をみなへし うつろひがたに なるときは かりにのみこそ ひとはみえけれ
女郎花 うつろひがたに なるときは かりにのみこそ 人は見えけれ
女郎花が色褪せてきた時には、かりそめにしか人は来てくれなくなってしまうのですね。
狩をする男と、色褪せた女郎花が描かれた屏風に添えられた歌とのこと。第四句の「かり」は「狩り」と「仮」の掛詞になっています。色褪せた女郎花は、年齢を重ねて衰えた女性の見立てで、その女性の心を詠んだものですね。275 にも類歌が登場します。
かりにのみ ひとのみゆれば をみなへし はなのたもとぞ つゆけかりける
かりにのみ 人の見ゆれば 女郎花 花の袂ぞ 露けかりける