・当事者研究は、2001年に北海道の浦河町にある精神障害をもつ人々の生活拠点「浦河べてるの家」で誕生した、ユニークな「自分助け」の技法である。・・・
さらに最近では、傷害や病気というカテゴリーさえも超え出て、子ども、女性、大学生など、生きづらさを感じているあらゆる人々の間に広まりつつある。
・私のことは、私がいちばんよく知っている。
私が何者であるか、私が何を行うかは、私が決める。
⇒
私は、私のことよく知らない。
私が何者であるか、私が何を行うかを、仲間と共に探る。
・ダルク女性ハウス代表の上岡陽江氏の私信によれば、グループにやってきたばかりのビギナーが思い描く回復のイメージは、「フルタイムで働ける」「恋人や家族ができる」「薬物やアルコールが止められる」「自らの意思で自分をコントロールする」「苦痛が完全になくなる」「寂しくなくなる」「強迫症状がなくなる」「疎外感がなくなる」など、多数派が想像するような回復イメージをなぞっていることが多い。しかし、ミーティングなどで仲間と言葉を交わしていくとともに、回復のイメージが徐々に等身大のものへとくぁって行くのである。
・当事者研究とは、「生得的な期待」と「身体」を変えようとはせずに、それら固有の特徴をある程度共有する類似した少数派同士が集まって、誤差を縮小するように互いの「後天的な期待」と「予測(知識)」を更新し合い公開する研究戦略に基づく実験ということができる。
・当事者研究という取り組みに共感を示したメッツィーナ氏(イタリアの精神科医)は、イベントの終盤で行われた講演の中で、「回復とは発見である(Recovery is Discovery)」という言葉を残した。当事者研究では、それを通じて当事者が「回復」するという側面と、混とんとした経験の中に意味やメカニズム、対処方法を「発見」するという側面の二つが、分かちがたく結びついた実践だという点を、鋭く言い当てた言葉と言える。
・ステップ4(AAはじめとした依存症自助グループの中で経験値として受け継がれてきた「12ステップ」と呼ばれるプログラムに沿って回復を目指している)で、依存症が問題じゃなかったんだ、その前から自分の人生は問題が山積みだったんだって、気づくんですよね。依存症は、氷山の一角だったんだって。
・綾屋さんの発達障害
声;様々な小野の情報が大量に聞こえてしまい、耳を傾けるべき一つの音に注意を絞り込めない傾向があり、にぎやかな居酒屋などでは、人々の会話、BGM、食器の音などがすべて等価に聞こえるため、声が聞きとれなくなると言う。
文字;中学に入学した後「英単語や英文緒文字がチラチラと点滅するように動いて見える」という症状を自覚するようになった。長文であればページ一面に広がるアルファベットが点滅しながら動くの、吐き気とともに目で追っている場所をすぐに見失った。
スティグマとは?
スティグマは、日本語の「差別」や「偏見」などに対応しています。具体的には、「精神疾患など個人の持つ特徴に対して、周囲から否定的な意味づけをされ、不当な扱いことをうけること」です。スティグマの歴史は古く、もともとは古代ギリシアで「身分の低い者」や「犯罪者」などを識別するために体に強制的に付けた「印(しるし)」に由来した言葉です。現代では、精神疾患やHIV、LGBTQ(*)のような社会的に立場の弱い人々に対する差別や偏見などを含むような、広い意味を持つ言葉として用いられています。
スティグマの問題は、多くの場合、社会構造レベルと個人レベルに分けて整理されます1-3)。社会構造レベルのスティグマは、精神科医療への国の予算が少ないことや、精神疾患があることを理由に適切な身体疾患の治療が受けられないなど、社会の仕組みとして精神疾患を持った人が排除されることを指します。
・ 社会資源からの疎外
スティグマ 社会的孤立 機会や健康の不平等
自己スティグマ 適応的でない対処行動
ストレス ・べてるの家が当事者研究を実践する中で発見されことは、「他人の妄想は妄想だとわかる」ということだった。
感想;
見えない障害の私 / 発達障害 の当事者研究 (スペルガー症候群の綾屋紗月さんと脳性マヒで小児科医の熊谷晋一郎さん) "約24分のYouTubeは役立ちました”
「他人の妄想は妄想だとわかる」
この言葉を読み、頭に浮かんだのが、
「人の歌が外れているのは分かるが、自分の歌が外れているのはわからない」
でした。
自分の歌が外れているのに気づくには500時間ほどのカラオケ教室と一人カラオケ練習が必要でした。
この本を読んでベテルの家のことがよくわかりました。
当事者研究がべてるの家の統合失調症の人が自分を上手くコントロールする秘訣だったのです。
自分の行動パターンを自分でまとめ、それを皆に話して、そして第三者の気づきをもらって、自分を知り、自分の行動パターンを少しでもよりよいものにしていくのです。
べてるの家では認知行動療法や対人関係療法などで、少しでも生きやすいように学びを深めていましたが、辿り着いたのが「当事者研究」だったようです。
自分の行動が悪いと、結果として自分に返ってくるのです。
エコーと同じです。
当事者研究を統合失調症から、発達障害にも適用し、自分の発達障害のパターンを知り、上手くコントロールする方法を学ぶのです。発達障害と一括りにしても、一人ひとり違うようです。
自分の身体を車に例えると、スポーツカー(HSPの方)から10年以上の車などまさに様々です。その乗り物の特徴を知り運転技術と普段の点検で上手く乗りこなすのです。
運転技術を学ぶのが「当事者研究」なのです。
本からの学びも大きいと思います。
言葉が苦しい時の支えになることもあります。
いろいろな心理療法も役立つ場合があります。
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