あさぎりの おぼつかなきに あきのたの ほにいでてかりぞ なきわたるなる
朝霧の おぼつかなきに 秋の田の ほに出でてかりぞ 鳴きわたるなる
朝霧が立ち込めて漠とした中で、穂が出た秋の田の上を雁が声もはっきりと鳴いて通って行ったよ。
「穂に出づ」は、文字通り穂が出る意に加えて、「表に表れる」「人目につくようになる」意があり、ここでは「はっきり」「くっきり」くらいの意味ですね。第四句の「かり」は歌意の上では「雁」ですが、掛詞の「刈り」に通じて、「穂」の縁語ともなっています。
あさぎりの おぼつかなきに あきのたの ほにいでてかりぞ なきわたるなる
朝霧の おぼつかなきに 秋の田の ほに出でてかりぞ 鳴きわたるなる
朝霧が立ち込めて漠とした中で、穂が出た秋の田の上を雁が声もはっきりと鳴いて通って行ったよ。
「穂に出づ」は、文字通り穂が出る意に加えて、「表に表れる」「人目につくようになる」意があり、ここでは「はっきり」「くっきり」くらいの意味ですね。第四句の「かり」は歌意の上では「雁」ですが、掛詞の「刈り」に通じて、「穂」の縁語ともなっています。