『 マネーショート』という映画、専門用語が飛び交い、正しく理解するのに金融知識が必要ですが、かなり面白いですね。2008年リーマンショックの経済危機の火種となったアメリカの住宅市場と債券市場の双子のバブルは、皆が同時に同じ方向を向き、その道こそが正しい道だと信じて疑わなかったことで生じたものだ。日本のバブルも似たようなものだった。日本人が得意な皆が同じ方向を向く、そしてその先に何か良くないものが待っている。ところで、イタリアレンツィ首相が憲法改正賛否を問う国民投票で敗北し、辞任を表明しました。イタリア金融不安が来年にかけ、再度勃発するのか?映画でウォール街を出し抜き壮大な大儲けを仕掛けたドイツ銀行が、ユーロ圏内のイタリア金融危機で今度は未曽有の窮地に陥っているのが世界金融市場の複雑さを象徴しています。
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リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたちの実話を、クリスチャン・ベイルやブラッド・ピットといった豪華キャストで描く社会派ドラマ。サブプライムローンのリスクを察知した個性的な金融トレーダーらが、ウォール街を出し抜こうと図るさまを映し出す。クリスチャンとブラッドに加え、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリングも出演。『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』などのアダム・マッケイがメガホンを取る。痛快なストーリーと、ハリウッドを代表する4人の男優の競演が見どころ。
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「サブプライムローン(Subprime Loan)」
本来の意味は「プライム(優良)よりは劣るローン」。信用力(返済能力)の低い低所得層でも住宅を買えるように設計され、住宅市場の急拡大に併せてバンバン実行された住宅ローン。単に「サブプライム」と呼ばれることもある。住宅価格の下落により返済不能に陥る借り手が続出し、未曽有の経済危機の火種となった。
「MBS(Mortgage Backed Securities, モーゲージ担保証券)」
複数のモーゲージを集め、証券化によって作られる債券。住宅ローンの回収金から、ローンの貸倒れ損失、事務費用等を差し引いた後、MBS投資家への元利金の分配が行われる。
「CDO(Collateralized Debt Obligation, 債務担保証券)」
普通に日本語に訳すと「債務担保証券」となるが、実際には、将来受け取る予定の金融商品(MBS等)の元利金等をもとに、証券化によって作られる「債券型の金融商品」。
「CDS(Credit Default Swap, クレジット・デフォルト・スワップ)」
債券等の金融商品の発行体(企業や国など)や担保資産の状況が悪化する等、事前に決められた理由で損失が発生する場合に、CDSの売り手がCDSの買い手に対し、その損失に見合う金額を支払うことを約束する取引。デリバティブ取引の一種。