おなじ御時の内裏の仰せ言にて
元日
けふあけて きのふににぬは みなひとの こころにはるぞ たちぬべらなる
今日あけて 昨日に似ぬは みな人の 心に春ぞ 立ちぬべらなる
おなじ御代の帝の仰せで
元日
今日元日の朝があけて、あたりがまったく昨日と違って感じられるのは、人々の心にも春がやって来たためであろう。
「おなじ御時」は、第61代朱雀天皇の御代(930年~946年)のこと。年が明けると昨日と今日が違う、というのは現代でも感じる感覚ですね ^^
この歌は、玉葉和歌集の巻頭(巻第一「春上」 第1番)に採録されています。