(前の記事からの続き)
3. 人を操作する
誰かのことを 「操作的」 と言うと、
その人に対して 同情したり共感したりできなくなります。
その人の苦悩に 関心が持てなくなり、
操られることに対して 自分を守ろうとするでしょう。
また 「操作的」 と言うと、
その人の行動の理由が 分かっているような言い方です。
人の気を引こうと、 わざと自分を 傷つけていることになってしまいます。
けれども何故 このような行動を取るのか、
自分でも全く気付かないことが よくあります。
例えばある女性が 自傷をするのは、 気分を良くするからだとします。
結果的に 周りの人が 彼女に注目してくれて、
彼女の気分が よくなっているのだとすればどうでしょう。
彼女は 気分がよくなる理由を 知っているわけではありませんし、
操作をしているわけでもありません。
彼女は次に困ったとき、 また同じ行動をするでしょう。
行動療法では、 その行動に利点があれば 同じ行動に没頭すると言われます。
これを 「正の強化」 と言います。
また、 「操作的」 という レッテルを貼ると、
問題はその人の中にある ということなります。
しかし 自傷行為によって 周りの人がその人に注目し、
結果的に 本人の行動を促していることになるのです。
( 「イネイブリング」
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/61844059.html )
自傷をしたとき、 周りの人は 気にかけないようにしないといけません。
そうすれば 苦しくて助けてほしいとき、
他の方法で 気付いてもらうようにするでしょう。
自傷行為の一番の理由は、
精神的苦痛から逃れるためだ ということを知っておいてください。
〔 「境界性パーソナリティ障害 サバイバル・ガイド」 (星和書店) より 〕