猛烈な台風が九州の西を通過中。気象庁様HPの今後の雨を見ると大雨の地域は東海地方から西のほうに広がっている。九州のかたがたは猛烈な風にも注意されている。通過後も東海地方には大雨が降り続く予報。
玄米ごはん族では昨年の台風で作業場を壊された。さいわい行政を始め保険関係の農協のかたがたのご協力で新しく作業場を作ることができた。どうもありがとうございました。
十数年前、九州の五島列島へ旅行に行った。台風シーズン前だった。数日して母から電話で、父が血を吐いて救急車で入院した、胃に穴があいている、手術をするから同意しろ、と。母は一刻も早く手術をやってもらいたかった。それなのに、帰るまで手術は止めろ、絶対にダメだ、と答えた。早くしないと大変だ、と思ったが飛行機は強風で欠航、フェリーに乗って九州の港に着いてから大村空港から帰った。病院に行くのがずいぶん遅れた。
父は鼻と腕にチューブをつけて横になっていた。胃の出血は止まっていた。状況を聞いて、手術は必要なし、退院しろ、と言った。父母は目をむいて怒り出した。親戚中、手術をすぐにやって楽にしてやれ、だった。そう言われても横になって楽にしているように見えたがーーーーーーーー
勝手にやれ、帰る、と病室から出てしまった。やっと引き止めて、お医者様と打ち合わせをした。
胃にあいた穴をレーザーで焼いて固定する、というお話だった。出血が止まっているのだから、これから治るだけですよね、とお伺いすると、また出血の可能性があるので大惨事にならないうちに処理したほうが良い、とのことだった。もし、失敗したときはどうなるのですか、とお伺いすると、腹を切って胃を切る、と。その時、胃を取った人のことを思い出した。イスに座っているだけでもつらそうだった。管をつけている父のほうが元気に思えた。怒るだけでも元気な証拠。手術をすれば生気がなくなるーーーーー
父の手相を見た。左の手相は生命線が短く右は長かった。左の線は右の半分ぐらいだった。男の右手は将来だ。必ず助かると思った。人の手が入ると過去の左手優先になる。将来を自分で決めることができなくなる。
それで、手術を断った。手相だけで大丈夫なのか、と聞くと、手相と現実のつじつまがあっているので生き延びる、と。
後で聞いたが、生命線と頭脳線以外良く知らない、これにはビックリ。
飲み物が飲めるようになり、だんだん流動食になっていった。家で蓮根湯など作って持って行った。蓮根湯は喉の粘膜に効く。同じように胃の粘膜にも効くだろうと。そのうち玄米お粥を持って行ったが、うまくない、もう、何もいらないと断られた。病院食だけになった。
管をつけているときは断食状態だ。せかくなので点滴などやらないで徹底して体を綺麗にすれば良かったのに。お医者様は患者の体力消耗を点滴で最低限に止めようとしていた。
10日ぐらいーー断食ーーしたことになるが復食もそれぐらいかけて飲み物からはじまりゆっくりとご飯に戻していった。急いで復食すると胃腸に穴があく、と言われている。そうならないように点滴で体力消耗を防ぎながらゆっくりと普通の食事に戻していった。
中途半端とは言え、断食体験をした父は、あれから子どもの時の食事に戻った。過去の生命線はものすごく短かった。若いころ体を酷使して、それに負けないように食べた痕跡だ。そういう環境を改善したのが農業機械。そして入院した時は田を息子が引き継いで父は何もしないので生まれてから成長期の少飲少食の習慣が復活した。右の長い生命線はこういうことをすでに織り込みずみ、だったことになる。息子が反対して手術しないことも織り込みずみだった、今ふりかえれば。稲作もやらなくなっていることも、治療に専念できるので生命線が伸びた、としか思えない。すべて織り込みずみだ。
ーーーーーそんな馬鹿なーーーーー
なんだかんだ父にはうるさい人間も断食は3日で終わっている。家で寝込んで3日で回復し治ったので。ところが父は、とりあえず10日も断食をしている。日数は3倍以上。少飲少食はさらに磨きがかかり、おかずはつまむぐらいになった、人にはたくさん食べろ、と言っているが。
父は一日三食。一食ごとに少飲少食だ。一日二食の誰かさんは時々夕食だけになることがある。これで持つのは消化がきわめてゆっくりの食物繊維のおかげだ。食物繊維を主食で取るのと副食で取るのとの違いだ。
それなのに、猛暑では、食事にお茶を飲んだりしてさらに消化させないようにした。カロリーが過多になったからだ。そうなったのは、太陽光線が皮膚へ直接カロリーを注入したから。点滴以上の効果。断食なら猛暑日、となるが、問題ないのか、なければ来年実行。
当時、見まいの菓子類は持ち込み自由だった。患者が食べられないのはわかっているので看病する人のため、と暗黙の了解。
現在、病室には見まいの菓子類など一切持ち込めないらしい。それどころか、感染防止のため見まい客さえ入室禁止とか。完全にお医者様にお任せだ。
そうなると、雑音が入らないので断食も復食もゆっくりできるはずだ。
一ヶ月近く入院して治った。
お医者様、関係者の皆様、その節は、どうもありがとうございました。