01 10:43 リテラ

2019-04-01 23:04:03 | 転載
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「令和」は安倍首相の元号私物化の結果だ! 皇室の伝統をひっくり返しフェイク的国書由来の元号を強行の画像1
元号を発表する菅官房長官(首相官邸HPより)

 5月1日に施行される新元号が「令和」に決定した。朝からヘリまで飛ばして特番を組んでいるテレビでは不自然なほど絶賛ばかりだが、菅義偉官房長官による発表直後、Twitterなどネット上には少なからぬ“違和感”の声があがっていた。

 まあ、それも当然だ。元号に使われるのは初めてだという「令」という字は、辞書を引けば「命じること」「いいつけ」「おきて」という意味がまず並ぶし、「和」にしても「昭和」で使われたばかり。ネット上では「命令、使令、令状の令か?」とか、昭和のアジア・太平洋戦争を意識して「暗黒時代に戻るように感じる」というような感想も見られる。もちろん、行政を私物化し、戦前復古的なイデオロギーを振りまいている安倍政治を鑑みれば、「上からの命令で、みんな無理やり仲良くさせられる(押し黙らせる)」という受け止められ方をされても仕方がないだろう。



 しかし、それよりも驚かされたのは、安倍首相が得意顔で説明した「令和」の典拠のほうだ。「平成」の公表の際には当時の小渕恵三官房長官が読み上げただけだった首相談話を、安倍首相はわざわざお昼どきに会見を開き、直接語ったわけだが、そこで「令和」は日本の『万葉集』からとったと自信満々でアピールしたのである。

「新しい元号は『令和』であります。これは、万葉集にある『初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす』との文言から引用したものであります。そして、この『令和』には、人々が美しく心を寄せ合うなかで、文化が生まれ育つ、という意味が込められております。万葉集は、1200年あまり前に編纂された日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで、幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、わが国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります」

 これまでの「大化」から「平成」の247元号は、典拠がわかっているものはすべて『五経』や『史記』など中国の古書(漢書)からとられてきたとされる。安倍首相はその皇室の“伝統”をひっくり返してしまったのだ。歴史のなかにきちんと実在する女性天皇を「皇室の伝統に反する」などと言って猛反対していた人物が、これまでただの一度の例がない「国書由来の元号」を強行したのである。



 この背景にあるのは、明らかに安倍首相の「元号」政治利用と私物化だ。本サイトは、以前から「安倍は国書由来の元号をつけた初の首相という称号を得ようとしているのではないか」「学校教育から漢文を廃止しろ、と叫んだ百田尚樹と同レベルのヘイトまがいの浅薄な動機で、漢書由来の元号という慣習を覆すつもりではないのか」という見方をしてきたが、まさにそれが的中してしまったということだろう。

 実際、AP通信は「中国古典用いた伝統破る」という見出しで、「中国に対してタカ派だった安倍政権が、伝統を変えて日本の文献から引用するという憶測も出ていた」という記事を配信した。

 さらにもうひとつ大きく影響しているのが、安倍首相を支持する極右勢力の意向だ。「新元号は国書を典拠に」というのは安倍首相の肝いりで、事前に「元号の出典は日本で書かれた書物がいい」と周辺へ話していたとの報道も複数なされていたが、その背景には、極右勢力の一部が平成の代替わりの際に、「国書からとるべき」という主張を展開していたことがあった。

【国書由来の元号制定の背後に安倍首相と極右勢力の結託】
 しかも、安倍首相は元号の国書由来を、元号の事前公表とバーターしたのではないかという見方もある。「代替わりと同時の元号発表」という慣例にこだわる日本会議などの右派勢力は、事前公表に猛反対し、機関誌「日本の息吹」2019年2月号でも、4月1日の公表に対して「遺憾の意を表明せざるを得ない」などと真っ向批判の見解を掲載していた。

 行政のシステム改修の問題から、この要求をのめなかった安倍首相はそのかわりに、右派の一部が以前から主張してきた「国書由来の元号」を採用したのではないか、というのだ。

 日本会議は本日、「新元号の公表にあたって」と題する声明をホームページで公表。〈元号はわが国において、古来より、その時代に対する理想や願いがこめられてきた歴史があると考えます〉との書き出しで、〈我が国における元号の歴史の重みと意義について改めて留意し、新元号が国民生活に定着するよう、一層の啓発に努力〉などを政府に求めたが、その文面からは、新天皇即位前の公表に対する強い反発は忽然と消えていた。

 いずれにしても、今回の「国書由来の元号」は、安倍首相を筆頭とする極右勢力の浅薄なナショナリズムと排外思想の結果、と考えて間違いない。きょう、『モーニングショー』(テレビ朝日)に出演した“安倍首相の代弁者”田崎史郎氏は「最後に誘導はある」と言っていたが、国書由来の元号に誘導したのだろう(もしかしたら、候補の大半が国書由来だった可能性もある)。

 実際、安倍首相は「国書由来の元号をつけた初の首相」になったことがよほど自慢だったのか、まるで自分が「令和」という元号を決めたかのようにこう語った。

「悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然。こうした日本の国柄を、しっかりと次の時代へと引き継いでいく。厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込め『令和』に決定いたしました」


【令和」の出典は「万葉集」でも漢文調の序文、元ネタは漢書】
 しかし、安倍首相と右派勢力が胸を張るこの「国書由来の元号」は、実を言うと「日本固有の薫り高き文化」とはいえない。というのも、「令和」は『万葉集』からとってきたといっても、万葉仮名である歌の部分ではなく漢文調の序文が出典なのだ。加えれば「令和」の説明中に用いられた「梅は鏡前の粉を披き」の部分の梅の木も、中国から日本列島に輸入された樹木といわれている。

 国文学が専門の山崎健司・明治大学教授も〈「令和」に使われた万葉集の第5巻の序文は中国の六朝時代の政治家で、書家として名高い王羲之の書「蘭亭序」や同時代の詩文集の「文選」を参考にしたのではないか〉(NHKニュースより)と指摘している。

 ようするに、安倍首相がナショナリスティックに自賛する「令和」という新元号は、皇室の伝統からみても、あるいは安倍首相自身の「日本の文化」という謳い文句からみても、フェイクそのものなのだ。

 もっとも、無教養な安倍首相にとってはそんなことはどうでもいいのだろう。とにかく、この元号を利用して、自分をアピールし、国民にナショナリズムを押し付けることができればなんでもいいのだ。

 実際、安倍首相の会見はまさに、元号を政治利用するためのパフォーマンスとしか思えないものだった。

 なにしろ、安倍首相は談話を読み上げた後の質疑応答の際、「平成の30年間ほど改革が叫ばれた時代はなかった。政治改革、行政改革、規制改革。まあ抵抗勢力という言葉もありました」と元号と関係のないことを話しはじめ、「ちょうど本日から働き方改革が本格的スタートします」「1億総活躍社会をつくることができれば日本の未来は明るい」などと政策を宣伝しまくっていたのだ。

【無関係なSMAP「世界に一つだけの花」を強引に持ち出すあざとさ】
 あげくSMAPの「世界に一つだけの花」を持ち出して、「若者たちが明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる希望に満ちあふれた日本をつくり上げていきたい」などと宣った。いやいや、普通に考えて『万葉集』序文の「梅の花」のくだりと、「もともと特別なOnly one」を謳う「世界に一つだけの花」って、全然、文脈が違うだろう。いったい、どういう読解力をしているのか。というか、完全にイメージアップのためだけに言ってみたとしか思えない。

 他にも、会見のなかでニコニコ動画の記者から質問を受けた安倍首相は、「ニコニコ動画もですね、既存メディアの発想にとらわれることなく若者たちならではの柔軟さで多様な番組を生み出して、リアルタイムで個人がコメントを発信できる新しいメディアの姿をかたちつくられた」などと絶賛。安倍首相が“ネトウヨの巣窟”であるニコニコ動画が大好きなのは周知のことだが、敵視する新聞やテレビ局などのオールドメディアに対する当てこすりの意図もあったのだろう。それにしたって新元号に関する記者会見の場で、いまや“オワコン”とよばれるニコニコ動画を絶賛とは、この男がいかにエセ伝統主義者、インチキ右翼であるかがよくわかる。



 何から何まで、安倍首相の醜悪なパフォーマンスに終わった新元号公表。しかし、メディアはそのことをまったく批判しない。それどころか、各テレビ局が安倍首相を出演させ「元号パフォーマンス」に全面協力している。

 もしかしたら、日本はすでにネットで語られている「令和」のイメージどおりの国になっているのかもしれない。そう、「上からの命令で国民が押し黙らされる」国に、である。

(リテラ編集部)

危機2019   櫻井 智志

2019-04-01 11:07:25 | 政治・文化・社会評論


危機❶ 元号の改定にこの間マスコミの大騒動は異常だ。外交も内政も重大な危機に瀕していることは全くわきに追いやられている。テレビ各局の長時間の経過追っかけは、元号ー新天皇をめぐる巨大な安倍自民党の深い仕掛けと関連がある。




危機❷ 12年に一度の統一地方選挙と参院選のダブル選挙。安倍自民党は、今上天皇夫妻の国民と日本の行き先を考えて、生前退位を政局に有利なマスコミ操作によって変質させた。新天皇即位のフィーバーを選挙に有利に結び付け、圧勝をねらい、その高揚によって2020東京五輪を偏狭なナショナリズムを台頭させる。




危機❸ 一方でトランプに隷従する安倍晋三は、膨大な軍事兵器を数億~数兆円を国民の血税を自らの私財のように購入し続けている。国内軍事産業に戦争軍事費を使って老人福祉はどんどん予算を減らし続けている。




危機❹ この統一地方選挙。マスコミは自民圧倒的優位と流している。市民が立候補して、9条の会や市民連合から立候補した神奈川県知事選は、岸牧子氏の名前すら無視し「与党野党推薦の安定した知事選」と報道している。




危機❺ 結果だけしかとりあげないマスコミは、選挙運動のプロセスや草の根の盛り上がりなど見向きもしない。選挙は明治自由民権運動や大正・昭和の普通選挙運動の流れの中に位置している。いま形骸化した戦後民主主義を救うのは、政治に絶望しても何度も何度も草の根からたちあがる普通の市民たちだ。