水の都・ヴェネツィアを舞台にした映画といえば、比較的最近ではジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーの男女二大スターが共演したツーリストが有名だが、あの映画を見て特にヴェネツィアに行きたいとも思わないし、そもそも映画自体がそれほど面白かったかどうか?しかし、今回紹介する映画旅情を観れば、老若男女を問わずに『私もヴェネツィアに行きた~い』と思うはずだ。
基本的には水の都・ヴェネツィアを舞台にした中年同士の大人の恋愛映画。若いカップルの情熱的で盲目的なバカップルが車の中や、いかにもチープなホテルで愛し合う恋愛映画も時には目の保養に良い場合もあるが、とっても綺麗なヴェネツィアで、大人同士が一瞬我を忘れて燃え上がる恋愛映画もなかなか味わい深いものがある。
さて、本作品の主人公の設定だが、アメリカからヴェネツィアに旅行にやって来た、もうとっくに婚期を逃してしまったような中年の独身女性。今でこそ、日本のみならず世界的に晩婚化の現象が起きているが、この映画の製作の当時(1955年)においては、女性にとって30歳半ばをとっくに超えて結婚していなければ、まるでどこか人間的に問題があるのではないかと噂されてしまうような時代。
もしかしたら個人的な俺の趣味の問題かもしれないが、お世辞にもこの主人公の女性に対して外見からして魅力を感じない。しかも、所かまわず写真をバシャバシャ撮りまくっている姿が、なんとも痛く見える。
しかし、普段から『私は結婚よりも仕事が優先』なんて言いながら、本心は早く結婚したがっている女性を実は何人も知っているが、そのような女性が本作を観れば自信と希望が湧いてくるし、絶対にイタリアに行きたいと思うはずだ。それにしてもイタリアの男は女なら何でもありみたいだ。
さて、名曲Summertime In Venice(サマータイム・イン・ベニス)に乗せて描かれる中年男女の美しくも儚い恋愛映画とは如何なるものか。
アメリカで秘書の仕事をしている38歳(俺には50歳ぐらいに見えてしまうのだが)の独身女性ジェーン(キャサリン・ヘプバーン)は、せっせと働いて貯めたお金で夢であったヨーロッパ旅行を実行中。そして、最終目的地である水の都・ヴェネツィアにやって来た。
しかし、周りを見渡せば年齢に関係なく男女のカップルだらけ。1人で旅行をしているジェーン(ヘプバーン)は、何だかとっても寂しい気持ちに襲われながらも、ひたすら写真を撮りまくっている。サンマルコ広場で1人でお茶をしていると、後ろからチョッとばかりダンディな中年男性の視線を感じる(このシーンが良いです)。しかし、少々男性慣れしていないジェーン(ヘプバーン)はその場をそそくさと去ってしまう。
翌日、再び観光に出かけたジェーン(ヘプバーン)は骨董品店に入ると、昨日サンマルコ広場で出会ったイタリア人の中年男性レナート(ロッサノ・ブラッツィ)と再会してしまい、その後何回か会っているうちに2人の間には恋が芽生えるが・・・
撮影している人が、もの凄く上手なせいかヴェネツィアを本当に観光している気分にさせる映画。色々な名所や建物が写し出されるが、確かに百枚ぐらい写真を撮りたくなる気持ちになるのも不思議ではない。あまりにもサマータイム・イン・ベニスの曲が良すぎるので思わずうっとりとした気分になってしまいそうになるが、実は時々笑えるシーンも出てくる。
しかし、この恋愛の結末は何とも奥が深い。俺なんかはまさに、これが大人の女性の選択だと思って大変感動した。男性と女性の違いがあるが、もし俺がジェーン(キャサリン・ヘプバーン)と同じ立場になれば、きっと違う選択をしてドツボに嵌っていた可能性が高い。
観光気分が味わえ、素晴らしい音楽がいつまでも耳に残り、ちょっと大人になった気分になれる旅情はお勧めしい恋愛映画です
監督は数々の傑作を世に残したデヴィッド・リーン。彼の雄大かつ引き込まれるストーリーの巧みさは、これからお勧めする作品を観れば非常によくわかる。
日本人、イギリス人、アメリカ人の気質の違いがよくわかる戦争ドラマ戦場にかける橋、今のアラブの諸問題が少しばかり理解した気分になれるアラビアのロレンス、ロシア革命に翻弄される男女の恋愛を描いたドクトル・ジバゴ、アイルランドの独立運動を背景にした不倫映画の傑作ライアンの娘。これらは生きているうちに観て欲しいお勧め作品です。
ジェーンを演じるのが、名女優キャサリン・ヘプバーン。彼女のお勧めはハワード・ホークス監督、ケイリー・グラント競演の赤ちゃん教育は大爆笑できます。
他にジョン・ヒューストン監督でハンフリー・ボガートとの丁々発止のやり取りが笑えるアフリカの女王、黒人の差別問題を描いたスペンサー・トレイシー、シドニー・ポワチエ競演の招かれざる客等がお勧め。
イタリア人男性でレナートを演じるのがロッサノ・ブラッツィ。ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督、ハンフリー・ボガート、エヴァ・ガードナー競演の裸足の伯爵夫人がお勧め。
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基本的には水の都・ヴェネツィアを舞台にした中年同士の大人の恋愛映画。若いカップルの情熱的で盲目的なバカップルが車の中や、いかにもチープなホテルで愛し合う恋愛映画も時には目の保養に良い場合もあるが、とっても綺麗なヴェネツィアで、大人同士が一瞬我を忘れて燃え上がる恋愛映画もなかなか味わい深いものがある。
さて、本作品の主人公の設定だが、アメリカからヴェネツィアに旅行にやって来た、もうとっくに婚期を逃してしまったような中年の独身女性。今でこそ、日本のみならず世界的に晩婚化の現象が起きているが、この映画の製作の当時(1955年)においては、女性にとって30歳半ばをとっくに超えて結婚していなければ、まるでどこか人間的に問題があるのではないかと噂されてしまうような時代。
もしかしたら個人的な俺の趣味の問題かもしれないが、お世辞にもこの主人公の女性に対して外見からして魅力を感じない。しかも、所かまわず写真をバシャバシャ撮りまくっている姿が、なんとも痛く見える。
しかし、普段から『私は結婚よりも仕事が優先』なんて言いながら、本心は早く結婚したがっている女性を実は何人も知っているが、そのような女性が本作を観れば自信と希望が湧いてくるし、絶対にイタリアに行きたいと思うはずだ。それにしてもイタリアの男は女なら何でもありみたいだ。
さて、名曲Summertime In Venice(サマータイム・イン・ベニス)に乗せて描かれる中年男女の美しくも儚い恋愛映画とは如何なるものか。
アメリカで秘書の仕事をしている38歳(俺には50歳ぐらいに見えてしまうのだが)の独身女性ジェーン(キャサリン・ヘプバーン)は、せっせと働いて貯めたお金で夢であったヨーロッパ旅行を実行中。そして、最終目的地である水の都・ヴェネツィアにやって来た。
しかし、周りを見渡せば年齢に関係なく男女のカップルだらけ。1人で旅行をしているジェーン(ヘプバーン)は、何だかとっても寂しい気持ちに襲われながらも、ひたすら写真を撮りまくっている。サンマルコ広場で1人でお茶をしていると、後ろからチョッとばかりダンディな中年男性の視線を感じる(このシーンが良いです)。しかし、少々男性慣れしていないジェーン(ヘプバーン)はその場をそそくさと去ってしまう。
翌日、再び観光に出かけたジェーン(ヘプバーン)は骨董品店に入ると、昨日サンマルコ広場で出会ったイタリア人の中年男性レナート(ロッサノ・ブラッツィ)と再会してしまい、その後何回か会っているうちに2人の間には恋が芽生えるが・・・
撮影している人が、もの凄く上手なせいかヴェネツィアを本当に観光している気分にさせる映画。色々な名所や建物が写し出されるが、確かに百枚ぐらい写真を撮りたくなる気持ちになるのも不思議ではない。あまりにもサマータイム・イン・ベニスの曲が良すぎるので思わずうっとりとした気分になってしまいそうになるが、実は時々笑えるシーンも出てくる。
しかし、この恋愛の結末は何とも奥が深い。俺なんかはまさに、これが大人の女性の選択だと思って大変感動した。男性と女性の違いがあるが、もし俺がジェーン(キャサリン・ヘプバーン)と同じ立場になれば、きっと違う選択をしてドツボに嵌っていた可能性が高い。
観光気分が味わえ、素晴らしい音楽がいつまでも耳に残り、ちょっと大人になった気分になれる旅情はお勧めしい恋愛映画です
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キャサリン・ヘップバーン,ロッサノ・ブラッツィ,イザ・ミランダ,ダーレン・マクギャヴィン | |
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン |
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監督は数々の傑作を世に残したデヴィッド・リーン。彼の雄大かつ引き込まれるストーリーの巧みさは、これからお勧めする作品を観れば非常によくわかる。
日本人、イギリス人、アメリカ人の気質の違いがよくわかる戦争ドラマ戦場にかける橋、今のアラブの諸問題が少しばかり理解した気分になれるアラビアのロレンス、ロシア革命に翻弄される男女の恋愛を描いたドクトル・ジバゴ、アイルランドの独立運動を背景にした不倫映画の傑作ライアンの娘。これらは生きているうちに観て欲しいお勧め作品です。
ジェーンを演じるのが、名女優キャサリン・ヘプバーン。彼女のお勧めはハワード・ホークス監督、ケイリー・グラント競演の赤ちゃん教育は大爆笑できます。
他にジョン・ヒューストン監督でハンフリー・ボガートとの丁々発止のやり取りが笑えるアフリカの女王、黒人の差別問題を描いたスペンサー・トレイシー、シドニー・ポワチエ競演の招かれざる客等がお勧め。
イタリア人男性でレナートを演じるのがロッサノ・ブラッツィ。ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督、ハンフリー・ボガート、エヴァ・ガードナー競演の裸足の伯爵夫人がお勧め。
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