北朝鮮のテポドン2号の発射が危惧されてます。
発射すれば厳しい対応 首相、北朝鮮を強くけん制
(2006年 6月19日 (月) 16:35 共同通信)
小泉純一郎首相は19日午後、官邸で通常国会閉幕を受けた記者会見を行い、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備を進めているとされることについて「仮に発射すれば、米国とも協議して厳しい対応を取らなければならない」と経済制裁などの対抗措置を取る考えを示し、北朝鮮を強くけん制した。
素朴な疑問として、弾道ミサイルが自国の上空を通過したときに撃ち落としちゃいけないんだろうかと wikipediaで「領空侵犯」を調べると
領空侵犯(りょうくうしんぱん)とは、国家がその領空に対して有す権利を侵犯する行為の事であり、具体的には他の国家所属の航空機・飛行物体が当該国の許可を得ず、領空に侵入・通過することを指す。
ただし、領空の範囲は大気圏に限られる為、宇宙空間(衛星軌道など)を移動している人工衛星は、領空侵犯に当たらない(軍用のミサイルはこの限りではないが、高度200~300Kmを高速飛行する物体を止める術は無い)。
領空侵犯に対して、当該国は対処措置を取ることができる。対処措置には、強制着陸や撃墜などがある。
とあります。
これを信じれば、弾道ミサイルは実験であろうと(可能なら大気圏外であろうと)領空侵犯したら撃墜してもいいわけですね。
ただ、現時点ではその手段がないということです。
今回テポドンが発射されて、万が一日本(の領海内)に落ちても「あ、ごめん、間違ってお宅に落っこちちゃった」と言われた場合、それを「攻撃」とみなすかどうかは外交的には結構難しいかもしれませんね。
万が一それが核弾頭つきのミサイルだったとすると、1発で国として大きなダメージを受けてしまうわけなので、アメリカはそれで北朝鮮を攻撃できる材料ができるからいいのかもしれませんが、日本としては発射自体をやめさせないと安心できないわけです。
そう考えると、日本の上空を使ってミサイルの発射実験をすることには、もっと強硬に抗議したほうがいいんじゃないかと思います。
さらにこの問題、素人なりに考えてもいろいろ難しい点がありそうです。
一番大事なのは発射しようとしているミサイルが「実弾」かどうかについての情報分析力なんじゃないか、でも現実的には米国のスパイ衛星などに頼らざるを得ないことの是非、とか(逆に情報を入手できる(利害)関係を維持することが自腹で衛星を打ち上げるより効率的なんじゃないかとか)。
米国と共同研究(導入?)しようとして物議をかもしたミサイル防衛システムは必要か、とかたとえ完成していたとしても、費用対効果がどうか、とか
配備してもうまく落とせなかったときはかえってマイナスになってしまうんじゃないか、(湾岸戦争のときのパトリオットミサイルだって実際に当たったのはほんの少しだという話もあるし)とか。
「あ、ごめん作戦」をやられた場合にも、できるのは経済制裁くらいかな、とか(大人しくしてたら円借款というのもなんだし)、外交的には国連安全保障理事会とかに訴えるくらいしか手はないのかなぁ、とか、
アメリカに警官役をお願いするのもぞっとしないよな、とか。
当たり前の話ですが、安全保障の問題は軍事力だけでなく、情報収集力、外交能力など国の総合力が試されるわけで、「瀬戸際外交」を得意技にしている相手に対して、侮られもせず、挑発にも乗らず、でも確実に「怒らせたらまずいぞ」と理解させるような対応(しかも周辺国から「危ない奴」とも思われないような)について幅広くかつ冷静な議論がなされるといいと思います(でも、難しいだろうな・・・)