きのこ名人が舞茸が小さいので残してある木があるから取りに行こうと誘われたが午前中は娘の通院の手伝いが有って行けないから11時頃になれば行けそうだと言った。
スタッフがどうしても行きたいのと聞いたらどうしても行きたいとオウム返しの返事が来たと言った。
誰もいけない林道を通行許可をもらってあった。
俺が行くと舞茸が採れないよこの前みたいにといった。
本当にそうなった。
小さな株が3っつ。
後はコガネタケやムキタケ、ナラタケの残りやハタケシメジ。
昔は夢中のブナ林、もう行くことはないと諦めてたがその地に立つとブナ林を通り抜ける風さえ愛おしい。
乾いたブナの落ち葉の上を歩いた。
カサカサという音は自分ひとりの足音。
秋の山の、ブナ林の、植物が冬に備えてるときの匂いが満ちてる。
ぶなの実も山鳩や他の動物達にほとんど食べられてた。
いつもながらツキヨタケだけが豊作だ。
渓流を超えるとまた別のきのこの世界。
ズボンを脱いで素足で渡った。
久しぶりの冷たさ、心臓発作は起きなかった。
案外歩けて懐中電灯を使うことにはならなかった。
帰ってきてラーメンと妻の煮物、久しぶりに高千代の燗を飲んだ。
まろやかさとコクとこの酒を超えるのはないと思った。
夏を超えて一段と良さが目立つ。
一番安い酒だ。
高いのは旨いに決まってる。
これは旨いじゃなくていい酒だ。
火曜日にごちそうおにぎりがNHKに出た。
公共放送は店名を言わない、でも天然鮎とイノシシのおにぎりのことも言ってくれた。
青い竹の器にミゾソバの花を添えてやったのが写ってた。
大満足と言っておこう。
今日は一個も出なかった。