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5. 不安障害
BPDによく見られる 不安障害は、
社会不安障害, PTSD, パニック障害です。
BPDの人が 併発する割合は、 順に、
4分の1~2分の1, 約2分の1, 3分の2です。
(1) 社会不安障害
社会的場面で 否定的に評価されることを 激しく恐れるのが、 社会不安障害です。
BPDはストレスが多く、 困難で虐待的な 対人関係を受け、
周りの人に対して 不安を抱き、 考えや感情の表現を 躊躇することがあります。
その結果、 人間関係に 全く自信が持てなくなります。
幼少期に非承認的環境を 経験していることもあり、
自分を主張したり、 人を信頼することもできなくなり、
社会的な場面にいる不安は 増していくばかりでしょう。
(2) PTSD
幼少期に 虐待を受けた人は、
BPDかPTSD、 または 両方になる可能性があります。
BPDの人が トラウマを経験すると、 回避など 不健康な対応をしてしまうため、
PTSDになる可能性は 高いと思われます。
レイプや悲惨な事故などに遭うと、 その後遺症と闘うのに苦労し、
物質使用や不適切な行動によって 苦痛を和らげようとします。
しかし苦痛の回避は 一時的な効果しかなく、
後遺症は長引いて PTSDに繋がり、 悪化させてしまうのです。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
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