漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 645

2025-01-20 07:06:56 | 貫之集

とりのねも きこえぬやまの むもれぎは わがひとしれぬ なげきなりけり

鳥の音も 聞こえぬ山の 埋木は わが人しれぬ なげきなりけり

 

鳥の声も聞こえない山奥の埋もれ木は、埋もれて思いを告げられず、人しれぬ嘆く私の姿そのままなのであったよ。

 

 第五句「なげき」の「き」は「木」との掛詞。よく出て来る修辞ですね。