・日本の食糧自給率は38%(カロリーベース)とされ、低すぎると言われているが、実質的にはもっと低い。
・野菜の自給率は80%といわれるが、その野菜を栽培するために必要な種の9割が海外の畑で種採りしてもらっている。
・農家さんに払う価格がどう決まるかというと、大手小売店がいくらで売るかなのだ。それが決められて、仲卸さんはこの値段で逆算して買ってきてねと言われる。悪いけれども、農家さんのコストはほとんど関係ないのです」
・不可能を見事に克服したのが、「株式会社プラス」が和歌山県を中心に展開する農産物直売所「産直市場よってって」だ。現在、30か所の直売所をスムーズな転送システムとオペレーションによって新鮮な品物が毎日、各店に届く連結多店舗展開を成功させている。
・「世界の食糧は『クワトロ・ショック』と呼ぶ4つの危機に見舞われている」
①コロナ禍による物流の停滞
②中国による食料の「爆買い」
③異常気象による世界的な不作
④ウクライナ戦争の勃発
・これまで日本では、食料とは「お金さえ出せば手に入る」ものだった。その認識は根本的に改めなければならないところまできているということを、われわれは大きなる危機感を持って胸に刻みこんでおかなければならないのだ。
・ホセ・マルティ―(キューバの著作家であり革命家)
「食料を自給できない人たちは奴隷である」
・新自由主義者にとって大事なのは「今だけ、金だけ、自分だけ」である。
・ある米国の教授
「食料は武器であり、標的は日本だ。直接食べる食料だけでなく、日本の畜産のエサである穀物をアメリカが全部供給するように仕向ければ、アメリカは日本を完全にコントロールできる」
・米国に反対すれば左遷される農林水産省職員
・何度もいう。農業が衰退するということは、国民が飢える、ということだ。
国民が飢えて栄えた国など、歴史上、どこにもない。それどころか上が発生すれば、国が崩壊するか、革命が起きて政治体制が変わってきたのが人類の歴史である。
・日本の農業が弱体化したのは、自由貿易・市場主義こそが最高であるという、私にいわせれば短絡的といっていい思想に国政が流されてきたことにある。国から大手流通のような民間企業までが、よってたかって生産者に不利益になる仕組みを創り上げてきたからにほかならない。農家は儲からなくなり、農業を志すという人が少なくなってしまったのだ。
・お客様への6つのお約束
①知産地消費だから新鮮
②顔や名前が見えて安心
③生産者の直接販売だからお手頃
④毎日笑顔で元気なごあいさつ
⑤地元の良いもの再発見
⑥地場産業や農林水産業への貢献
・こうしてじわじわとリピーターを増やすことで、ほとんどの店は1年程度で黒字化する。2002年に1号店を出店して以来、赤字など収益低迷が理由で閉店した店はひとつもない。
・生産者、消費者、地域、従業員の「四方良し」を実現
・最終的には100円で売れた作物の売り上げのうち、生産者が手にするのは30~40円というのが一般的だ。・・・
そもそも中間マージンがない分、手取りも多い。販売価格の約70~80%が生産者の手元に残る。既存流通のおよそ2倍だ。
・大手スーパーで売れ残っても、一度出荷した作物は「返品」されない。しかし、「よってって」では、在庫リスクは生産者にある。売れ残ってしまった場合、生産者が引き取ることになるので、常に同じレベルの粗利が保証されるわけではない。
・和歌山県に誕生した「野田モデル」は、その後、奈良県、大阪府へとエリアを広げている。
・野田氏は2017年に公益財団法人「プラス農業育成財団」を設立した。・・・
その目的は「和歌山県内における農業の振興を図るため、青年農業者等の育成・確保を推進し、農業者の経済的及び社会的地位の向上と農業の持続的な発展に寄与すること」だ。
・「野田モデル」
①売り切れを気にするな。機会損失があっても構わない
②少しくらい野菜が曲がっていても販売できる
③同じ作物でも生産者によって値段はバラバラ
④売り場に同じ作物が多数並んでいてもいい
感想;
農作物は売り手が価格を決めているのかと思っていました。買い手だったのですね。
農業が儲かるとなれば多くの人が、若者も参入するでしょうね。
日本は米国に止められたら直ぐに食糧危機ですね。