「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

BPDと併存する精神障害 (3)

2011年10月07日 19時22分13秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

3. うつ病

 うつ病は BPDの人に 最もよく見られる 障害のひとつで、

 41~87%が うつ病に苦しんでいるという 研究もあります。

 BPDの人は 否定的な感情を 激しく経験して、

 対処するすべがないと 思ってしまいます。

 人との諍いや 激しい人間関係が 果てしなく続くので、

 すっかり孤立し、 寂しい思いをするでしょう。

 BPDに付随する問題は、 うつ病に繋がりうる 充分な理由になるでしょう。

 うつ病がBPDの副作用ならば、 BPDから回復すれば うつ病も緩和されます。


4. 双極性障害 (躁うつ病)

 BPDの人の約10%が 双極性障害を抱えています。

 双極性障害には 幾つかのタイプがあり、

 感情の大きな変動が 長く続くタイプ

 (例えば、うつや躁の状態が 2週間かそれ以上続く) や、

 気分がもっと早く 切り替わるタイプもあります。

 BPDの気分変動と似ているので、 BPDと誤診されやすいのです。

 けれども両者には 決定的な違いがあります。

 双極性障害は数日間 気分が高まったあとに、 うつへと急降下します。

 でもBPDの人は ほんの数分、 もしくは数時間足らずで

 気持ちが次から次へと 切り替わっていきます。

 また、 双極性障害と診断したがる医者もいます。

 患者への偏見が 小さくなると思っているのです。

 しかし 診断が間違っていれば、

 患者は何に苦しんでいるのか 分からなくなりますし、

 治療方針も適切でなくなってしまいます。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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