一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

BBCのジャブ?

2006-06-30 | よしなしごと

ドイツ=アルゼンチン戦を前に、数日前のBBC Newsの記事German Turks' divided loyaltiesについて。

トルコ人はドイツにおける最大のコミュニティを形成しているが、今回のドイツのWC代表には(クローゼやポドルスキはポーランド系、オドンコルとアサモアは両親がガーナからの移民など)他民族の選手はいるもののトルコ人選手はいない(過去にも メーメット・ショルなどごくわずか)。
 最近では昨年16歳でブンデスリーガーにデビューしたドイツ生まれのヌリ・サヒン が、ドイツ代表入りを拒みトルコ代表入りし、代表デビュー戦の対ドイツとの試合で残り4分に交代出場し出場後3分で初ゴールを決めた、ということがあった。

などとして、ドイツの雑誌編集者のコメントを引用してます。

宥和が進まないのは両方に問題がある。トルコ人コミュニティもドイツ人コミュニティも交わろうとしないんだ("You have a problem of integration in Germany - on both sides. Turkish communities not prepared to mix, and German communities not prepared to mix.")

ドイツのサッカーリーグはドイツ人の若者にしか目を向けてこなかった。一方でトルコ人は子供がサッカーをやりたいと言った場合、トルコ人だけのサッカークラブ(こういうのがけっこうあるそうです)に入れてしまう。

ヌリ・サヒンの選択については、日韓大会で3位になったトルコ代表が魅力を増したことや、トルコ代表のスカウトが強化されたという「スポーツ界の事情」によるという専門家の見方がある一方で、メーメット・ショルはドイツ人の母親とのハーフだったが、両親ともトルコ人のヌリ・サヒンがドイツ代表入りをしたら、トルコ系サポーターからは非難を浴びただろう、というトルコ系住民の見方も紹介しています。


日本でも、日本国籍を持つ在日韓国・朝鮮人二世・三世は似たような状況にあると思います(そこにはあまり葛藤はないのかもしれませんが)。

個人的には、どこの代表としてプレーしたいかというのはプレイヤー個人の選択(愛国心や民族愛だけでなく、代表入りの可能性とかWC出場の可能性も含めて)にまかせればいいと思います。 
また、是非欲しい選手なら、スカウトする側が必死に口説けばいいわけです。
日本にも三都主の例だってありますから。

私の拙い英語力では自信はないのですが、記事のトーンはこの現象を比較的ネガティブにとらえているように思います。
ただ、このような国家と民族と宗教の葛藤は多民族国家や移民を受け入れている国ではドイツに限らずよくみられる(しかも簡単な解決はできない)問題ではないかと思うのですが。
逆にフランスではアルジェリアなど旧植民地からの移民が差別されているとして問題になっていますし(『移民と現代フランス』参照)。

そもそも同じ国の中で「イングランド代表」とか「スコットランド代表」「ウェールズ代表」など複数の参加資格を持っているイギリスは「歴史に名を借りた地域間格差についてのルサンチマン」などと言われたりしないんでしょうかね(実態を知らずに言ってますがw)
※そもそもイギリスの中でどこの代表になるかはどういう基準で決められてるんでしょうか


この時期にこのネタというのは、BBC(イングランド)流のドイツに対する「ジャブ」なんかもしrません。


PS イングランドのサポーターは裸になって応援しているいる人が他の国より多いように思いませんか?

コメント (2)
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やるなら本丸を

2006-06-30 | よしなしごと

朝日新聞が(久しぶりに)するどい突込みをしていました

村上ファンド問題、福井氏専用の投資組合 匿名性狙いか
(2006年06月29日07時57分 朝日新聞)
※ちょっと分かりにくいので( )内は私の補足です

福井俊彦・日本銀行総裁による村上ファンドへの投資問題で、資金の受け皿となった投資事業組合は福井氏専用で、共同出資するオリックスが代表者として業務全般を担っていたことが、朝日新聞の調べで28日分かった。資金を小口にして投資家が分かりにくい形になっており、匿名性を高める狙いがあったとみられる。
(中略)
関係者によると、福井氏が村上ファンドへ投資した1000万円は、オリックスがまとめ役(業務執行組合員)を務める村上ファンド内の「投資事業組合第36号」(①)から、この小単位の投資組合を束ねる「統合投資事業組合」(②)を経由し、「MACジャパンアクティブシェアホルダーファンド」(③)へと投資されている。



このファンドは今年1~3月現在、阪神電気鉄道やTBS、スクウェア・エニックス、松坂屋などの株式を購入していた。

 企業に投資した運用益を投資家に分配する投資組合はファンドの一形態。登記や設立届け出、情報開示の義務付けがないため出資者の情報が漏れにくく、匿名を好む投資家から資金を募りやすいとされている。

 また、今回のように、投資組合を複数かませる手法は、限定された投資家を対象とする私募ファンドでは幅広く行われ、匿名性をさらに高める効果がある。

 富士通総研理事長だった福井氏が村上ファンドへの投資を始めた99年当時は、村上ファンドで投資助言を務める「M&Aコンサルティング」が業務執行組合員となり、福井氏のほか数人の投資家と投資組合(④)が設立されていた。(この当時は<福井氏→④>という簡単な形式だった)

 この投資組合は、01年2月の村上ファンドの再編に伴って解散。投資資金を受け継いだオリックスとの投資組合(①)では、一般投資家は福井氏だけで、福井氏の投資資金の受け皿としての色彩が強い。ほかの小単位の投資組合も、似たような構成になっているとみられるが、その数や詳細は明らかになっていない。(多分「統合投資事業組合」(=②)が福井氏専用の「投資事業組合第36号」(①)のほかに「投資事業組合第〇〇号」を束ねて③に投資していた、ということでしょう)


誰がリークしたのかわかりませんが、ここまでくると、本丸は福井総裁の責任問題でなく、(オリックスの方の)宮内氏のお仲間の錬金術と配分システム、ということになりそうです。


このへんの構図の仮説としては切込隊長のこちらこちらをご参照ください。
さらに新興市場の草創期まで深堀をしたい方はこちらあたりからたどってみてください。

また、isologさんのところでは「投資組合」自体が道義的に悪いわけではない、とか誰に対しての「匿名性」か、について至極真っ当な整理をされています。
ただ、今や問題はオリックスが何の目的で、誰に対してこのような投資スキームを用立てたのか、という方に移りつつある(移るべき)ように思います。

私は本石町日記さんのつぎの意見と同感です。

避けるべきは、事件が(私から見て)中途半端に終息し、その一方で「濡れ手に泡」という批判に抗し切れずに総裁が辞任を余儀なくされることであろう。

どうせやるなら根こそぎやったほうがいいと思います。
もっともこれらは贈収賄とか政治資金規制法という法律の世界というよりは(企業)倫理=政治の世界の話だとは思いますが。

政治の世界といえば、小泉首相の退任に伴い、役割を終えた「とりまき」の人々を整理しようとする一連の動きがあるのでしょうか・・・?


PS
昨日J-REITに海外の不動産が入ることを心配したのですが、その前に沖縄のリゾートホテルとかが入ることを心配した方がいいような・・・

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