龍の尾亭<survivalではなくlive>版

いわきFCの応援、ソロキャンプ、それに読書、そしてコペンな日々をメモしています。

避難した人々が戻ってきている。

2011年04月07日 22時53分17秒 | 大震災の中で
避難した人々が、続々と戻ってきている。
思ったほど危険ではない、と冷静に判断したから、というのでは必ずしもないだろう。

さまざまな家財が残っていて、仕事があり、子どもの学校が始まるとなれば、多少の不安を抱えてはいても、人は被災地に戻ってこようとするものだ。
いや、たとえ家が流され、全てがもくずとなっていてさえ「帰りたい」と思うのが被災者の心情ではないか。

全てを失ってしまったからこそ、自分がそこに生きてきたその「場所」以外、考えられなくなる。
そういう気持ちを大事に支えてもらいたいと切実に思う。

いわき市に限らず、福島県内の退避区域以外の多くの場所では、計測されている放射線量の値が少しずつ下がってきている。
アメリカの助言を受け入れて、危険回避のために窒素充填が始まった、という話を聞くと、ああ、この前のような爆発の危険がまだまだなくなってはいないのだな、と経験から知ることができる。
けっして「安全になった」と判断して戻ってきた、のではない。
学校が始まる、ということも、戻ってくる大きな要因の一つだ。

しかし、原発事故の冷却が持続的に行える安定的見通しが立たないうちに戻ってくるのは、プラスとマイナスどちらが大きいのかにわかに断じがたい。


とにかく、そこより他に生きる場所が見つからないのだ。
誰だって、放射線量の多寡以前に、そんなものをわざわざ計測しなければならないところを選んで住みたいとは思わない。
だが、そこで生まれ、育ち、その土地を生活の基盤としてきた者にとっては、選択の余地は実質上ないと同様だ。

とくにお年寄りは土地を離れて生きたいとは考えない人が圧倒的に多い。
だれが、慣れ親しんだ時空間を放棄して見知らぬ土地に行きたいと思うだろう。

長期化する先行き不透明な事故処理の行方を見守るしかない福島県の住民の心的ストレスは、相当な負担になりつつある。

根本的解決は原発事故の最終的処理の完了を待たねばならないが、それにはどうしても時間がかかる。

この国の行方を左右する半年、1年になりそうだ。

再度爆発があったら、風向きによっては住めなくなるかもしれない。退避区域外側の福島県住民は、等しくその危惧を抱えながら、それでも学校が始まるから、避難所に居るよりは我が家、我が町にいたいから、と戻ってきつつあるのだ。

危険なところに敢えて戻る愚かさ、と見る人もいるだろうか。
安全なのに、ムダにびびる愚かさと断じる人さえいるかもしれない。
でもね。
危険か安全か、だけで私達の生活の時空間は成立しているわけではない。
生きられる身体と結びついた時空間は交換不可能だから、戻るのだ。


頼むよ、日本を背負う人々。そこのところを踏まえて、よろしく!

4/6(水)のこと<夜閉まる商店とがら空きの陳列棚は、まるで外国のお店のようだ>

2011年04月07日 12時59分18秒 | 大震災の中で
物流が復活してきた。

スーパーマーケットにいけば、豆腐も納豆も牛乳も卵もあるし、野菜も果物もワゴンいっぱいにあふれている。肉も鶏・豚・牛と揃い、お魚だって、冷凍物や干物はでている。ティッシュの箱も、オムツもお目見えしだした。

ただし、保存できる缶詰めや乾麺、カップ麺、パスタなどの棚はまだがら空きだ。

お菓子の種類も少ないし、春物の衣料品などは望めない。

そうはいっても、生活必需品は一通り棚に戻ってきたのだから、それはありがたいことである。

ここからは欲を言えば、の話になる。
まだ多数の避難所住まいの方にはお叱りを受けるかもしれないが、雑誌類が全く入ってこないのだ。

新聞・テレビ、それにインターネットを加えればそれなりに速報性の高い情報は手に入る。

が、そこから漏れたものや、現状分析を深めたもの、は週刊誌や臨時増刊、ムックが頼りになる。そこが入ってこないのが痛い。

確かに週刊誌は流言飛語に近いものを面白おかしく取り上げたりもする。芸能人ネタとか政治スキャンダルなど、私にとってはどーでもいいことも普段は多い。
しかし、今みたいに東電や保安院、政府の公式会見だけでは見えないことを、素早く、しかし立ち止まって分析してくれるのは週刊誌が優れているだろう。

もう3/11から一ヶ月が経つとすれば、月刊誌や臨時増刊なども手にとって現状分析をしたい時期になってきた。
つまりは事態が長期戦の様相を呈してきた以上、掘り下げた記事や周辺のことまで考えた話が必要になる。

しかし、それらがコンビニと書店にほとんど入荷しないのです。

ようやく福島県も、一部を除いてアマゾン配送の再開連絡メールが入ってきたから、何日か遅れで取り寄せることはできるようになってはきました。
そういう意味では複数の手立てがあるというのは大事だねえ。

それにしても、本屋さんに雑誌がこないのは、結構ショックでした。
また今日も帰りに覗いてみます。

あ、それから、コンビニも早じまいが続いています。品物の種類が揃わないのですね。
多品種少量売れスジ販売の最前線であるコンビニは、その品揃えのバランスが一旦崩れると、棚はなかなか一杯には戻らないのだろうか。
ちかくのセブンイレブンとミニストップは、夜早めに店を閉じている。
近くではファミマのみ営業。
ただしこれも棚は1/3程度しか埋まっていない。
菓子パンコーナーだけは深夜でもびっしり埋まっていて、普段は甘いパンなあまり食べないのに、ちょっと嬉しくなってドーナツとか買っちゃいました(笑)

棚がスカスカだったり、照明が暗かったり、夜はコンビニ的お店がしまっていたり、考えてみたら海外旅行などしてみると、ほとんど当たり前だったりもする。

日本のようにお店が明るくて、棚がビッシリ商品で埋まっていて、こんなにも多品種のオシャレなモノで溢れているジャパニーズスタンダードは、かならずしもグローバルスタンダードではなかったなあ、と、ぼんやりエジプトの市場やマレーシア、スベインの街並みなどをぼんやり思い出しながら、灯りの少なくなった夜の街を車で走っていました。