ちるときは うしといへども わすれつつ はなにこころの なほとまるかな
散るときは 憂しといへども 忘れつつ 花に心の なほとまるかな
散るときには憂うるけれど、それを忘れて、やはり花には心がとまるものであるなあ。
散ってしまうときには寂しい思いにもなるけれど、それを忘れてやはり美しい花の開花を待ってしまう気持ち。桜が咲き、散る季節などを思うと、強い共感を覚えますね。
この歌は、続千載和歌集(巻第二「春下」 第141番)に入集しており、そちらでは第二句が「うしとみれども」とされています。