「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

なぜ 自傷や自殺企図をするのか (1)

2011年10月13日 20時38分53秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
1. 精神的苦痛の軽減、 または回避

 自傷をする 一番共通の理由は、 精神的苦痛からの 逃避または回避です。

 特に BPDの人に当てはまります。

 BPDの女性の大半が、

 感情を抑えるために 意図的な自傷や自殺企図を 起こしています。

 BPDの人は 耐えられない 激しい感情に襲われ、

 どうしようもなく苦悩しています。

 感情を抑える方法を 学んでおらず、

 何でもよいから 少しでも解消できる方法を 求めるでしょう。

 人によっては 意図的な自傷が解消法になります。

 BPDの人は 一般の人よりも、 自傷による解放感が 強いという調査もあります。

 過去に自傷を行なっている人が、

 自傷を想像するだけで 感情の高まりが低下するというのです。

 自傷による 短期間の利点よりも、 悪影響のほうが 遥かに大きいのですが、

 解放感が さらに自傷を促し、 自傷に頼ってしまいます。

 自殺企図は何故、 精神的苦痛から助けてくれるのでしょう。

 人は 苛立ちを鎮めることに執着するあまり、 他のことが手に付かず、

 あげくに気力が低下し、 最後には諦めてしまいます。

 将来に絶望を感じたら、

 苦痛を抑える 最後の手段として 自殺を考えてしまうでしょう。

2. 感覚を呼び覚ますこと

 BPDの中には、 空虚感や無感覚に 苦しんでいる人もいます。

 周りの環境を遮断したり 解離する人もいます。

 何かを感じたいという理由で、 意図的な自傷や自殺企図を する人もいるのです。

 虚無よりは痛みのほうがましだ ということです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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