汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩

2011年08月04日 | 初期中期の詩
明滅する星の彼方には つまびやかな唄が流れている
不協和音の波に乗って あなたは夢へと旅立つ トーテムポールの声
土に触れたような 冷たい感触は 太陽の光だった
アカシアの木に触れる その小さな手で 浮浪する男の行く末を案じる

まどろむ景色が やけに美しく見えた 透明な星の光のように
尤もな言葉は 人を傷つける 時に荒波に揉まれる あなたは人間の仔
静寂の張り詰める 扉の向こうには 朝顔の花が咲いている
広い夢の ほんの小さなシコリ 噴き出す体液 痛みの感触はない

北極星が 道を煌々と照らしている のさばる道理は消えた
それでも無花果の実は 夜の帳の中で 地上に落ちる
錨を下ろした船のように 人は心を塞ぎ込む 消えそうな現し身を抱いて
素朴な色の椅子に座って 身体を揺らす 緩やかな空気の流れを感じながら

琵琶の音が涙を流すように響いている そんな旋律が やけに温かい
空気に触れて消える シャボン玉のような そんな泡沫
世に流れる血潮を感じる 人はそれでも殺し合う 自分を否定するように
その眼差しの向こうには まだ来ぬあなたの姿 殺し合う意味を教えて

そんな瞳で私を見ないで 景色は移り変わる あなたを残して
緑のなびく森の奥深くには 泉が湧いている それぞれの詩を持って
疑いの眼は 虚構を深める それは小さな奇跡を待つ 子供のような瞳
 
明滅 →めいめつ
浮浪 →ふろう
仔  →こ
煌々 →こうこう
無花果→いちじく
錨  →いかり
琵琶 →びわ
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