枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

学ぶ姿勢

2014年07月14日 | Weblog

 介護の仕事を選んだのは、Aさんの所でお見かけしたご隠居さんの、老いて尚矍鑠とした姿に圧倒されたことだ。生きてきたことだけとは違い、生かされてきたことを、身を以てご存知であり、命の大切さも重みも悟られていた方で、体の不自由さを堪えておられた。

 然し、年齢的なこともあって、随分と悩んだ。生活を維持できるかが、最大の要素であった。続かなければ、資格を取る意味がない。性格なので、やると決めたら、とことん向き合う。面接に行くと、ヘルパーの資格修得が条件であった。1ヶ月半、学科と実技がある。

 勤め始めは、何も分からずで右往左往するばかり。失敗ばかりで嫌気が差し、帰宅すれば疲労困憊でぐったりである。研修には、わからないことを1つでも失くそう、と出席した。覚えたと思っても、忘れることが多くあり、自己嫌悪に陥った。体力にも自信が無くなる。

 諦めかけた時に、介護福祉士をどうするか考えた。勤務年数の資格はある。後は、金銭的なこと。ぎりぎりまで待って応募し、テキストと首っ引きで猛勉強を開始した。やるからには受かりたいのは当たり前。毎晩、テキストを枕に眠ってしまう。全く、覚えられない。

 試験当日、あまりの難しさに、頭が真っ白になった。絶望が襲い掛かってきて、昏倒しそうな想いに加え、空からは白い物が降りてきていた。発表までの長かった日々。合格番号を見て、奇跡が起きたと感謝した。正に、60の手習いであるが、正社員にはなれない。

 この仕事をすると決めた時点で、年齢的なことがあり、途中話もあったのだが、自分の自信がなかったため、断ってきた。勤務条件は、正社員並みだがパートである。今回介護福祉士の、初任者研修に行かせてくれると言う。貪欲に学ぶことを諦めなかったからか。

 独学で学べることと、大勢の考え方や意見等、様々な角度から、視野を広げられることは有難い。以前に学んだことも、認識を新たにしたい。努力することを忘れないでいてよかったとつくづく思う。人の上に立たずとも、知識を蓄え生かせることを今後も続けたい。

 春の海棠と、傍にあるリエさん枇杷葉。長雨で、葉に異変が起きている。これが、自然界の掟なのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする