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唾液から虫歯菌を短時間に検出する

2018-12-19 | 科学・技術
 京都大学大学院の保川清教授とKRI(京都市下京区、大阪ガス子会社)は、唾液から虫歯の原因菌を短時間で簡易検出する方法を開発した。保川教授の核酸増殖法(リボ核酸〈RNA〉簡易検出法)を活用し実現した。2018年度中に家庭内でも手軽に検出できるようキット化を目指し、2019年度をめどに歯科関連メーカー向けにも技術供与する。
 RNA簡易検出法の活用で、虫歯の原因菌である”ミュータンス菌”の有無の判断が短時間(30分~1時間)で分かる。従来は高額な装置を使用し、検出に2時間以上かかっていた。同検出法はC型肝炎ウイルスの検査薬などに使われ、KRIは”ミュータンス菌”の検出に応用した。
 検出法では、”ミュータンス菌”のリボソームRNAを特定して検出する。デオキシリボ核酸(DNA)合成、RNA分解を繰り返し、標的RNAを増幅する。この間は一定(約41℃)の温度で反応が進むため、温度調整する装置が不要である。温度調整にも時間がかからないため、短時間で検出する。この増幅したRNAの検出にろ紙上で目視確認する核酸クロマト法を用いて、市販の妊娠検査薬のように気軽に虫歯菌の検出ができる。
 KRIと保川教授は虫歯原因菌以外でも皮膚常在菌、日本酒醸造における酸化や臭みの原因となる火落ち菌の検出などにも応用を広げ、各キットを順次開発する考え。
 ◆ミュータンス菌(Streptococcus mutans)
 う蝕(虫歯)の最大の原因となる口腔に生息する細菌。グラム陽性の通性嫌気性菌(レンサ球菌)。
 ”ミュータンス菌”が持つ3種類のグルコシルトランスフェラーゼ(GTase)は、砂糖の主成分であるスクロース(ショ糖)を分解してグルカン(グルコースの重合体)を形成し、それがプラーク(歯垢)となる。
 ”ミュータンス菌”はスクロースやグルコース、ラクトース、マルトース、アミラーゼによって分解されたデンプンなどの糖を代謝して歯を溶かす酸(乳酸)を作り出す。乳酸を主とした有機酸が産生されると、pH の急激な低下をもたらす・・虫歯の原因となる。
 因みに、生まれたばかりの子どもには”ミュータンス菌”は存在せず、生後20~30ヵ月頃がミュータンス菌に感染しやすい時期、と聞く。

 今日の天気は晴れ。すこし寒いが、ブラリブラリと散策。
 お花屋さんの店頭で、綺麗なお花が飾ってあった。


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