7-8年前の今日から明日にかけて数百年に一度の洪水と言われた状況になった。
三階建ての建物の半分以上は濁流につかり営業施設は全滅した。
火災が主流の保険しかなかったので踏んだり蹴ったり状態。
あと少しで借り入れの返済半分になると思ってた矢先の出来事。
線状降雨帯が居座ってた。
もう駄目だと思った。
人はこんな時死を受け入れるのだろうなと思った。
でも家族や従業員や今まで応援してくれた人たち、金を貸してくれた人たちにすまないと思った。
死んだ友人が命まで取りをしないよとこぶしを握り締めて独り言をいう場面に出くわしたことがある。
俺も今まさにそうか。
そうだ死ぬまで生きようと思った。
命まで取りはしないよ。
汚れなかった一番いい服と靴を履いて第四銀行に支援をお願いに行った。
汚れた靴だと足元を見られるとやばいと思ったから。
それほどひっ迫して、手足がなくなっただるまみたいと思った。
直ぐ見舞いと全面支援の知らせが届いた。
朝から晩までネバーギブアップネバーギブアップとつぶやいてた。
そうだ、ねばねばギブアップ丼を作ろう。
新潟日報の宣伝にも入れたが10食も出なかった。
今日はそうめんにしてキムチをのせた。
ビールの後は高千代の一番安い酒の常温で晩酌。
40年以上飲んでるがこれが一番好き。
ほかのメーカー酒もみんないいが、高千代さんに失礼かもしれないが昔からの味と綺麗すぎない味が好き。
喉や舌を通るとき悲しみや喜びを思い出させるスパイス、苦しさを忘れさせたり嬉しさを倍増してくれる酔い加減。
うますぎず綺麗すぎず、本来の通の酒だ。
おれはスリーかも知れないが。
佐渡に近いほど青空が多く雲が切れて浮かんでた。
宴会がないので素晴らしい刺身は少なめ。
カキフライと小鮎の天ぷらなどを食べてもらった。
妹夫婦に改めて小さな自信のない声で礼を述べた。
あなたたちのおかげで苦難を乗り越えることができましたと。
だけどまた新しい苦難に突入。
ネバーネバーギブアップは続くようだ。
妹はこの前テレビで90歳のおばーちゃんが笹餅を作って売ってたからすごいと思ったと言った。
自転車に乗って飯笹を採って作るのだよと。
もう20年、続けられるだろうか、でもやるよネバーネバーギブアップを。