一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

コミュニケーションの断絶が生むもの

2005-05-27 | 余計なひとこと
<郵政法案>衆院本会議で審議入り 民主、社民は欠席
 日本郵政公社を07年4月に4分社化することなどを盛り込んだ郵政民営化関連6法案は、26日午後の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。(中略)与党の国会運営に反発して審議拒否を打ち出している民主、社民両党は本会議を欠席した。
 自民、公明、共産の3党は本会議に出席し、(中略)代表質問を行った。同法案は郵政特別委員会に付託され、与党側は民主、社民両党抜きでも27日から委員会での実質審議に入る方針だ。(毎日新聞) - 5月26日

一方民主党は与党は責任を持って郵政民営化法案の出し直しを 鉢呂委員長会見で
鉢呂国対委員長はまた、政府と与党の整合性が取れないまま郵政民営化関連法案が提出されたことは、議院内閣制としてあってはならないとの考えを示し(中略)た。

と審議拒否の理由を説明している。


素人的には、自民党内にも反対派が多いようなので、審議拒否などせずに否決してしまえばいいんじゃないか、と単純に考えてみたのですが、民主党は民主党としての主張(抵抗勢力と同じ穴の狢ではない)にこだわりたいとか、自民党が党議拘束する可能性もあったりするから、国会運営上は難しいんだろうか?

民主党のHPで民主党の「郵政改革に関する考え方」についてを見ると、民主党は単に審議拒否だけでなく独自の見解を持っているようだ。(政権を目指すと言っている以上当然か)

その中の小泉「民営化」は時代遅れで「看板に偽りあり」―― 本来の姿に戻す「正常化」が必要――(要約版)をさらに要約すると、民主党の主張は

■郵政改革の主目的は郵貯・簡保の大量の国債購入による財政赤字を改善することにある
■したがって、「郵政改革=民営化」は当然の前提ではない
■また、郵便事業は国が責任を持ってユニバーサル・サービスを維持しながら効率的な組織運営をすることが重要であり、現時点は昨年の公社化に伴う経営改革の成果を見極める時期にある。

というのが骨子で、これに対し郵政民営化法案は

①成功すれば民業圧迫
②失敗すれば暗黙の政府保証による財政負担増
③効率化追求による採算の郵便局の切捨てが危惧される
などと種々問題があるので廃案にすべきだ、ということらしい。

確かに目的のところはその通りだと思う。過去の議論を調べたわけではないですが、多分自民党も同じなんじゃなかろうか。

また、民主党は郵政民営化法案の瑕疵として、与野党協議等を踏まえていない等の手続論についてもふれている。


でも、郵政改革の目的はそんなにずれがないはずだし、目的に向けての手段として郵政民営化法案が適切かどうか、とか、手続がおかしいというならなおのこと、ちゃんと審議したほうがいいのではないだろうか?

僕としては、民主党の主張のように、民営化だと必ずだめになる(公社ならよくて民間企業ならだめ)、というのも根拠がないし、民間企業だとしても(電気事業法、鉄道法、放送法のように)一定の規制をすることができるわけだから、民営化は当然におかしい、ということにはならないと思う。
立法府としては特にその辺について十分に議論してほしい。


それなのにあえて審議拒否するというのは、審議に入ったら「議論を尽くした」というアリバイ作りをされた上で強行採決をされて法案が成立してしまうということなんだろうか?(審議拒否しても同じだと思うんですけど)


でもそれって「結局ロクな議論ができないに決まってるから会わない」という中国副首相と同じなんじゃなかろうか?


中国との話がなんでこじれたかと言う点については昨日(5/26)の日経新聞朝刊2面の特集記事のまとめが
当を得ているんじゃないかと思うが、一言で言えば、お互いの誤解や期待の齟齬が不信感をもたらす悪循環につながり、結果コミュニケーションの断絶になった、ということだと思う。



議論やコミュニケーションのないところには建設的なものは何も生まれない



外交のテクニックについてはよくわかりませんが、今回の中国の対応に対しては、非礼は非礼だとしても、いたずらに感情的になるのでなく、日本としては「対話のチャネルは日本からは閉じない」と発信し続けることが、日本のためにプラスだと思う。


同様に、民主党も審議拒否しながら対岸から文句を言うのでなく、きちんと国会で議論したらいいと思うんだけど、どうなんだろうか?


もし、審議に参加すること自体が国会運営上のテクニック上マイナスになるんだとしたら、郵政民営化法案の前に、まず国会運営のありかたについて問題提起すべきなのではないか?
コメント (2)
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