中国で富の偏在を示す「ジニ係数」が0・73(北京大学の独自調査)産経新聞に拠れば、「中国の国内個人資産の3分の1を上位1%の富裕家庭がにぎる」という「極端な富の偏在が進行している」(同紙、12月25日)。国家統計局の公式の数字ですら0・462である。通常、0・4を超えると、社会が擾乱状態に陥るとされ、0・5をこえると内乱になるケースがある。そのような社会主義国家にはあるまじき、富の偏在が進む中、社会構造の激変に備える1%を占める富裕層(中国共産党幹部?)の外貨持ち出しが急増しているようです。これを防ぐ為、中国政府も多様な規制をかけてきたが、ついに海外企業買収の上限枠設定、外貨持ち出しの両替制限から、ATMの利用制限、ついには銀聯カードの新規発行停止を決定した。それでも巧妙な手口でせっせと外貨は米国などの海外へ持ち出されているようです。 ひとつは地下銀行、もう一つはペーパー化させた有価証券の持ち出し、不正が少ない日本経済では考えられないマフィア映画の世界である。このような法令無視の行いはやがて世界経済に甚大な影響をもたらすはずです。
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中国の外貨準備はなお世界最大規模を誇るが、資本流出に伴い急スピードで減少しており、中国政府は遠くない将来に人民元の切り下げ、あるいは資本統制への逆戻りを強いられるとの見方が一部で浮上している。
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中国の外貨準備は2016年1月に995億ドル減って3兆2300億ドルとなった。2014年半ばに比べると7620億ドル減と、スイスの国内総生産(GDP)を上回る規模で減っている。
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中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は先週、「財新」のインタビューで資本流出について、ドル高を背景とした国内企業によるドル建債務の返済と対外投資による部分が大きいと指摘。債務返済は間もなく底を打つし、対外投資は歓迎すべき動きだと擁護してみせた。
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大半のエコノミストは、中国の外貨準備にはまだ大きな余裕があるとの見方に同意しているが、一部には数年後と言わず数カ月後にはブレーキを踏む必要が出てくるとの見方もある。
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外貨準備の減少ペースが加速したのは、人民銀行が海外の投機売りや国内の資本逃避に対処し、人民元買い介入を行ったためだ。
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外貨準備はなお巨額だが、中国ほどの規模の経済だと、輸入や対外債務の返済に多額の準備が必要になる。その上、外貨準備の内訳が流動性の低い資産であれば、その要請にすぐには答えられない。
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中国の外貨準備の構成は国家機密だが、複数の当局者は、ドル以外の通貨の価値がドル建てで減少していることも、準備高減少の一因だと話している。
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ソシエテ・ジェネラルは、国際通貨基金(IMF)の指針では中国にとって安全といえる外貨準備の最少額は2兆8000億ドルで、現在のペースで減少を続ければ間もなく到達するとみる。
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中国人民銀行(中央銀行)は12月7日、11月末の外貨準備高が前月比691億ドル減の3兆515億ドル(約348兆円)になったと発表した。
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5カ月連続の減少で、2011年3月以来5年8カ月ぶりの低い水準に落ち込んだ。
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人民元相場を支えるため、人民銀が外貨準備を取り崩してドル売り・元買いの市場介入を続けていることが要因。米国の利上げをにらんで中国からは資本が流出しており、元安圧力が根強い。
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当局は流出を食い止めるため、国外への資金持ち出しに関する制限を強化していると伝えられる。資金移動を徐々に自由化するとの基本方針に逆行する動きで、関係者の間で懸念が出ている。
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12月9日、中国国家外為管理局(SAFE)は、外国企業の利益の「通常の」海外送金は制限しないとの方針を示した。人民元が対ドルで8年超ぶりの水準に下落する中、資本フロー規制を強化するのではないかとの懸念が広がっている。SAFEは声明のなかで、認可要件を満たす配当など、正当かつ合法的な国際決済・送金については、制限するつもりはないと確認した。
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外国企業の利益送金は制限しなくても、撤退企業の清算金は持ち出させないという規制は緩和されていない。投資流入と撤退・清算金流出のバランスが流出超になるなら、新たな規制が敷かれるだろう。
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現状の流れの中、危険水域は8か月先には2兆8000億ドル割れになる。習政権、対策は持ち合わせているのだろうか。