汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 血の臭気

2011年03月26日 | 初期中期の詩
命を終えた後 首輪は闇に消える
そう思っていた男は この世界に来て愕然とした
ここには血の臭気の漂う現実が声を荒げて嗤っていたのだ
彼は戦慄に身を震わせていた
ここには甘い女のような匂いも無い
そして彼は 傍にあった石を血の池に投げ入れた
音の無いざわめきだけが この現実の中に谺(こだま)していった
彼はそうしてしばらくの間 風邪さえないこの場所に佇んでいた
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