漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 081

2023-07-06 06:25:45 | 貫之集

あさぎりの おぼつかなきに あきのたの ほにいでてかりぞ なきわたるなる

朝霧の おぼつかなきに 秋の田の ほに出でてかりぞ 鳴きわたるなる

 

朝霧が立ち込めて漠とした中で、穂が出た秋の田の上を雁が声もはっきりと鳴いて通って行ったよ。

 

 「穂に出づ」は、文字通り穂が出る意に加えて、「表に表れる」「人目につくようになる」意があり、ここでは「はっきり」「くっきり」くらいの意味ですね。第四句の「かり」は歌意の上では「雁」ですが、掛詞の「刈り」に通じて、「穂」の縁語ともなっています。



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