「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

変化するBPDの症状 (1)

2011年10月03日 19時29分49秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 BPDの症状は 5つの調整不全に分類されます。

 感情, 人間関係, 認知, アイデンティティ, 行動の調整不全です。

 感情的なこと自体は 悪いことではありません。

 問題なのは、 自分の感情に対処するため、

 薬物を使ったり 自分を傷つけたりすることです。

 感情的な気質がある場合、 それは症状というより

 パーソナリティの一部と考えられるので、 大きく変化することはないでしょう。

 それに対して、 自殺企図, 薬物, 自傷などの行動は 変化していきます。

 これらの行動は性格ではなく、 一時的な問題対処に過ぎないからです。

 ザナリニらの調査では、 80%の人が 行動上の問題を持っていましたが、

 6年後には20%になったそうです。

 薬物使用も 50%から25%に減りました。

 一方、 感情的な症状は6年経っても それほど変化しませんでした。

 感情は苦痛になることもありますが、 人生を狂わせるとは限りません。

 感情的な問題が変わらないからといって、

 自分自身や治療が悪いのだと 考えないでください。

 衝動的な感情を抑制したり、 人間関係を上手に維持できるようなれば、

 全てにおいて もっと良い気分でいられるようになると考えられます。

 人間は生きている限り、 誰しもが 否定的な感情を持つものです。

 生まれつき 人より感情が激しい人もいます。

 従って、 特定のことを感じないようにしたり、

 感情を避けることに エネルギーを費やすより、

 自分の感情や問題に いかに対処するかを学ぶほうが、 より得るものがあるのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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