漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0867

2022-03-15 06:07:24 | 古今和歌集

むらさきの ひともとゆゑに むさしのの くさはみながら あはれとぞみる

紫の ひともとゆゑに 武蔵野の 草はみながら あはれとぞ見る

 

よみ人知らず

 

 一本の紫草ゆえに、武蔵野の草はすべてしみじみいとおしい思いで見ることよ。

 「みながら」は「すべて」「ことごとく」を意味する副詞。紫草が一本あることで武蔵野に生える草すべてがいとおしく思える、という歌ですが、一本の紫草とは、愛しい異性の象徴でしょうか。