汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩

2011年08月12日 | 初期中期の詩
未成熟な 二人だけの世界
見渡す限りの幽玄な叙情の流れ 二人だけの時間

あそこを越えていけば きっと出逢える 未知数の愛が揺らいでいる 本当は伝えたいのに 愛故の淋しさ 心に降り積もる

夕方の空には 柳の葉が居場所を求めるように 揺れている あなたを抱きしめた 甘い匂いのする あなたの背中は 少し冷ややかで

東の空が 光を帯びる時 あなたと私は 無限の時間を航行する ふなのりになる 何処まで行こう そう言って 手を降ったあの頃が 私にとっての出発点
この気持ち あなたに届けたい 泣きたくなる心に 降りかかる あなたの優しさが 孤独に震えている 私を連れ去って行ってくれる その確かな想い 心の奥底まで響く そんな夢の中で

コメント

みやすけの詩

2011年08月11日 | 初期中期の詩
流し台に流れる渦 眺めるほどに妖艶と 鮮やかな紅が空気中に飛び散る 生温かい血飛沫のように あなたの魂を意識したのは ある夢の中 あなたは頬に リンパ液を滴らせ まるで助けを求めるように 微笑んでいた 足枷の鎖が 重く乾いた音をたてる 繋がりを寸断する音 あなたは無常を悟った僧侶よう 腕には竜を象った刺青 今にも泣きそうな鳥の姿が 藍色の空に 星を造る

あなたがか細い声で 愛を囁く 音の無くしたオルガンが夜想曲を紡ぐように その哀愁が 私の情感の柔らかいところを 哀しく愛撫する まるで喪った恋人を求めるように でもその手は優し過ぎて 動けない身体は 益々温度を失っていく あなたを求め続けるから この手がとても憎い氷河に閉じ込められるような気持ち 全てを不完全に終わらせる詩 月の光が街を照らす 何時までも止むことの無い雨

あなたは誰
私は宇宙を行く放射線 何もないけど 優しい時間の声に包まれる あなたを感じる 肉感のある影 淋しげな声 微睡みの中へと旅立つ あなたの身体を抱いて その柔らかな愛の鼓動に包まれて
コメント

みやすけの詩

2011年08月09日 | 初期中期の詩
想い懐かしむ甘い夢から醒める 朝日が頬に滲む
とらえどころの無い感性を持ったあなたが 夢想の流れに横たわっている
私は彼に声を掛けた まるで砂糖を舐めたような 髪の滑らかさ
枯れ葉を思わせる深いブラウンの瞳
口元には 哀愁漂う微笑みが 今にも消えそうな声を発しているようにも見えた
私はその微睡みの方へと 吸い寄せられる様に近づいていった
何なのだろうこの響きは 小鳥たちは今でも囀ずり合い
私達を 祝福してくれる 今にも落ちそうな実は 未来に困惑している
はだけた胸板のシルエット 華奢だが 程好く引き締まっている 筋肉の流線
その彼の全てが静寂という憩いに護られている 彼が私に贈った花言葉の意味
それは「刹那の恋心」 愛するが故の 寂しさもまた 甘美な夢への序曲となる
温かく乾いた風にたゆたうセミロングの髪に魅了されて それに触れたいと想う
それは触れてはいけない秘密のような囁き その時風が 仄かに笑った
彼の目の前には ヒヤシンスの涙 あまねく拡がる 共感の嗚咽は
まだ これからの私達の幸せを知らない 鍋の中で揺らぐ水飴のように
コメント

みやすけの詩

2011年08月05日 | 初期中期の詩
のどかな草原の 風を感じるように
あなたの頬に流れる涙を見る
何処にもこうした愛は 存在しなかった
色んなことをして 泡のように 消えて行った
黄昏時の夕日が 哀しく輝いている 永久の波の中で
いつまでも 愛が愛である為の処方箋 互いの吐息を感じる
あなたの熱い眼差しが いつになく 無情に見えた

切ない想いとは 愛が上昇した後の 甘美な感情
すれ違いは誰しも 歓びとは ほど遠いものだから
どうして あなたを愛したのだろう 抑圧は非情の証
むしろ友情に染まる方が 良かったのかもしれない

大切な存在だから たまの笑顔に惹かれてしまう
こうして語り合う憩いの時でさえ 胸を苦しくさせるのに

暑い夏の夜に はくちょう座は より一層と 輝きを増す
それは真実へと向けた 愛の歓びの導 あなたは私の恋人
何処までも道は続いて行く そんな当たり前の事が ただ寂しくて
あなたの手を取りたい それだけの願いが 偽りの愛を呼ぶ
こうして夢に揺られ 愛が咲き誇る季節になっても
渚に佇むあなたの姿が とても悲しく見える 愛を求めるが故の過ち

それ以上の愛は 心を腐敗させる 
そして これ以上の愛情が 私にはあるから
互いが愛情という 非情の流れに乗って 蒸気船は音もなく消えて行く
会えない時が 私の心の奥の柔らかい部分を くすぐる 
まるで淋しさを紛らわすように 
もっと深い所で繋がりたい そんな夢は 泡沫の時間の流れのように
愛ゆえに あなたを愛するが故に 花はいつものような朗らかさで 咲いている

導 →しるべ
渚 →なぎさ
佇む→たたずむ
コメント

みやすけの詩

2011年08月04日 | 初期中期の詩
明滅する星の彼方には つまびやかな唄が流れている
不協和音の波に乗って あなたは夢へと旅立つ トーテムポールの声
土に触れたような 冷たい感触は 太陽の光だった
アカシアの木に触れる その小さな手で 浮浪する男の行く末を案じる

まどろむ景色が やけに美しく見えた 透明な星の光のように
尤もな言葉は 人を傷つける 時に荒波に揉まれる あなたは人間の仔
静寂の張り詰める 扉の向こうには 朝顔の花が咲いている
広い夢の ほんの小さなシコリ 噴き出す体液 痛みの感触はない

北極星が 道を煌々と照らしている のさばる道理は消えた
それでも無花果の実は 夜の帳の中で 地上に落ちる
錨を下ろした船のように 人は心を塞ぎ込む 消えそうな現し身を抱いて
素朴な色の椅子に座って 身体を揺らす 緩やかな空気の流れを感じながら

琵琶の音が涙を流すように響いている そんな旋律が やけに温かい
空気に触れて消える シャボン玉のような そんな泡沫
世に流れる血潮を感じる 人はそれでも殺し合う 自分を否定するように
その眼差しの向こうには まだ来ぬあなたの姿 殺し合う意味を教えて

そんな瞳で私を見ないで 景色は移り変わる あなたを残して
緑のなびく森の奥深くには 泉が湧いている それぞれの詩を持って
疑いの眼は 虚構を深める それは小さな奇跡を待つ 子供のような瞳
 
明滅 →めいめつ
浮浪 →ふろう
仔  →こ
煌々 →こうこう
無花果→いちじく
錨  →いかり
琵琶 →びわ
コメント

みやすけの詩

2011年08月03日 | 初期中期の詩
向こうの空には 鳥の死ぬ場所がある
飛行を続ける旅の中で ふと 無常を悟る
変わっていくもの 変わらないもの 真実は路頭に迷う
伝えられない愛を唄う 鳥はそれでも 自身を責める

湖畔には 山茶花が 寂々しい思い出の中で 音もなく揺れている
悠遠の昔 あなたを愛していた それだけを覚えている
先の見えない未来は 二人を闇へと誘った

砂の間を縫って堕ちていく 水はそこで全てを捨てる
あなたの裡のあらゆるものは いずれ土へと還っていくのだから

怯えてもしょうがない 泣いても誰も助けてはくれない
命が憂鬱の流砂に沈む時 朝靄に消えたあなたは 帰らぬ人になる
流れて行く時間 憂愁に色付く 紅い花の美しさ
あなたは私に云った 真実は悟るほどに 遠くなるものだと
それでも命は生死を繰り返していく 酔い潰れた男のように

そっと腹を摩るのは 妊婦のような微笑み 深閑とする木々
二人はそのようにして出逢った あなたを愛しいと想うように

静けさがまた一段と とろとろとした渦に 呑まれていく
消えかけた命は 最後の呼吸に取り掛かる 死は甘美に包まれる
愛を享受する それさえも刹那の想いに消えていくなら
あなたはいつまでも 幻想の中で 夢を紡ぐ



山茶花→ さざんか        深閑→しんかん
寂々しい→じゃくじゃくしい    享受→きょうじゅ
朝靄→  あさもや
摩る→  さする
コメント

みやすけの詩

2011年08月02日 | 初期中期の詩
空を飛びたいと 願いは心の奥底で谺している
宙に浮遊する 冷たい粒子に 触れたとき
世界は華やかさの中へと堕ちていく
宇宙に咲く山茶花を 千切り取る 血糊の付いた手で
押し退けられ 泣いているあなたは とても美しい

蠱惑に染まる花は 何時までも 犠牲になる人間を探していた
ひどく重たく降る雨 ヒヤシンスにかかる 露の重さ
震える弓から放たれた 透明な矢は 幽玄の空へと消えていく
オリオン座の輝き そこでは 虚しい人生の 涙が滴る
飛び出したい気持ちを抱えて 波のように静かな 寂しい詩を詠う

人は分かち合う愛を 探している 鳥は重力を抜け出す
この地球から遥かに離れた 無の領域へと 飛んで行く
今日も和やかな天気とは裏腹に 人は悲しみに染まる
海岸線に映える夕日 紅い旋律の唸り さざ波の小さな音

あなたはまた一段と 深い優しさを手に入れる
闇の中でもがいている 人を想う その感情が やけに寂しい
川面に映るナルシスの顔は 刹那の愛情 振りかざした刃物
この場所を貶して 孤独になっている人 冴えない花のように侘しい
心の裡で探し求めている その少女は 人から産まれた
当たり前の事実が 蹂躙される世界


谺 →こだま
蠱惑→こわく
蹂躙→じゅうりん
コメント