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政策金利5%の英国、根強いインフレで住宅ローン危機、軟着陸の夢遠ざかる

2023-06-24 06:36:04 | 日記
英国では住宅ローン金利の上昇で多くの借り手が厳しい状況に追い込まれており、個人消費や景気を圧迫する恐れがある。
  イングランド銀行(英中央銀行)がリセッション(景気後退)を招くことなくインフレを退治するという経済ソフトランディング(軟着陸)の夢はますます遠ざかりつつある。インフレ鈍化のペースは鈍く、英中銀は22日、大方の予想を上回る0.5ポイントの利上げを行い、政策金利を5%とした。
市場では、インフレ抑制にはおよそ20年ぶりのピーク金利6.25%水準まで英中銀が金利を引き上げるしかないとの見方が広がる。
英国ではエネルギー価格の下落で一時的に楽観ムードも浮上したが、すぐに政治・経済的に大きな痛みを伴う生活費高騰の危機に引き戻された。生活費高騰で所得は目減り。個人消費の抑制を通じて景気への逆風となっており、英経済の今年の成長率予想は0.2%にとどまる。主要先進国で英国を下回るのはドイツだけとなる見通しだ。 
英中銀の利上げによる住宅ローン市場への影響は多大だ。昨年3月以降、2年物固定金利の平均は3倍の6%に上昇。借り換えを迎える住宅所有者への打撃は大きい。
  英財政研究所(IFS)は、現在の金利水準で毎月の住宅ローン返済額が平均280ポンド(約5万1000円)増加すると分析している。これはロシアのウクライナ侵攻後に見られた光熱費の平均上昇分の2倍余りだ。金融機関の業界団体UKファイナンスによると、向こう1年半に240万世帯が固定金利の住宅ローン契約が期限を迎え、返済額急増のリスクに直面する。このうち80万世帯は借り換えが向こう半年に迫っている。
  英中銀総裁を務めたマーク・カーニー氏はブルームバーグとのインタビューで「英国の家計にとっては厳しい状況だ」と指摘。「エネルギーショックに食品価格の高騰に加え、住宅ローンの借り手なら金利上昇にも見舞われている。これは異例の重圧だ」と述べた。
住宅の保有者だけではなく賃借人も苦しんでいる。家主は住宅ローン返済額の増加分を転嫁しており、家賃は平均で5%上昇。1年前の3%未満からペースが加速している。
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