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3. うつ病
うつ病は BPDの人に 最もよく見られる 障害のひとつで、
41~87%が うつ病に苦しんでいるという 研究もあります。
BPDの人は 否定的な感情を 激しく経験して、
対処するすべがないと 思ってしまいます。
人との諍いや 激しい人間関係が 果てしなく続くので、
すっかり孤立し、 寂しい思いをするでしょう。
BPDに付随する問題は、 うつ病に繋がりうる 充分な理由になるでしょう。
うつ病がBPDの副作用ならば、 BPDから回復すれば うつ病も緩和されます。
4. 双極性障害 (躁うつ病)
BPDの人の約10%が 双極性障害を抱えています。
双極性障害には 幾つかのタイプがあり、
感情の大きな変動が 長く続くタイプ
(例えば、うつや躁の状態が 2週間かそれ以上続く) や、
気分がもっと早く 切り替わるタイプもあります。
BPDの気分変動と似ているので、 BPDと誤診されやすいのです。
けれども両者には 決定的な違いがあります。
双極性障害は数日間 気分が高まったあとに、 うつへと急降下します。
でもBPDの人は ほんの数分、 もしくは数時間足らずで
気持ちが次から次へと 切り替わっていきます。
また、 双極性障害と診断したがる医者もいます。
患者への偏見が 小さくなると思っているのです。
しかし 診断が間違っていれば、
患者は何に苦しんでいるのか 分からなくなりますし、
治療方針も適切でなくなってしまいます。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
(次の記事に続く)