先日、とても素晴らしい映画を鑑賞しました~
日本では、「バジュランギおじさんと、小さな迷子」と言うタイトルで、2019年公開の映画です~
インドでは、2015年に公開され、
世界・・・、北米やパキスタン、イギリスやオーストラリア、中国・・・等々、
公開された国々で、大ヒットし、数々の映画賞の受賞記録を出した、インド映画。
しょっぱなから、自然の風景の美しさに、くぎ付けでした。
パキスタンの、とある村のある、自然豊かな素朴な風景の中の暮らしぶりから、
話はスタートします。
少ない村民が、
1つの大きめなスクリーンを囲み、
野球の試合を見て、スター選手を中心に、
応援しているところから始まります。
老若男女・・・、少人数の人達が、大家族のような雰囲気の村のようでした。
妊婦の若い女性が映っていました。
それから、6年が経過し、
その若い女性は、娘を授かり、6歳になっていました。
しかし、娘は、生まれつき、何が原因か、喋る事ができませんでした(声を発っせない)。
それで、村の長老からの勧めで、インドのデリーにある、
インドで最大規模の、宗教施設である、ニザームッディーン廟へ行き、
娘が喋る事ができるようにと、願いを叶える為の祈りを捧げに行くようにと、言われる。
そこで祈ると、願いが叶うと言われているそう~。
どうか娘の為に、喋れるようにしてあげたいと、
母と子は、そこへ出かける。
娘の父は、兵役経験がある為、ビザの取得が困難と言う事で、
母と子の2人で出かけた。
祈願し、帰りの列車は、インド・パキスタン国境検問所のワーガ付近で、列車が一時停車。
可愛い娘を見て、
知らない同乗のおばあさんから話しかけられても、
喋れないので娘は無言で・・・、
代わりに母が、事情を話したうえで、
自分が代わりにおばあさんと話したり。
停車の間、ほんの少し、眠りに誘われた母でしたが、
気づいたら、娘はどこにもいない。
列車内を、半狂乱みたくなって、
娘を必死に探す母。
(このシーンは、ゾッとしました。
幼い子と言うのは、ちょっと目を離したすきに・・・
と言う事があります・・・、胸が痛みました。)
・・・、娘は、列車の外にいる子ヤギを見つけたからか、
停車中の列車を降りて、
子ヤギの側にいた。
幼い子と言うものは、自分の興味のままに行動してしまう。
幼い子には、その先の展開等、知るすべもない。
そして、声を発しないので、
自分の居場所を知らせる事もできない・・まま・・・、
列車は、動いてしまうのでした。
真っ暗な中、1人異国のインドに取り残されてしまいます・・・。
言葉を発する事できない悔しさ・・・、
そして、涙止まらず・・・。
母は、車内にいない事がわかり、列車を降り、インドへ探しに行こうとするが、
列車は、国境を超えてしまっていた為、
後戻りできず。
子供と言うのは、経験がまだ未知なる事ばかりだからか、
慎重になるとか、怖いとか、そんな感情より、
思うがままに行動する大胆さがあります。
母の元へ行こうと、貨物列車にひそかに乗るのですが・・・、
列車は、インド、ハリアーナ州クルクシェートラに到着。
そこで、ヒンドゥー教のハヌマーン神を信仰するパワンと言う青年とひょんな事で出会うのだった。
子 供と言うのは、純粋かつ感受性が鋭いところがあったりするように思うけれど、
初めて出会ったパワンに、何かを感じ、娘はパワンの側を離れず。
”知らない人だけれど、この人は、信用できる。この人はきっと良い人。
必ず私に手を貸してくれる”
・・・そんな事を感じたのだろうか。
自然の中で育ったり、自然の中に身を置いたり、
そう言った経験は、危機意識や危機管理意識を高めるようだが、
大自然の中で育った彼女には、
6歳にして、真の強さと、見抜く力、危機からの機転・・・、
そんなものが、潜在能力としてあったのだろうか。
どこまでも付いてくる娘。
パワンは、何を聞いても答える事ができない娘は、
喋れない事を悟り、
そして、迷子になった事も悟り、
早く両親の元へ返さなければと思い、
警察へ行くが、
捜索願も出ていないし、
預かるわけにもいかないと言われ、
聞き入れてもらえず・・・。
結局、自分の暮らす、デリーに娘を連れて、戻り、
婚約者の家に親が見つかるまで、預かってもらい、
娘の面倒を見ながら、
手がかりを探す努力をする。
しかし、そんな中、娘の暮らしの中での行動を見てわかった事は、
娘は、パキスタン人であり、
自分とは違う宗教の、ムスリムであることだった。
婚約者の父は、それを知り、嫌悪を抱き、
パキスタン大使館に、娘の事を依頼しに行くよう、パワンに強く言う。
パキスタン大使館へ行ったパワンと娘は、
そこでも聞き入れてもらえず、
おまけに、大使館前に来ていた、反パキスタンの人々の暴動に巻き込まれ、
危ないところを脱する。
それにより、大使館は、閉鎖されてしまい、大使館を頼る事を断念。
次に、婚約者の父の知人の旅行代理店の者に、経緯を話すと、
別ルートで、パキスタンへ戻してあげる案があると言うので、
大切なお金を渡し、彼に娘を託す。
娘は、とても嫌がっていた。
帰り道、色々な思いが沸き起こり、思い直し、旅行代理店の男の後を追う。
その男が入った場所は、売春宿で、いままさに売ろうとしている最中で、
激怒したパワンは、力づくで、娘を取り戻し、
もう・・・、人を頼らずに、自力で、娘を、無事パキスタンの親の元へ返してあげようと決心する。
身元わからず、パスポートも何も持っていない娘。
パワンは、娘と、2人で、国境を越えて、パキスタンへ向かう決心をする。
旅は、国境超えの辺りから、様々な危険に遭遇。
密入国業者や、国境警備隊に遭遇して、見ている方は、ハラハラでした。
パキスタンへ入れたのは良いが、
挙句の果てには、
インドと様々な面で、対立しているパキスタンから、
少女を連れた、インドのスパイとして、
大々的に、追われる身となったパワン。
笑いごとで済まされない危険な状況の中、
ひょんな事で知り合った、TVリポーターの協力を得て、
3人で、難易度の高い、親探しが始まる。
道のりは、想像を絶する厳しさであった~、
果たして、
娘は、無事、両親の元へ帰る事はできるのか、
2人の願いは、叶うのか~。
映る景色が、インドにしても、パキスタンにしても、新鮮で、
そして、
時にユーモアある場面や
ミュージカルっぽい、リズミカルな民族調の味わいある歌とダンスがあったり、
日本にはないテイストが、とっても楽しめる要素でした~。
そして、ラストシーンは、とてもとても感動的でした~
スパイ容疑により、暴力を沢山受けて、負傷のパワンでしたが、
奇跡が起こり、
あのTVリポーターの協力により、
ネットの動画配信を利用し、
パワンのスパイ容疑をはらし、
そして、親探しの協力を求めた事、
協力者であるTVリポーターが撮影していた映像の中に、
祈りに来ていた、娘の母が偶然映っていて、
娘がそれを発見した事から、
手がかりを探し、ようやく、
両親の元へと~
この事が、パキスタンから始まり、
インドに知れ渡り、
対立する国同士なのに、
国や宗教等、さまざまなバリアをフリーにし、
正義感と優しさを持ち、勇敢な態度で、挑んだ、パワンに、
両国の民衆は、心打たれます。
無事に、パワンは、国境を越えようと、歩き出します。
国境の柵の近くには、両国の大勢の人が集まっていて、
その中には、
婚約者やその家族、婚約者の父も来ていて、見守っていました。
一歩一歩、インドへ、愛する人の元へ近づいて行きます。
その時、聞こえてきたのです・・・、パキスタン側から。
「おじさん!」(←結構イケメンの青年なのですがね~、子供にとっては、おじさん・・・かっ・・・苦笑)
「ラーマ万歳!」
娘が・・・、
声を発せたのです。
ありったけの力を振り絞って、叫んだのです。
・・・、パワンは振り向き、
娘の元へ、娘もパワンの元へ。
2人は、互いに駆け寄り、
パワンは、娘を抱きしめ、
たかいたか~いをして、ぱっと娘を高く抱き上げて、手を離したようなシーンで、
La finとなりました~


隣国同士の対立。
信仰している宗教の教えを誇りに思い、危険なリスクの数々の中でも、
馬鹿が付くほど正直を貫いたパワン。
いがみ合いが根深い国と国の人々が1つになった瞬間。
親と離れ離れで時につらい場面もあったが、時折見た、娘から感じた、子供の愛らしさと、無邪気さ。
娘のご両親の思い。
どの場面もが、見どころでした。
特にラストは、印象深いシーンだった。
一生懸命出そうと思っても、出せなかった声を、発せられたあの瞬間。
それを聞いた瞬間のパワン。
元は、見ず知らずの娘が、大勢の知らない人の中から、
偶然自分を選んでついてきて離れなかったところから始まったが、
国の違い、宗教の違い等等、乗り越えて、
いくつものHAPPYを生んだ、とても良い映画でした~
国を超えた、
心のバリアフリーの素晴らしさを感じました~



随分昔ですが、
親戚の人が、何年間か、仕事の関係で、家族と離れて、
パキスタンに住んでいらっしゃった事がありました~。
文化や習慣のまるで、日本と違う国での生活は、大変だったのでは~と、今も時々思う事も。
その後、仕事の関係で、家族と離れて、
中国に住んでいらっしゃった事も~。
・・・今は、日本で、ゆったりと、お孫さん達に囲まれて、優しい時間が流れる日々を過ごしていらっしゃいます~。
・・・でも、時々、中国へ行き、
当時の仕事仲間達と、楽しい時間をお過ごしのよう~
人と人とは、
それぞれの違いを受け入れ、理解しあう事で心が通じ合い~、
良いつながりは、一生の宝物ですね~

