英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

年収103万円の壁を後方に押し下げたが

2024-12-27 17:15:56 | 時事
27日に閣議決定された政府の税制改正大綱では、いわゆる「年収103万円の壁」を見直し、所得税の控除額を20万円引き上げて123万円にするとしている。
基礎控除は10万円、給与所得控除は10万円、それぞれ引き上げ、年末調整で対応する形で来年から実施。
大学生などを扶養する世帯の税負担を軽減する「特定扶養控除」については、子の年収要件を今の103万円から150万円に引き上げるとしている。


 “壁”と言うと……それに続く熟語として「打ち破る」、「打ち壊す」、「突破する」、「乗り越える」というような熟語が思い浮かぶ。
 完全撤廃したわけではないので、「破る」「壊す」とは違う。
 所得税の控除額の103万円を20万円引き上げて123万円にするのだから、その行為をそのまま“103万円の壁”に適用する、「壁を引き上げる」となってしまい、おかしなことになる。
 実態は控除ゾーンを広くするのだから、「壁を押しやる」イメージなのだが、語感がよろしくない。
   ………「年収103万円の壁を後方に押し下げる」が妥当かも。いや、そんなことはどうでもいいのだけど、記事タイトルをつける際。、ちょっと悩んでしまった。


 個人的には、国民民主党の主張する178万円にはならなくて良かったと思っている。
 確かに、《労働時間が増えると税金が増えて却って収入減になる》という状況はおかしい。さらに、そのことによって労働時間を制限してしまうのは、労働力不足の現状を考えると、その矛盾を解消するのは有意義だ。
 しかし、その控除額の引き上げにより、国の税収が大幅減になってしまう。それによって、国政に支障が生じるのも困る。
 となると、控除額引き上げによる税収減をどこかで補うしかない。
 労働力が増えて経済が活発になれば、税収が増えるが、そううまくいかないだろう。労働時間が増えて収入増で消費が増えて経済が活発になり、税収増……と言うシナリオも考えられるが、そううまくいかないであろう。
 となると、別の項目で増税。……実際、国からの補助金が漸減されていき、ガソリン代が高くなっていきそうだ(厳密には増税ではないが、増税みたいなものだろう)
 とにかく、あちこちから名目をつけて、増税されていくだろう(防衛費増額による増税が予定されているし。

 この年収103万円の解消政策の恩恵を受けるのは、国民の4割と聞いている。選挙前後から何前回も聴いている「年収103万円の壁」云々は、私は恩恵を受ける4割に属さないので、あまり積極的に支持はできない(労働力不足解消には意義があるとは思っている)。それに、改正によって恩恵を受ける額は、高額所得者ほど大きい。
 少し話が逸れるが、少子化対策による支援策も必要だとは思うが、我々は高い授業料などを負担してきているのに……なんてことも感じている。
 今回の記事は、非常に個人的な局地的見地から書いているので、大きな声では言えないが。

 個人的な見地から言わせていただくと、皆が恩恵を受けられる施策をお願いしたい
・消費税を下げて欲しい
・ガソリン代、電気代などを下げて欲しい。補助してほしい(ガソリンは車に乗らない人は関係ないと思うかもしれないが、物流費が抑えられるという二次的恩恵がある)
・円安を何とかしてほしい
(円安により、原材料や燃料費が上がり物価が上がる)

 《物価高を上回る賃上げ》と政府は謳うが、賃金アップが価格に反映されるので、よほどの好景気でなければ無理!
 ある程度の物価高と高賃金でないと国際的競争力が低くなってしまうのも分かるが、賃金アップと円安による原材料費などの高騰で、苦しい台所事情の零細企業や個人事業主はこの賃上げペースが続くと、息が切れてしまう。バイト代も高くて雇えない…
 外国人労働力を当てにしても、円安だと来てくれないぞ。

 国民民主党は選挙時、自民を突き上げ「政権交代だ!」と叫ぶだけの立憲民主党と違い、政策を訴えたことを評価され議席数が大幅アップ。(他に投票する政党がなかったこともあった)
 ただし、聞こえの良い政策を掲げたが、税収減への対応策や見解は述べていなかった。
 今度は、立憲、維新、国民の3党が共同で「給食無償化」を提出したという。それはいいことだが、財源は?


 そもそも、共働きが稀有な時代に作られた扶養家族を念頭に置いた扶養控除などのシステムの大改革こそ必要だと思う。

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