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小道具と事故とワタシ

2021-10-23 06:00:00 | 映画

悲しい事件がありました。
映画の撮影中にPropGun(日本でいうステージガン)の発砲により
撮影監督が死亡、監督も重傷を負ったということなんですが
日本の報道

誤射って
日本のマスコミの”暴発”の扱いも困ったものですが
誤射ってのは、間違って撃つこと
たぶん、氏は間違ってはいない
そのまえに暴発
装填された銃を持って、操作を誤って発射された場合
日本の報道だと、”暴発”といいますが
これ、誤発射であって暴発ではないですな
暴発と言ったら機構的な欠陥で意図しない発砲が発生すること
だと思うんですが
まあいいか


Varietyの報道だと
小道具の銃を使用した事件で死亡しました。
とあります。
リンク先のサイトでは
Alec Baldwin Fired Prop Gun That Killed Cinematographer Halyna Hutchins, Injured Director.
Killedという言葉が使われていますが
英語ニュースを見ると 交通事故のばあいでも、
Killedという言葉が使われるので
殺意を持ったとか未必の故意によるものという意味はないでしょう。


BBCの報道
「「最近撮影した映画では、プラスチック製の銃でさえ、毎日サインアウトとサインインを繰り返さなければなりませんでした。「だから、今回の事件は非常に不可解なんだ」と語っています。」
そしてプロップに関する解説

弾頭が付いていない空砲を使う
とあります
これは正解だけど間違い
映画の小道具は紛失して犯罪に使われると
下手したら映画会社が訴えられるので
管理が厳しく
小道具自体も実包の発射はできないように改造されています
ショートリコイルのロッキングラグは削られて
銃口内部には空砲の圧力を高めるための
チョークがねじ込まれています。
Propの時点では実弾を撃つことができないようになっています。
有名なのはこれ

1990年の映画 バードオンワイヤーの”ポスターとビデオのパッケージ”
メル・ギブソンが持っている銃
当時最新式で これが見られるのか!と興奮しましたが
劇中には出てきません(笑)
がっかり
で当時、話題になったのは
この部分

もっと鮮明だと思ったんですが(笑)
分解用のラッチを兼ねているスライドリリース
この部分、溶接されていて、銃が分解できないようになってます
これによりプロップを”実銃”に再改造することが困難になっています
今回は西部劇ということで
こういったオートではないのですが
じゃあ、やっぱり、間違って実弾が・・・
と思いがちですが
リボルバーであっても発射炎を派手にしたり上の犯罪仕様への防止策として
やはりチョークが埋め込まれていて実弾は使えません。
以下ワタクシの想像ですが
状況としては
撮影監督が、正面からの射撃シーンを撮ろうとした。
監督も同席しますわな
銃口に何か異物が入っていて
それが空砲により発射されて、2人に当たった
ということではないかと
ポイントは2人に被害が出ているということで
西部劇ですから、ツーハンドのファンニングでない限り
シングルアクションで撃つ場合は、たいてい一発づつです
それが2人に被害を出したということは
弾頭が分離して2人に当たったと考えます。
ということは通常の弾頭ではなく
何かもっと飛翔中に分解してしまうような
柔らかい物質が詰まっていたのかと
まあ結果としてはなんでそんな異物が詰まっていたのか
ということになるんですが
こういった事故の例としては
ブルース・リー氏の一子、ブランドン氏の事故ですね
ワタシが聞いた話では、ねじ込まれたチョークが
空砲の圧力に耐えきれずに飛び出して、ブランドン氏に当たった
というものでしたが
しかし、どうしてこんなことが起きてしまうのか
なくなった撮影監督も気の毒ですが
アレック氏の心中やいかばかりかと

おまけ

日本のガンマニアはモデルガンを仕上げなおして
実銃に近い色を出すのに腐心しているというのに
アメリカ人ときたら(笑)


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