「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自分の感情を受け入れる (1) -- 感情への対処法 (1)

2011年10月17日 21時29分42秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
 今回から、 境界性パーソナリティ障害のために できることを連載していきます。

 治療法や対処の仕方です。

 最初に、 感情への対処法を書いてみます。

 辛いときを切り抜けるために 役立つ方法です。

 BPDの人は 感情的な性格が問題なのではありません。

 感情への対処法に 問題があるです。

 例えば、 自傷行為は少しの間は 気が紛れるかもしれませんが、

 自尊心を傷つけ、 傷の跡を残し、 自傷行為が慢性的な対処法になってしまいます。


 回避行動も、 常に感情を避けていると もっと具合が悪くなります。

 そして、 感情を引き起こしている問題の 解決を停止させてしまいます。
 

1. 自分の感情を 受け入れる練習

 感情を扱う方法で、 最も単純で、 しかし最も難しいのは、

 感じていることを受け入れる練習をし、 辛い状況を受け入れることです。

 練習とは、 常に努力し続けることで、

 一度受け入れても それを繰り返さないといけません。

 受け入れるとは、 感情や困難な状況を あるがまましておくということです。

 感情を変えようと必死になったり、 感情から逃げ出そうとしたり、

 感情を抑圧しようとするのを やめる過程のことです。

 感情を通り過ごさせてみるのです。

 感情に対して 特別な反応をする 必要はありません。

 感情をなくそうとしたり、 逃げようとすると、

 さらに苦しむような 問題を引き起こす原因になります。

 感情に相対してもがくのは、 巨大な怪獣と 綱引きをするようなものです。

 受け入れるとは、 綱引きの綱を放し、 怪獣が怪獣であると 認めることです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕

(次の記事に続く)
 
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