まだまだ報道が続いている。
NOVA負債膨らむ恐れ 前払い受講料700億円か
会計士協、NOVAの監査を調査へ
NOVA、6月末時点で債務超過か・解約払戻金、不適切処理の疑い
猿橋氏の退任望む NOVA改革委
“NOVA商法”に苦言 関西経済同友会
☆★☆★
支援企業「来週中に決断」-経営破たんのNOVA
NOVA株 前社長が報告せず
経産相「再建パートナーを探すのはNOVA側の努力」
NOVA破綻、アパート強制立ち退きの講師も
NOVA負債膨らむ恐れ 前払い受講料700億円か
会社更生法適用を申請した英会話学校大手NOVA(大阪市)の負債のうち、約400億円とされている前払い受講料が、700億円程度に膨らむ可能性があることが分かった。授業ができなくなったため、売上金として計算してきた前払いの一部を負債として計算し直す必要があるためだ。総負債額が大きく膨らむことになり、スポンサー企業探しにも影響しそうだ。
NOVAの保全管理人は26日の会見で「前払い受講料は400億円を超える」と明らかにしている。さらに詳しく調べた場合、前払い受講料は600億~700億円に増える可能性があるという。
前払い受講料が増えるのは、NOVAの会計処理方法に原因がある。
NOVAは、受講生が契約時に前払いした金額のうち、45%を売り上げとして計算。残りの55%を前払い受講料として帳簿上の負債に入れていた。受講生が予定通り授業を受ければ問題はないが、実際に授業を受けなかった場合、一度売り上げとした金額を負債として計算し直す必要がある。
NOVAは、会社更生法申請前から、中途解約の動きが広がっていた。さらに資金繰りの悪化で講師不足や教室閉鎖が相次いでいた。売り上げとして計算されていた金額の多くが負債になる可能性が高い。
今後、NOVAを支援するスポンサー企業が現れて受講生との契約が続けば、前払い分を生かして授業を続ける道が残る。ただ、その場合には、スポンサー企業は教室や講師などの運営資金を負担することになり「株主がいる以上、負債が増えれば支援はますます難しくなる」(金融機関)との見方が強い。
保全管理人は、猿橋望前社長が過去に交渉した企業のほか、楽天やヤフー、流通大手のイオンに交渉をよびかける方針を明らかにしている。「今後1カ月の短期決戦」としており、支援が得られなければ破産手続きに移行する可能性が高い。
会計士協、NOVAの監査を調査へ
日本公認会計士協会(増田宏一会長)は29日、NOVAに対する会計監査が適切だったのかどうか調査する方針を固めた。株主だけでなく約30万人の受講者が被害を受けるなど社会的影響が大きいと判断した。
監査は、1996年の店頭公開時からあずさ監査法人が受託していたが、あずさは2006年11月、業務量の増加を理由に辞任。代わりにアクティブ監査法人(大阪市中央区)が監査を引き受けた。あずさは昨年の中間決算の監査時期に突然辞任しており、NOVA側と何らかの意見対立があったもようだ。
NOVA、6月末時点で債務超過か・解約払戻金、不適切処理の疑い
会社更生法の適用を申請した英会話学校最大手のNOVAが、2007年6月末時点で債務超過に陥っていた疑いが強いことが29日分かった。同年4―6月期の業績開示で本来計上すべき解約払戻金を一部しか計上しなかった。同社はこの事実を監査法人に指摘され、財務担当役員も認識していたとみられる。
四半期業績開示は証券取引所のルールとして義務付けられたもので、法律上の正式な決算ではない。ただ、NOVAはこの4―6月期業績の開示後に2億株分の新株予約権の発行を決めており、業績開示に対する同社の姿勢が問われそうだ。
猿橋氏の退任望む NOVA改革委
英会話学校最大手NOVA(統括本部・大阪市)の経営改革委員会が、同社の経営破たん前に、当時社長だった猿橋望氏(56)の退任を求める方向で最終調整していたことが29日、明らかになった。猿橋氏は改革委に対して自己の正当性ばかり主張したため、改革委は「経営再建の障害になる」として退任やむなしの判断に向かったという。
NOVAの保全管理人は、猿橋氏ひとりの抵抗で会社更生法適用の申請が遅れ、再建がより困難になったと指摘しており、他に耳を貸さない独善ぶりが同社の経営難を深刻化させたことがより明白になった。
改革委の退任要請は結局、同社の先行きが不透明として出さないまま、猿橋氏は臨時取締役会で社長を解任され、NOVAは26日に更生法適用を申請した。
関係者によると、猿橋氏は、好きな時間に授業が予約できないことや授業料返還に関する受講生の苦情について「苦情の数は、生徒数全体と比べると微々たるもの」「予約はたまたま取れないこともあるだけ」と反論。
“NOVA商法”に苦言 関西経済同友会
経営破綻(はたん)した英会話学校大手のNOVAについて、関西経済同友会の小嶋淳司代表幹事は29日、「前払いで料金を受け取る事業形態ほど、厳しく経営内容をチェックしていく必要がある」と述べ、“NOVA商法”に苦言を呈した。
前払い制度は英会話学校やエステ産業などでみられるが、飲食店チェーンを経営する小嶋代表は「食べ終わった後や、利用のあった後に代金をもらうのが普通のやり方。前払いの場合は、まかりまちがっても運転資金など自分たちの都合のよいように使ってはいけない」と指摘した。
☆★☆★
支援企業「来週中に決断」-経営破たんのNOVA
会社更生法の適用を申請した英会話学校最大手NOVA(統括本部・大阪市)の保全管理人の東畠敏明弁護士らが30日、大阪市内で記者会見し、支援を名乗り出ている複数の企業と交渉を始めたことを明らかにした。遅くとも来週中に決断したいとしている。
保全管理人によると、29日は東京の1社、30日は大阪の2社と交渉。積極的に支援を名乗り出ている企業や、事業の一部を引き受ける意向を示している企業もあるという。
社長を解任された猿橋望氏(56)と関連企業によるNOVA株の保有比率が大幅に低下した経緯や、経営の実態にも言及。NOVAの社長室を公開する。
NOVA株 前社長が報告せず
会社更生法の適用を申請した英会話学校最大手「NOVA」の猿橋望前社長らが、自分たちが保有していたNOVAの発行済み株式の過半数を手放したのに法律で大株主に義務づけられた報告をしていなかったことがわかり、金融当局で事実関係を調べることにしています。
経産相「再建パートナーを探すのはNOVA側の努力」
甘利明経済産業相は30日の閣議後の記者会見で、会社更生法の適用を申請した英会話学校最大手NOVAについて「再建パートナーを探すのはNOVA側の努力だ」と述べ、省として支援企業選定の協力には消極的な姿勢を示した。選定に行き詰まった場合は「受講生がスムーズに他の語学学校で受け入れてもらえるように、(関連の)協会等に尽力を要請していく」と強調した。
NOVA破綻、アパート強制立ち退きの講師も
経営破たんした英会話大手、NOVAの外国人講師らが加入する労働組合「ゼネラルユニオン」(山原克二委員長)は29日、大阪市北区で講師らを対象に説明会を開いた。参加した約200人は「未払い給与はどうなるのか」「すぐに帰国するほうがいいのか、日本に残るほうがいいのか」と不安を訴えた。
スコットランド人講師のエアン・マクドゥーガルさん(32)は「ニュージーランド人の同僚1人がアパートを締め出され行方不明なんだ」と話した。大阪市阿倍野区の天王寺本校で共にに働いていた同僚は、3日前に家主が部屋のカギを付け替え、強制的に立ち退きさせられた。部屋の中の私物も持ち出せなかったという。アパートはNOVAが借り上げ、家賃は給与から天引きされるシステムだったが、給与不払いで家賃が滞納になっていたという。帰国する資金がない外国人講師も多く、帰国費用支援の質問も相次いだ。
英国人講師のロバート・スコットさん(24)は「8月に来日したばかりで、こんな事態になった。未払い賃金はどうなるのか知りたかった」。組合は今後、賃金の支払いなどに関する手続きを早く進めるよう求める上申書を大阪地裁に提出する。