【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

激動と不安定の時代に羅針盤のごとく【TBS報道特集4月8日】

2023-04-09 17:04:47 | 転載と私見
 世情

すぐに統一地方選挙が始まるが、分裂選挙。一方で市民の情熱も感じる。華々しく選挙は進むが、一方で立候補不在で無投票当選や選挙に立候補しない傾向もみられる。
最近、日本の周囲でアメリカ、韓国、中国、北朝鮮などの動きが慌ただしい。相手を責めあうが、自分たちは何をしているか、その省察と熟慮が足りないまるでゲームのような軽量政治軍事が目立つ。外交交渉の重みの薄い傾向に危惧を覚える。

 坂本龍一さんの死

坂本龍一さんが新宿高校時代、不合理や戦争にアンチテーゼを示し、学生運動にも参加したことを聴いたことがある。ずっと平和を願い音楽に結晶化させてきた方だ。私は関西フォークや笠木透さんや横井久美子さんの音楽に関心がある。元ちとせさんの言葉に坂本龍一さんを初めてs知る想いだ。「死んだ男の残したものは」は60年安保の時代から長い射程を有す。武満徹作曲谷川俊太郎作詞の心を震わす歌。音楽を専門的に学んだ坂本さんはジャンルや国籍を超えて音楽の根元で深い重みをもっていたのだ。
武満徹詞
谷川俊太郎曲
いろんな歌手が歌っている。
賠償千恵子さんの歌唱
https://youtu.be/bcCqmzq0d60

小室等 / 「死んだ男の残したものは」(谷川俊太郎作詞、武満徹作曲) - YouTube
https://youtu.be/18kV9YrruBI

金平茂紀氏が、坂本龍一氏を語り、胸にせまる想いにご自身が感動と哀しみに一瞬絶句された。金平氏と坂本龍一氏が共有する芸術と感性の地平。まだまだ私には到達できていない深さだと後から思った。

❸ 「お笑い米軍基地」が伝える沖縄


芸人さんという存在に、根源的なひとの感覚にアピールするメッセージがある。チャップリンの映画の中に笑いとひとの感性が生きいきと根強いことを感じた。
チャップリンの「独裁者」を親に連れられ鑑賞した時、喜劇が描き出す世界がある。沖縄の悲劇と笑顔。漫才コンビガレッジセールのゴリさんが高校野球の監督になって、制作された映画を見た。感動的な映画だった。お笑い米軍基地さんが「チャップリンは『独裁者』でヒットラーの独裁を人間の一面としてそれも肯定しつつ、独裁者の全体像を描きだした」という。深く見ていることに肯いた。


【私見】「報道特集」と私
実はこの後に報道とジャーナリズムについて、書いた箇所があった。最近ネットで書いていて、途中でとんだり消えたりすることがある。最初は対策に頭を
痛めていたが、今は浮足だたない。与えられた状況のもとで実行できる半径のなかで執筆がネットに伝わればよい。その反復でいずれ書いていることが徐々に理解されればよいという考えだ。
「報道特集」を見たのは、見ていたTBS「news23」のキャスター岸井成格氏と膳場貴子さんが番組降板という異常な事態が起きたときの頃だ。それから、金平茂紀氏、日下部正樹氏、膳場貴子氏、村瀬健介氏、上村彩子氏、高柳光希氏、皆川玲奈氏、長峰由紀氏、久保田智子氏など錚々たるメンバー歴代も現在もキャスターやアナウンサーとして活躍してきたし、現在も活躍している。
いまの時代、現場には外部からのプレッシャーがあると思うが、メンバーは淡々とこなしている。またデイレクター佐古忠彦氏や曺琴袖編集長らスタッフが番組を支えている。

不倫報道の黒岩祐治神奈川県知事が「軽率な行動で女性を傷つけた」と謝罪 県知事選は「審判を仰ぎたい」

2023-04-06 19:27:39 | 転載と私見
不倫報道の黒岩祐治神奈川県知事が「軽率な行動で女性を傷つけた」と謝罪 県知事選は「審判を仰ぎたい」
2023年4月6日 16時04分
自身の過去の不倫について謝罪する黒岩祐治知事



 神奈川県の黒岩祐治知事(68)は6日、横浜市内で記者会見し、同日発売の週刊誌「週刊文春」で報じられた過去の不倫について事実を認め、「軽率な行動で女性を傷つけたこと、長年支えてくれた妻を裏切ったことを心からおわびする」と謝罪した。4選を目指して立候補した知事選(9日投開票)では、「(有権者の)審判を仰ぎたい」と活動を続ける意向を示した。

 同誌や黒岩氏によると、フジテレビキャスター時代の2000年ごろ、共通の知人が開いた会合で女性と知り合い、11年間交際。11年、知事選初出馬に際して別れを申し出た。妻にも同年、謝罪したという。

 黒岩氏は会見で県民に対し、「不快な思いをさせた。がっかりさせた」と陳謝。知事選について問われると、自身の政策に期待している有権者もいるとし、「撤退するのは逆に県民に迷惑をかける」と述べた。

 知事選には他に、無所属新人の岸牧子さん(66)=共産党推薦、無所属新人の加藤健一郎さん(73)、政治家女子48党党首の大津綾香さん(30)=同党公認=も出馬している。(志村彰太)


【私見】
選挙日がもう3日後に迫るきょう(4月6日)突然に、黒岩祐治氏の不倫スキャンダル記事が、今朝の新聞に掲載されたきょう発売の週刊誌広告記事に載った。私は瞬間的にトランプ前大統領の女優との不倫と口止め金疑惑を提訴され、午後に起訴されたことを連想した。
トランプは、徹底的に事件をでっち上げと反駁した。黒岩氏は夕方のテレビニュースで全面的に認め謝罪に徹した。この違いは、2人の人間性の違いに基づくものなのか。それとも、アメリカでは正義と悪事との峻別が徹底しているので、安易に認めるとさらに追及されるのか。日本では反省し謝罪すれば、世間は比較的ゆるやかなのであろうか。
私は、過去はそうだったが、現在のフェミニズム思想が日本でも広範にひろがっている現在では女性層に以前の反応とは異なる対応があるような気がする。

【孫崎享のつぶやき】

2023-04-03 22:05:55 | 転載
米国の政治で異例の動き。前大統領トランプを起訴。トランプは2024年大統領選挙で共和党の最有力候補。罪状は2016年大統領選終盤にでた「不倫もみ消し疑惑」。共和党の対立候補デサンティス知事ですら「非アメリカ的」であり、「法制度の武器化」

2023-04-02 06:454


A 最近の共和党内大統領候補支持率


 調査機関     日時      トランプ デサンティス・フロリダ知事
フォックス     3月30日    54%     24%
クイニピアック大学 3月29日    47      33
ロイター      3月25日    44      30

B-1
 トランプ氏が起訴を受け声明「政治的迫害で選挙干渉だ」…不倫もみ消し疑惑、評決は来年大統領選後か(2023/03/31 時事)
米ニューヨーク州のマンハッタン地区検察が招集した大陪審は30日、米国のトランプ前大統領の不倫もみ消し疑惑を巡り、トランプ氏を起訴した。米国の大統領経験者の起訴は史上初めて。トランプ氏が立候補を表明している来年の大統領選への影響は避けられない見通しだ。
 米メディアによるとトランプ氏は4月4日、出頭後、マンハッタンの州裁判所で罪状認否を行う見通しだ。
 起訴内容はそれまで公表されない可能性があるが、CNNはトランプ氏が「30以上の不正」に絡む罪状で訴追されたと報じている。
 トランプ氏は3月30日、起訴を受けて声明を発表。「史上最高レベルの政治的迫害であり、選挙干渉だ。民主党は完全に無実の人間を起訴するという考えられないことをやった」と訴え、民主党にかみついた。
 米憲法は大統領に就く条件として「米国生まれ」「35歳以上」「米国内に14年以上居住」と定める。起訴や有罪判決は、大統領選への立候補を妨げないという見方が一般的だ。
 起訴しても公判前手続きに時間がかかり、公判の日程は見通せない。米メディアでは、初公判は来年で、有罪かどうかを決める陪審の評決も来年11月の大統領選後になるとの観測も出ている。トランプ氏は、裁判と選挙活動の両にらみを強いられそうだ。
 米メディアによると、検察が捜査したのは、2016年の米大統領選終盤、不倫関係を暴露しようとした元ポルノ女優ストーミー・ダニエルズ(本名ステファニー・クリフォード)さん側に当時の顧問弁護士マイケル・コーエン氏が口止め料13万ドルを支払った問題だ。
 トランプ氏一族が経営する企業が、口止め料を肩代わりしたコーエン氏に弁済したが、帳簿には「弁護士費用」と記載した。検察はこれが虚偽の内容で、州法に違反する業務記録の改ざんにあたるとみてトランプ氏の関与を調べていた。

B-2  A-2 WSJトランプはニューヨークでの口止め料起訴を受けて降伏する準備をしている、元大統領は、この事件を主宰すると予想される裁判官を批判WSJ Donald Trump Prepares to Surrender Following Hush-Money Indictment in New York、Former president criticizes judge expected to preside over case
ニューヨーク当局とドナルド・トランプ氏の弁護団は、ポルノスターに口止め料を支払った彼の役割の罪に問われる前大統領が火曜日に降伏する準備を始めた。
トランプ氏の弁護士であるタコピナ氏は、主要なテレビ ネットワークに出演し、前例のない不当な請求からクライアントを弁護した。
タコピナ氏はNBCの「トゥデイ」番組で、 「犯罪はありません。裁判になるかどうかはわかりません。その時点に到達する前に立ち向かわなければならない実質的な法的課題があるためです。」と述べた。

B-3NYT :トランプはニューヨークで降伏する準備をしており、警察は抗議活動に備えているTrump Prepares to Surrender in New York as Police Brace for Protests
元大統領は、火曜日にロウアー・マンハッタンにある薄暗く照明の暗い刑事裁判所で裁判官の前で、起訴状に答えることが予定されている.
 この訴訟は何ヶ月も続く可能性があり、その結果は明らかではなく、国の制度と法の支配が試される可能性が高い.それはまた、トランプ氏が共和党の最有力候補であり続けるホワイトハウスの2024年の選挙戦にも深い影響を与えるだろう。
 トランプ氏は、彼のコアな支持者を元気づけるために刑事告発を利用しようとしてきた。木曜日に、彼はブラッグ氏を「不名誉」と呼び、起訴を「史上最高レベルでの政治的迫害と選挙干渉」として非難した。
 起訴のニュースが報じられてから数時間後、共和党の大統領指名争いでトランプ氏の潜在的なライバルである多くの人でさえ、彼の後ろに列を作って列を作った。全員が前大統領を批判する機会を逃し、何人かは彼の弁護に駆けつけた。これは、2024 年の候補者が、彼と直接対決し、党内の何百万人もの支持者と敵対することにいかに消極的であるかを示している。
ペンス氏は、ブラッグ氏の起訴は「アメリカの左派、右派、中道のすべてにとって攻撃的であるべきだ」と述べ、「アメリカ人はこれが何であるかを理解するだろう」と信じていると述べた。
フロリダ州のロン・デサンティス知事も、トランプ氏と衝突した大統領候補であり、彼の弁護に駆けつけ、起訴は「非アメリカ的」であり、「法制度の武器化」に相当するとツイッターに投稿した。

B-4 トランプ氏の罪状認否は4日午後2時過ぎ、無罪主張へ-関係者(ブルムバーグ)

トランプ氏は木曜日の夜、彼のソーシャルメディアネットワークで、起訴は恥ずべきことであり、ニューヨークで公正な裁判を受けることができるとは思わないと述べた.Cトランプ氏起訴 共和党有力者は非難、民主党から立候補禁止求める声も(毎日)
トランプ前米大統領が大統領経験者として初めて起訴されたことに対し、共和党の有力者らが一斉に検察側を強く批判する一方、民主党側からは2024年大統領選への立候補資格を奪うべきだという声も上がった。
共和党のマッカーシー下院議長は、起訴について「大統領選への介入の試みだ」としたうえで、「我々の国に取り返しのつかない損害を与えた」と指摘し、捜査を主導した民主党のニューヨーク・マンハッタン地区検事(公選職)を批判。「下院は先例のない権力の乱用の責任を追及する」とツイッターに投稿した。下院共和党指導部の一人で、熱心なトランプ氏支持者で知られるステファニク下院議員は声明で、起訴は「政治的な魔女狩り」であり「米国の暗黒の日になった」と非難した。
 トランプ氏とともに24年大統領選への立候補を表明しているヘイリー元国連大使は、出演したFOXニュースの番組で、「これは正義というより、復讐(ふくしゅう)に近い」と指弾。立候補への意欲を示すペンス前副大統領も、CNNテレビのインタビューで、起訴は政治的であり、「常軌を逸している」と語った。
 これに対し、民主党のペロシ前下院議長はツイッターに「法の上に立つ者はおらず、誰にでも無実を証明する裁判を受ける権利がある。前大統領がその権利を認めている制度を平和的に尊重することを願っている」と投稿。ニューヨーク州選出のボウマン下院議員はツイッターに「トランプ氏が再び公職に立候補することが禁止されるようにし、民主主義を修正するための行動を起こす時が来た」と書き込んだ。

【報道特集2023.4.1】ヴァルプルギスの夜に松明

2023-04-01 23:40:15 | 社会思想史ノート
 四月、春の訪れ

きょうから社会人となる若い世代に、幸多かれと願う。
暖かな春四月のいちにちだった。エイプリル・フールはこどものころの話題だった。嘘が多すぎて冗談も誤解されやすい世の中になったのだろうか。

 「少子化」

「少子化」が課題の現代。世界の歴史には滅亡してゆく国家もあった。国家がしっかりした統治システムと社会が安定した人心であることも同時に大事だ。若者が安心して育児出産保育教育生活などができにくいようならば、無理を強いるよりも世の中を改善することが先だ。

 フリーランスの若者世代

フリーランスは雇用保険も労働基準法も適用されない、若者の言葉を聴いて胸が痛い。35歳の配送ドライバーの言葉には、世間への失意を感じる。愛する恋人と食事の会話に、「こんな頑張っているのにこれしかもらえない」30歳の女性の素直な言葉と会話に今の日本社会がどんな社会か知る想いだ。

 「少子化」の日本、韓国の取り組

韓国でも日本に似て出生率は0.78%で低い。就職難や受験競争。住居の物価は高い水準。子どもをもつことが様々な弊害のために諦め、こどもたちが熾烈な競争になっていくことへの不幸を背負わせたくない・・韓国も日本も課題は大きい。韓国には子育て世帯向け援助がある。きめ細かな育児と出産への手当がある。見ていて、子育て援助のサービスが現実的なケアとなっていると思った。

 福祉国家が取り組む「少子化」対策

フランスやスウエーデンでは、高等教育を受ける費用が極めて低く、高等教育負担を減らすことで、子どもの教育費が高すぎて出産に不安をもつ世代をきめ細かく対応している。若者を取り巻く周辺の負担軽減によって外国では対応している。キャスターたちの実体験の話に共感をもつ。

 「中国人画家王希奇さんが描く引揚者の苦難」

中国人画家王希奇さんが描く大きな作品には、満州事変以降日本人が渡った。敗戦と引揚しようとした「満蒙開拓団」が、ソ連軍によって暴行を受けた歴史。その事実への衝撃が描かれている。丸木俊夫妻の絵画と似ている。日下部キャスターが敗戦直後に政府が出した通達。その一節に「海外残留邦人は現地になるべく定着すべし」。

日本にはうけいれる余地がないから、という思惑には、弱者切り捨ての政策がある。いまも弱者切り捨ての政府の政策は続いている。