「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自殺行動と自傷行動とは? (1)

2011年10月10日 19時09分27秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 自殺行動と自傷行動は、

 BPDの人に ごく一般的であると同時に、 最も深刻な問題でもあります。

 これらに関する いくつかの言葉を説明します。

1. 自殺企図

 意図的に自分を傷つけ、 死に至らしめる行動です。

 死を目的とする 明白な意志があります。

 しかし 死ぬ意図が あったかどうかの問題は 簡単ではありません。

 気分をよくするために (死ぬつもりはなく)  リストカットをした人が、

 「自殺企図者」 として扱われ、 入院させられてしまうことがあります。

 けれども 死ぬつもりがない人に 入院は役に立ちません。

 逆に 本当に死にたいと思っている人が  「自傷者」 と呼ばれて、

 真剣に受け止めてもらえない 場合もあります。

 必死で 病院に援助を求めている人を 退院させて、

 本当に自殺してしまう例もあります。

 自殺するために傷つけることと、 気分を紛らわせるための自傷は 全く別のことです。

 死ぬつもりが あったのかどうかを知るのは、 とても重要です。

2. 既遂自殺

 実際に自分を 殺す行為のことです。

 多くの場合、 自殺企図は 死に至ることはありません。

3. 意図的な自傷

 死ぬつもりがなくて 自分を傷つけることは、 自殺行動ではありません。

 故意にとる行動なので、  「意図的な自傷」 という 言葉が適していると思います。

4. 両面性のある自殺企図

 自分を傷つけても、

 死にたいとまで考えているかどうか 定かでないこともあるでしょう。

 死にたいと死にたくないの 両方の方向へ、

 押したり引いたりしている状態を  「両面性」 と言います。

 自分を傷つけるとき 死に対する両面性があったら、

 それを  「両面性のある自殺企図」 と呼びます。

5. 自殺念慮

 故意に死にたいと 考えることであり、 自殺についても考えています。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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