汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩

2011年08月26日 | 初期中期の詩
打ち寄せた空き瓶 中身は行方の知れない愛 あなたを抱きしめ 誇らしい表情の哀愁を見つめる 触れ合う肌と肌 睦ましい涙が 空を覆う雲に消える 夢は颯爽と 季節の変わりの雨を降らせる 耳に聞こえた唄 悲しみの奥深くに跨る 消えない夢は空の果てに 打ち所の悪い 屋根は涙を防げない 夕間暮れの流れ 哀愁を感じ 渡せない手紙の文字を指で辿る 懐かしい町は あなたの裡に ひっそりと消えていく蝉のように艶やかな 光る海は 舟の涙に 私の愛をあなたにあげる ふとした溜息が 夏の終わりの音を奏でる か細い腕の 私はあなたを抱き締める 夕暮れはいつまでも消えない夢のように 微かに揺れる花の様相を映し出した





命を終えようとする 花の空々しい鼻歌 水面に揺れる 花弁はさり気無い空蝉の声 寄せてはまた返す 昼と夜は交錯する 花はいずれまた 振出へと戻るだろう 許嫁の涙は 甘い感傷の訳を探している 亡き花は 渇きを癒す清水 排泄されて また食べられて 命は残りわずか 生死の向こうにひしめいている 交わすはずだった接吻の幻影が 虚空を流れる花の声に重なる いずれは超えていく地平だから 腕の力はそこに垂れ 始めから終わりまでの航海を重ねる 行き着く場所には 何が待つ 世界が色褪せる 枯れ木のような黄昏 海の中の沈鬱 光は底を打つ太鼓のよう 鳴り響いては世界に消えていく 淑やかな夕暮れ 斜交いの光 終焉が恋しそうに花を見つめる 甘い匂いの漂う 光はそこで寸断され 生死は行き場を失う まるで愛の終わりの頃の傷つけ合いのように 繋がる命が 行方の知らない唄を唄う 歓びも虚しさも一入に 入り乱れてはまた消えてゆく 循環があるから 呼吸の定まらない 花の見る 夢の朗らかな歌声も そこの咲くが如く 散るまでの虚しさを噛み締めている まるで誇らしい朝日のように 揺れる花 現を見捨てていった 何処を行く 道すがらの花よ
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