一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

楽天、TBS株買取請求へ

2009-04-02 | M&A

しばらくフォローしてなかったのですが、背景事情はこういうこと。

楽天 二つの誤算
(2009年4月1日 読売新聞) 

楽天側にとって大きな誤算だったのは、TBSの認定放送持ち株会社への移行だ。楽天が経営統合案を発表した時にはこうした制度はなく、総務省の調査研究会が06年にまとめた報告で導入方針が決まった。認定放送持ち株会社制度の導入は、民放キー局が設立した持ち株会社傘下に経営環境が厳しいローカル局を統合して支援することが狙いだった。ただ、改正放送法が持ち株会社の1株主の出資比率(議決権ベース)を33%以下に限ったことが結果的に、TBSにとっては事実上の買収防衛策として機能した。

「買い取り請求」についてはTBSのIRサイトがわかりやすいです。
株主からの株式買取請求に関するお知らせ
(平成21年4月1日 株式会社東京放送ホールディングス)  

当社は、平成20年12月16日開催の当社臨時株主総会決議に基づき、本日平成21年4月1日をもって、当社のテレビ放送事業及び映像・文化事業を当社完全子会社である株式会社TBSテレビに承継させる吸収分割を行うとともに、認定放送持株会社へ移行致しましたが、昨日(3月31日)、上記臨時株主総会においてこの吸収分割議案に反対した楽天株式会社ほか1名の当社株主より、以下のとおり、会社法第785条第1項に基づく当社株式の買取請求権行使の申請を受けました。  

自分が持ち株会社になるために事業の部分を子会社に吸収分割して切り離すという方式を取るので、分割に反対した株主である楽天に買取請求権が発生し、会社との協議が成立しない場合は裁判所に価格決定の申立をすることができるということになります。

会社法ではこの買取価格を「公正なる価格」と定めてますが、今回は持ち株会社に移行するだけなのでグループ全体の企業価値は変わらないはずなので、「1/3以上の議決権を取得することができなくなる株式になる」ということによって株式の価値がどう影響を受けるのか、ということが論点になるのでしょうか。 
これはこれでけっこうややこしそうな感じです。

買取請求をした「ほか1名」の株主というのもちょっと興味あります。
僕もTBS株を持っていたとしたら、こういうときに会社がどういうロジックでくるのか興味本位で買い取り請求してみたかもしれません。(←こういう野次馬みたいな奴が増えると会社の手間ばかりかかってしょうがないんですよね・・・)

コメント
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