「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

変化するBPDの症状 (2)

2011年10月04日 20時25分16秒 | 「BPDサバイバル・ガイド」より
 
(前の記事からの続き)

 認知や対人関係の 問題の変化は、 行動面の変化と 感情面の変化の中間です。

 かなり早く 変化するものもあれば、

 長引いて パーソナリティの一部になっているものもあります。

 認知面の症状で 最も変化したのは、 被害妄想観念でした。

 しかし、 「私はひどい人間だ」 とか  「誰にも好かれない」 といった、

 自分や世界に対する 否定的な認知や、 解離症状は多くが変わりませんでした。

 対人関係の症状で 最も早く変化したのは、 衝動的な行動です。

 人との深刻な諍い, 不安定で激しい人間関係,

 人に極端な依存をする 傾向なども含まれます。

 これらの症状は 生活の中で 多くの問題を起こしますが、

 それが早く変化するのは 望ましいことです。

 一方、 見捨てられる恐れや、 孤独に耐えられないといった 感情的なものは、

 長引いてしまう傾向があります。
 

 これらの症状は、 全て互いに繋がっていて 相互関係にあります。

 例えば、 大切な人の 自傷行為や自殺行動を見れば、

 動揺して怒鳴ったり、 しまいには離れたくなってしまうでしょう。

 従って、 自分を傷つけない 対処法を学めば、 対人関係はもっと良くなるはずです。

 対人関係の質が BPDの症状や経過に 大きな影響を与えると、

 考える研究者もいます。

 安定した 協力的な対人関係を築けば、 より早く 快方へ向かうということです。

 BPDの人は だんだん対人関係から 離脱したくなる傾向がありますが、

 人間は社会的な生き物であり、

 周りからのサポートや 社会との接触で 成長していくものです。

 対人関係を避けるのではなく、

 健全な対人関係を築いていくことが、 回復に最も役立つのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害  サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕
 
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