「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDと併存する精神障害 (5)

2011年10月09日 19時15分33秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

(3) パニック障害

 パニック障害は、 突発的で 繰り返し起こるパニック発作で、

 不安と死や、自制心を失うような 激しい恐怖が伴います。

 人間の体は 危険に直面すると (現実でも想像上でも)、

 闘うか逃げるか すばやく準備します。

 「闘争あるいは逃走」 反応と呼ばれ、 基本的には 生存のための仕組みです。

 鼓動が早くなる、 汗をかく、 視野狭窄 (ひとつのことに集中する),

 筋肉の硬直, 速い呼吸などです。

 しかしこの反応は 時々故障します。

 ストレスがあったり 調子が悪いと、

 危険な兆候が起きてないのに  「闘争あるいは逃走」 反応をしてしまいます。

 この 「パニック発作」 は ショッキングなもので、

 心臓発作に襲われた, 気が違ってしまった,

 気絶しそうだという 気になったりします。

 でも実際は、 ストレスがたまって、 不安を恐れているということなのです。

 これが度重なると、 不安でもない些細なことで、

 恐怖や覚醒の 連鎖反応を起こしてしまいます。

 パニック発作は予測不可能で、 非常に恐いので、

 発作に結びつく状況から 逃れようとする人もいます。

 外出を避けることもあり、 家の外に 一歩も出ない人もいます (広場恐怖症)。

 BPDの人も 感情コントロールが不能で、

 予測不可能だと感じているかもしれません。

 それがきっかけで  ストレスがたまり、日常的なストレスの 解消が難しくなります。

 その結果 「闘争あるいは逃走」 反応が故障し、

 パニック発作が起きることもあるでしょう。

 発作が一度起きると、 次の発作への 心配や恐怖を感じ、

 回避行動をする可能性が高まります。

 最初は 回避も効果があるかもしれませんが、

 最終的には長引いて 悪い結果をもたらしてしまうのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 
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