わがうへに つゆぞおくなる あまのがは とわたるふねの かいのしづくか
わが上に 露ぞ置くなる 天の川 門渡る舟の 櫂のしづくか
よみ人知らず
私の衣の上に露が置いたようだ。これは天の川を渡る舟の櫂の雫なのだろうか。
第二句「置くなる」の「なる」は推定の助動詞「なり」の連体形。詞書もなく、これだけでは歌の背景、情景が良く分かりませんが、伊勢物語(第59段)では、死んだ人が顔に水をかけられて生き返った時の歌として記載されています。
今日から章が変わって「雑歌」のご紹介。「雑歌」は、四季や恋など他の部立には入らない多様な歌が収められています。上下2章に別れ、巻第十八「雑歌下」の最後の歌はちょうど 1000 番。そう思うと、ようやくゴールが見えてきたような気がしますね。^^