『8年の歳月をかけて世界各国の公文書館や関係者に取材を重ね完成した人は戦争を裁けるのか?ドラマ 東京裁判』が4日連続で放送されました。筆者も観ましたが、番組が意図することろと違う観点が気になりました。米国が出してくれた巨額の復興資金です。もし、戦後復興で日本に下記のガリオア・エロア資金なかりせば 、今の日本の姿は存在しなかった。アメリカのポチと蔑まれても日本には選択の余地がなかった。日本にしろ、中国にしろ米国はいったん持ち上げて、投資資金を大量に抜くなどして引きずりおろす。買って儲け、売って儲ける。結局、大局の世界ルールは米国が勝つように仕組まれているのです。個人はその隙間を掻い潜るしかない。
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第二次世界大戦直後の日本は、まさに灰燼の中にあった。その混乱と疲弊から立ち直り、経済大国への道を歩む上で、アメリカからの資金援助である「ガリオア・エロア資金」(注)の果たした役割は計り知れないものがあった。
1946年から51年にかけて、約6年間にわたり日本が受けたガリオア・エロア援助の総額は、約18億ドルであり、そのうちの13億ドルは無償援助(贈与)であった。現在の価値に換算すれば、約12兆円(無償は9.5兆円)となる膨大な 援助であった。この援助がなければ日本の復興は考えられなかったのである。
日本が現在、1年間に1兆5000億円のODAで世界の約160カ国を支援していることと比較すると、アメリカが日本1国に対し援助した今の価値で12兆円(1年では2兆円)がいかに多額な援助であったかが理解できよう。
日本はこのような援助を受けながら成長を遂げて、援助される立場を卒業し、そして援助する側になり、アメリカを凌ぐ世界一の援助国になったことは、世界的にみても極めてユニークなケースなのである。
そして早くも1954年には、コロンボ・プランに加盟し、援助する側の一員として南アジアや東南アジアの国々への支援を開始することになったのである。
(注)ガリオア資金:第二次世界大戦後の米政府による占領地救済政府基金(GARIOA:Government Appropriation for Relief in Occupied Area Fund)
エロア資金:占領地経済復興基金(EROA:Economic Rehabilitation in Occupied Areas)
なお、ガリオア資金は米国軍事予算の一部を使って、旧敵国を支援するために設立されたものである。